@岩山大吉さんからの質問
Q.
シャドウボウリングではうまくインステップが出来ますが、ボウルを持つとインステップどころかアウトステップになってしまいます。一生懸命インステップして居るつもりでも、板目3枚ぐらいしか入れませんとても右足の前まで出せませんボウルのリリースまたはその他に何か欠点があるせいでしょうか。
A.
シャドウボウリングでインステップ出来ると言うことは、インステップのイメージは頭の中にあるのだと思います。ただ、シャドウボウリングと実際にボールを持ったときのアプローチでは、身体の各部の動きやタイミングは同じに出来ても、加重等のバランスは全く違ってしまう事はお解りいただけると思います。
いろいろと頭を働かせて考えてみたのですが・・・ アプローチの問題となると、実際にその人のボウリングを見てみないことにはアドバイスのしようがないのが正直なところです(^_^;) ですので、岩山さんの問題解決に直接結びつくかどうかわかりませんが、インステップにならない原因を考えてみましたのでよろしくお願い致します。
【スライドとリリースのタイミングの不一致及び肩の下がりすぎ】
右投げの人の場合、投球後は(極端に言うと)左足一本で体を支えることになりますよね。岩山さんがどの程度最後の一歩をスライドさせるボウラーなのかがわかりませんが、実は左足一本で体を支えるのは投球後だけではなくスライド中も左足一本で体を支えているはずです。しかし、このスライド中に重心のバランスがブレる要因があるとスライド方向も簡単にブレてしまいます。このブレを完全に無くし、イメージ通りのインステップをするには、「スライドが完全に終了してからリリースを開始する」しかありません。この投げ方を「手遅れのリリース」と表現することもあります。
私が勝手に考えるに、うまくインステップ出来ないと言うのはスライドとリリースのタイミングがほぼ同時であり、かつリリース時の(右利きの場合)右肩が下がりすぎているのが原因なのではないかと思います。つまり、スライド足を前に出すのと同時にボールを投げていて、かつ右肩が下がっているが為に上半身は右側に・下半身は左側に逃げてしまっているのではないかと言うことです。
以前ボウリングの教則本には、「バックスイングから振り下ろす腕とスライドする足がファールラインで一致するタイミングが良い」と紹介されていました。前述したタイミングのことですね。
実は私もこのタイミングで投げています。理由は、不必要にボールのスピードが上がらず、球質もスピードもコントロールしやすいからです。でも最近のPBA選手をみても手遅れのリリースをしている選手が大半を占めていて、現在の主流になっているようです。
さて話を元に戻して、この場合の対策方法ですが
●5歩助走のボウラーの場合、4歩助走に変更してみる
●腕の振りををゆっくり大きくする
●立ち位置を現在よりも前にする
●プッシュアウェイを現在よりも上方にする
等が考えられます。どれも手遅れのリリースをするための方法なのですが、一番のお勧めは4番目の「プッシュアウェイを現在よりも上方にする」です。他の3つは、その人に合えば良いのですが、あわない場合は前述したブレを引き起こす要因がかなり大きいので強くはお勧めしません。
「現在よりも上方にする」とは、例えば岩山さんが現在プッシュアウェイを斜め下の方向に出しているとしたら、床と平行に出すようにすると言うことです。こうするとスイング全体のタイミングが現在よりも遅くなり、リリースするタイミングも現在よりも遅れるのでスライドしてからリリースを開始できるわけです。しかし、ここで注意したいことは、この方法が”解決策”なのではなく、あくまでもスライドとリリースのタイミングを体で感じるための方法ですので、その後は自身での練習と改良が必要です。またこれと併せてリリース時に右肩が下がりすぎていないかも確認して下さい。
そして、強制的にインステップさせる方法もご紹介しておきます。それは、私のHPの「お答えします!」の中の「インサイドからの投げ方のコツは?」に出てくる一番最後の図のような構えで投げる方法です。つまり「上体を絞って投げる」わけです。下半身が最初から右側によじれているため、スライドする足は否が応でもインステップになるわけです。しかし、この方法は現在の岩山さんの投球フォームを完全に崩してしまうおそれがありますので、一応試していただき、ご自身に合いそうになかったらやめて下さい。
以上、長い文章になってしまいましたが現時点で考えられる原因と対策でした。
もし、岩山さんの投球フォームや意に反することばかりでしたらお知らせ下さい。また、試してみたもののうまくいかないと言った場合には、状況を出来るだけ細かくご報告いただければ幸いです。
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