-----Melty Kiss-----



 ---先輩は、キスに弱い。


 ベッドに腰掛け、膝の上についた右手で頬杖をついていた先輩は僕が隣に座った時だけちょっと身じろぎをした。
 が、そんな反応をしたことを殊更隠すように、先輩は前を向いたまま僕の方を見ようとしない。
「先輩」
「・・・なに?」
「・・・・・。」
 そして僕もわざと、先輩が深読みするように先輩を見つめたまま沈黙を保ったりしてみる。
 案の定しばらくして根負けした先輩が問い掛けてきた。
「・・・なんだよ」
 笑いたくなるのをこらえて、僕はあえて思ってるのとは違うことを言う。
「何か、飲みます?」
「・・・別に、いらない」
「そうですか」
 憮然として前を向く先輩がおかしくて僕はとうとうくすりと笑ってしまい、それを聞きつけた先輩が怖い顔でこちらを振り返った。
「なんだよ」
「いえ、別に」
「だったら、見んなよ」
「だめですか?」
「・・・だめって訳じゃないけど・・・」
 怖い顔のままちょっと困ったように眉根を寄せる先輩に、僕はもう一度笑いを漏らして。
「じゃあ・・・キスします」
 その言葉が先輩に浸透するより早く、唇を重ねた。
 引き寄せるより先に、抱き寄せるより先の、触れる唇。
 驚いたように目を見開いた先輩が我に返って僕を押し返そうとするのをやんわりと抱きしめる。
「おいっ、ちょ・・・真下っ・・・俺は明日休みじゃないんだからなっ」
「だからキスだけですって」
 腰を抱き寄せられて、うなじを引き寄せられて、けれど触れるだけのキスに先輩はまるで僕に閉じ込められたようにおとなしくなる。
 それでも手は僕の肩を押し返すポジションのままで。
 頬にも、目を閉じさせて瞼にも、額にも、順番にキスを繰り返しても頑なな先輩は身体を強張らせたままだった。
 ・・・全く素直じゃないんだから、と笑いたくなりながら僕は腰にあった手でシャツの裾を引っ張り出す。
「・・・っ・・・ちょっとお前、・・・っ・・・」
 話が違うじゃないかと言いかけた言葉を飲み込むように、ちょうど到達した唇に深いキスを施す。
 頭を振って逃げようとする先輩の後頭部を掴んで僕はその柔らかい舌を絡め取った。
 角度を変えながら息もつかせずにくちづけると、先輩は結局すぐに抵抗をやめる。
 そうなると僕は、下唇を甘噛みしたり、舌を吸い上げたり、好きなように先輩の口中を貪ることを許されたことになる。
「・・・ん・・・っ・・・」
 先輩は、キスに弱い。
 思いもかけずにこういう関係になれてから知ったことだけど。
 触れるだけのそれにもそうだし、こうやって深く深く合わせるキスにはなおさら弱い。
 まるで酔ったみたいに身体から力が抜けて、僕の好きな無防備な表情をあえなく晒してくれる。
 キスは続けたまま、僕は先輩を捕まえておくために腰で止まっていた左手の動きを再開させる。
 まだスラックスの中に半分残っていたシャツを引き出して、その背中に指を滑らせた。
 肌の上を触れるか触れないかの力で這い上がる僕の指先に、先輩の身体がびくりと竦む。
 同時に合わせていた唇を半分はずし、ひとつ、触れるだけのキスを落として。
 その後その位置のまま先輩の吐息が甘やかに変わっていくのを楽しむのが僕は好きだった。
 くっきりと浮き出た羽根の名残に触れた左手が、今度はさっきと違うラインで微妙なアクセントをつけて這い降りる。
 そうすると先輩は決まって僕にしがみついた手に力を込める。
 くっ、と噛み締めた唇が赤く染まって、今はまだそこから微かに漏れ出るだけの吐息を甘く彩る綺麗さ、鮮やかさ。
 その間に僕の右手はうなじから首筋、そこに緩く締められたネクタイに伸び、小気味のいい音を立ててそれを素早く外す。
 更に小さなボタンをひとつひとつ時間をかけて外し、Tシャツをたくし上げ、露わになった熱い肌に吸い付くように手のひらを合わせる。
 震えていた先輩の喉がひくり、と一際大きく震えて、僕は吐息から離れてその首筋に移動することにした。
「・・・ん・・・ぅ・・・っ・・・」
 そっとそっと唇で触れると、こらえきれなかったらしい喘ぎ混じりの息が僕の髪をくすぐる。
 もっとそれを感じたくて、僕は滑らかな喉元に舌を這わせた。





初挑戦です。ほんとに初めてなんで・・・見逃して。
肝心なトコロで詰まっててちっとも終わらないので
とりあえずここまで載せちゃえ、なんて。
は〜っ、でもえっちってなんて難しいんでしょっか。
俺は所詮お子様だから書けないよぅ・・・。
どなたか私にえっちの書き方を伝授して下さい。
・・・でももう2度と書けそうにないから、いっか(苦笑)
これの続きだけは書くけど・・・載せるけど〜・・・。
でもでも何の反応もなかったら載せないもん、続き。
空しいじゃない、一人上手みたいで(爆)
↑ここんとこ厭世的な俺(倒死)



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