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燃費向上計画1
(株)テクトムの燃費マネージャー「FCM-2000 A2」の使用感など。
(2005/10/29)


ガソリン代、高いよね。

何故か最近(2005年10月現在)ガソリンが高い。
それに加えて、自分の車はハイオク仕様なんでガソリン代が結構大変だったりする。

自分の車(FORESTER XT)のタンクの容量は60Lで、自分がいつもガソリンを入れているスタンドでは、ハイオクは\140/Lなので、タンクが空の状態で満タンまで給油すると、\140×60L=\8400円もかかってしまう。
一万円札を入れても、お釣りが千円札1枚しか出てこないのだ。ぶっちゃけありえない。(>_<)

・・・そんな昨今の事情とは全く関係無く、以前から自分の中で、ある欲求が生まれていた。
それは、「車の中に何か計器を付けてみたい。」ということ。いわゆる、「ブースト計」とか「水温計」とかである。
(実は自分、子供の頃から「メーター」の類が大好きでした。)

とは言え、オレ走り屋でもないし、ブースト計とか付けても見ている分には楽しいかもしれないけど、あまり実用的じゃないから飽きてきたら邪魔に感じるかもしれないしなぁ・・・とか考えていた自分にピッタリの商品があった。

それが、(株)テクトムの、燃費マネージャー「FCM-2000 A2」だ。


「燃費マネージャー」のできること。

燃費マネージャー「FCM-2000 A2」は、その名の通り、燃費を液晶画面に表示させることができる機械。

具体的に表示ができる情報を挙げてみると、燃費(瞬間燃費と平均燃費)/走行距離/燃料使用量/車速/回転数/水温の7種類。ただし、これらの情報を全て一度に確認できるほど、燃費マネージャの液晶画面は広くない。燃費マネージャの液晶画面には多彩な表示モードがあるが、その中で一番一般的(?)と思われる4つの数値を表示できるモードでは、上記の7種類の数値のうち、4つを選んで表示できるようになっている。
実際、車速や回転数は、車にスピードメーターやタコメーターが付いているからそれを見ればいいわけだし、水温もあまり見る機会は少ないと思うので4つしか表示ができなくても不便な事はありません。

他にも、最大で2時間前までの燃費をグラフで表示できる機能などもあります。これを見ると、「30分程前は下り坂ばかりだったから燃費が良かったなぁ」とか「10分程前から渋滞に巻き込まれたから燃費が悪くなってるなぁ」といった、走り方と燃費の関係が良く分かります。

ちなみに自分はいつも、「瞬間燃費/平均燃費/燃料使用量/走行距離」の4つを表示させています。
・・・というか、コレって標準の状態なんですけどね。(笑)


「燃費マネージャー」には初期設定が必要です。

燃費マネージャーは取り付けたからといって、そのままの状態で正確な燃費や燃料使用量が分かるわけではない。必ず最低でも1回は、燃料使用量と走行距離を燃費マネージャーに設定してあげる必要がある。

「なんか難しそう」とか、「え〜面倒だよ〜」って人もいるかもしれないが、別に難しくも何ともない。それにキチンと設定してやれば、設定は1回だけでOK。
(もっとも、自分みたいに正確さを求めて何度も設定している人もいますけど。)

1)まずスタンドで給油する。セルフスタンドで口元ギリギリまで給油するのが吉。
2)そして燃費マネージャーの設定画面から「クリア」を実行。
3)同時に車のトリップメーター(区間距離計)をリセット。

4)燃料タンクが空に近付くまで、普通に走る。

5)空に近付いたらスタンドで給油する。この時も口元ギリギリまで給油。
6)給油後、レシートを見て、入れた燃料の量を燃費マネージャーの設定画面から入力。
7)同時に車のトリップメーターに表示されている距離を、同じく設定画面から入力。
8)そして燃費マネージャーの設定画面から「クリア」を実行。
9)後は普通に走ればOK。

上記の手順を1回だけ行えばOKです。繰り返し設定を行いたいという方は、8)まで終わったところでまた3)まで戻って行ってもOK。

どうして初期設定が必要なのかというと、それは燃費マネージャーの動作原理に理由がある。
燃費(1Lの燃料で何km走行できるのか?)を割り出すには「走行距離÷使った燃料の量」であることは知っている人も多いと思う。
ガソリンスタンドに行った時に、トリップメーター(区間距離計)をリセットしておいて、次にガソリンスタンドに行った時にトリップメーターの数字を給油したガソリンの量で割って、自分の車の燃費を計算している人も多いはず。

燃費マネージャは車からの燃料使用量の情報を受け取って表示しているが、実は車から燃料使用量そのものの情報を受け取っているわけではなくて、「燃料をどのくらいの時間噴射したか?」程度の情報しか受け取っていない。
そのため、取付を行った後に一度だけ「どの程度の燃料噴射時間で何Lの燃料を使用した」という情報を燃費マネージャーに教え込ませることで、その後の燃料消費量を正確に表示できるようなる・・・というわけだ。

上にも書いたように、この設定は1度だけ行えばOK。設定を行う事で「係数」というものが決まる。この「係数」は車種によって異なるので、これを別途メモしておくことで、燃費マネージャを接続し直したりして再度設定を行う時に、上記の手順を踏まなくても「係数」を設定するだけで良くなる。


で、実際どんな感じ?。

とにかく面白い。というか興味深い。
アクセルを踏み込むと燃料噴射量が増えるので瞬間燃費が悪くなり、アクセルを軽く踏んでいる状態では燃料噴射が少ないため、瞬間燃費が向上する。これは当たり前のことなんだけど、頭では分かっていても、実際にアクセルを踏んだり戻したりしながら燃費マネージャーの画面を見る事でより理解が深まる感じだ。

あと、燃費マネージャーを取り付けた人なら誰でも体験できるであろう驚きが、
「自分が燃費が良いと思っていた状態が、実は意外と燃費が悪い。」
「自分が燃費が悪いと思っていた状態が、結構燃費が良い。」
ということ。一般的に言われていた常識が通用しない場面があったりして、取り付けて数日間は結構カルチャーショックを受けた。

一例を挙げると、狭い道路でアクセルをほとんど踏まずに(あるいは全く踏まずに)超低速で徐行運転をしている時の燃費が悪かったり、高速走行中でアクセルをあまり踏んでいない状態や、それほど速度が出ていなくても普段よりも高めのギアで回転数を抑えて(ブブブ・・・という微妙な振動を感じるくらいで)走ると燃費が良くなるという事があったりもする。

良く言われる「速度を抑えて走ると安全だし燃費も良くなる」というのも半分は本当で半分はウソだ。燃費を抑えるような運転を心掛ける事で結果として速度が抑えられて安全な運転になってしまうわけで、遅く走ったからといって燃費が必ず良くなるというわけではない。「燃費が悪い遅い走り方」というものも存在することも燃費マネージャーによって理解できた。
(詳しくは後述しますが、このように燃費だけを考えてゆっくりとした走行を行うと後続の車に迷惑がかかることもあるので注意が必要!。)

また、いわゆる「燃料カット制御」を目に見える形で知る事もできる。
燃料カットとは、エンジンがある一定の回転数以上(1500〜2000rpm)以上の時にアクセルから足を離すと燃料を全く消費しない(燃料を噴射しない状態になること)で、例えば下り坂などでアクセルから完全に足を離すと全く燃料を消費しなくなること。
そのため、深夜の空いている道などをドライブする時に、「前の車に追いつきたい」という衝動を抑えて、「下り坂では絶対にアクセルを踏まない!」という運転を心掛けると、「え〜っと、オレの車ってハイブリッドだったっけ?」と思ってしまうような凄い燃費を叩き出す時がある。(笑)
かなり長距離を走っているはずなのに車の燃料計が全然下がってこないのは、かなりの快感だ。

あと、結構便利な機能が燃料使用量の表示。
ガソリンスタンドで満タンに給油して、燃費マネージャーの表示をリセットしておけば、自分の車のタンク容量から燃費マネージャーの燃料使用量の数値を引けば、残りの燃料が0.1L単位で把握できる。(もっとも満タン給油時の誤差などもあるので、そこまで精度は高くないんだけど。)

さて、問題は「燃費が向上したかどうか?」という点なのですが、結果として燃費は向上しているようです。特に長距離のドライブの時にはかなりの威力を発揮します。
そして燃費の向上は、1回の給油で走行できる距離の向上にも繋がります。

自分は今まで「前の車に追いつきたい〜」という気持ちが先走って下り坂でも軽くアクセルを踏んだり、その結果、前の車に追いついた時にブレーキを強めに踏んで減速するという、今から考えれば結構ムダな運転をしていたので、そういったムダを削減できたことによる効果は大きいです。

また、燃費の悪化の原因の原因の一つと言われている、急発進や急加速も以前と比べて少なくなりました。
・・・いや、まぁ、踏むときは踏みますけど。(汗)


燃費マネージャー装着による省燃費運転はオトクなのか?。

気になるのが、「燃費マネージャーを取り付けて省燃費運転を行う事で元は取れるのか?」という点。

昔からこの手のエコグッズ・経費節減グッズは「費用対効果がビミョー」とか「元が取れる頃には製品寿命がやってくる」というオチが付く事が多い(笑)ですが、燃費マネージャーを使う事で、実際にどの程度オトクになるのか?、どの程度使うと元が取れるのかを適当に計算してみました。

燃費マネージャーはテクトムのWebサイトから購入すると\31,290(送料込み)。
ハイオク(\140/L)を、いつも50L使用したところで(60Lタンクで残り10Lで)給油しているという条件で、燃費マネージャーを取り付けてから燃費が9km/L→11km/Lに向上したと仮定すると、

(11km/L−9km/L)×50L=100km

となって、1回の給油で100km余計に走れるという事になる。
そして1回の給油でオトクになる金額は、

100km÷11km/L×\140≒\1,273

となって、約\1,273オトク。(エコドライブもバカにできませんね・・・)
これで購入金額を割ると、

\31,290÷\1,273≒25回

となって、25回給油(11km/L×50L×25回=13,750km走行)すれば元が取れるという計算になる。

実際には燃費が2km/Lも向上することが無いかもしれないし、将来ガソリンがまた値下がりする可能性もあるので、上記は効果が出やすい条件で試算をしているとも言えるけど、良く車に乗る人なら1年程度で10,000〜20,000km程度は楽に走ってしまうので、割と早く元が取れる事がわかる。

「良く車に乗るので燃料代を浮かせたい」という方は、購入する価値があるのではないだろうか?。


超えられない壁と、中毒症状についての注意。

燃費マネージャーによって、確かに以前と比べて燃費は向上した。
「現在の燃費が数値ではっきりと分かる」という点で、ある意味でゲーム的な要素もあり、楽しみながら環境負荷を軽減させる事ができるのは本当に素晴らしい。

・・・が、しかし、実際にはうまく行く事ばかりではない。
また、ゲーム的な要素も行き過ぎると危険が伴う。

例えば、運転中に襲ってくる突然の渋滞。
渋滞にハマると、それは燃費の悪化に繋がるという事は知っている人も多いかもしれない。エンジンは回っていてガソリンを消費しているのに、走行距離があまり伸びていかないので当然と言えば当然だ。
「アイドリングストップすれば?」という話もあるけど、実際にはちょっと動いては止まり、そしてまたちょっと動く・・・といった「ノロノロと進む渋滞」が多いので、エンジンを止める事が難しい。それにエンジンをかけ直す度にカーナビの再起動が頻繁に繰り返されるので、精神衛生上もあまり良くない。(その程度じゃカーナビは壊れないだろうけど)
このような渋滞にに巻き込まれると、燃費マネージャーの平均燃費の数値はジリジリと下がっていく。渋滞にハマる直前まで省燃費運転を心掛けていたのに、その苦労が水の泡・・・というわけだ。

また、上記の渋滞よりもよくある事が、「周囲の状況を考慮した運転」とか「周囲の交通の流れに合わせた運転」による影響だ。
例えば、比較的交通量の多い市街地で、「オレは省燃費運転してるんだもんね〜。地球に優しいもんね〜。」などと「燃費の事だけを考えた運転」をしていると、それは時には迷惑、時には危険、時には自分勝手な運転になってしまう。「地球に優しい運転」「安全で人に優しい運転」は、必ずしも一致するとは限らないのだ。
「ムダな加速やスピードの上げ過ぎは燃費が悪くなるし危険ですよ〜。法定速度を守りましょ〜!。」と言って自分の車の後ろに大渋滞を作り上げたところで、それによってストレスを溜めてしまった人が事故を起こしてしまうかもしれない。そういった事を防ぐためにも、時にはムダな加速やムダなブレーキによって前の車にピッタリ張り付くような運転をしなければならない場合もあるのだ。

更に上記の2つよりも日常的に起きている事が、「比較的短距離の通勤や買物は燃費が悪い」ということ。
通勤時や帰宅時は完全にエンジンが冷え切っている状態から走り出す、いわゆるコールドスタートの状態なので、燃料の噴射量が比較的多い。しかも自宅から会社までは信号や交差点の数も少なくない。これら2つの条件が揃うと、何をどうやっても平均燃費が絶対に低くなってしまう。

・・・そしてこういった考察ばかりを続けていくと、やがて「止まれ」の標識「赤信号」「見通しの良い直線道路で低速で目の前を走り続ける車」さえも「燃費を悪化させる原因だ!」と思ってしまうという極めて危険な状態に陥る。(^^;
道路が空いていて信号も少なく、後ろから煽ってくる車もいなければ前に遅い車もいないという状況で自分の思ったペースで車を走らせる事ができ、結果として省燃費の新記録を達成できるとアドレナリンが迸って凄い快感が得られる。しかし上記のような様々な燃費悪化の要因により達成ができないとイライラが募り、時には「地球に優しくできなかった・・・」と自己嫌悪に陥ったり、「オレの車の実力はこの程度なのか・・・?。」とヘコむ事もある。(←ちょっと大袈裟)

・・・これは既に「エコドライブ中毒」とも言えるかもしれない。(笑)

燃費マネージャーは、「省燃費の新記録を追い求める」ために使い倒すのではなく、「いつもの運転の中でちょっとだけ省燃費を心掛けてみる」程度の使い方をした方が、精神衛生上良いのかもしれません。ムリすると車にも負担かけちゃうしね。(^^;


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