南ア・黒戸尾根〜甲斐駒・仙丈
データ
 日程 2002年10月25日(金)〜27日(日)
 参加者  5名
 ガイド  水越 


10/25(金) 晴れ
7:00韮崎駅集合 ― 7:30竹宇駒ケ岳神社 ― 10:40笹ノ平 ― 12:50刃渡り ― 13:15刀利天狗 ― 14:00五合目小屋 ― 15:20七丈小屋

  土曜日の降水確率が一週間前の週間天気予報からずーっと50%で、「また直前に変わるだろう。」と楽観してましたが、前日になっても変わらず、悩みました。しかし、「なんとかなるだろう。」ということで実施。

 登山口から頂上までの累積標高差2300m。富士山を除くと最もスケールの大きい登りの黒戸尾根。そして古くからの信仰登山の名残がそこかしこに見られ、登ってるうちに厳粛な気持ちになりました。


 ←出発時、竹宇駒ケ岳神社にて
   神社本殿は春に起きた火災で焼失していました。

  
七丈小屋にはトイレの工事で職人さんが寝泊りしていたため管理人さんもいて、夜通しストーブを焚いてくれたりして快適に過ごせました。広河原〜夜叉神峠間が土砂崩れのため通行止めになっていることを管理人さんから聞いて初めて知り、急遽作戦会議を開きましたが、結局全員で北沢峠まで下りることにしました。


     
刃渡りはがっちりと鎖が
かかっていて、
全く問題なく通過。
刀利天狗にて
明治や大正時代の石碑は
まだ文字が読めましたが、
それより古いものは判読不能でした。
朽ち果てた五合目の屏風小屋。
五合目小屋も小屋番はもういなくて無人小屋。痛みが進んでいました。

10/26(土) 晴れ時々曇り、夕方雨
4:30起床 ― 5:30出発 ― 6:45八合目御来迎場 ― 8:30甲斐駒ケ岳頂上 ― 9:20六方石 ― 10:10駒津峰 ― 10:40双児山 ― 12:15北沢峠 長衛荘

 朝起きて空を見上げると、まだ星が出ているではありませんか。「天は我々を見放さなかった!」と喜びながら出発。

 高度が上がるにつれ次第に積雪量が増え、北側に廻りこんだところでは岩の表面も凍っていたりして鎖場ではちょっと苦労しましたが、無事甲斐駒山頂に立つことができました。さすがに風は冷たく、早々に北沢峠に下りました。2人のお客様はここで先に下山。

 長衛荘の宿泊は我々以外に2組しかいなくてがら空き。食事もおいしく、部屋も暖かく、トイレもきれい。これまた快適に過ごせました。

 「天気予報は外れたな。」と言いながら薪ストーブの暖かい火のそばで昼間から酒を飲んでるとだんだん暗くなってきて、3時頃からついに雨が降り出してきました。「明日は起きたら一面の銀世界かもね。」と期待と不安を抱えながら就寝。

  
     
八合目付近の鎖場
岩のステップに雪が載っていて
ちょっと苦労しました。  
八合目御来迎場
甲斐駒ケ岳山頂
神社でお参り。

10/27(日) 晴れ
4:00起床 ― 5:00出発 ― 6:40藪沢渡渉点 ― 7:30馬ノ背ヒュッテ ― 8:20仙丈小屋 ― 9:00仙丈ケ岳頂上 ― 10:00小仙丈岳 ― 10:40大滝頭五合目 ― 12:00北沢峠 ― 13:00バス乗車 ― 14:00戸台口 ― 14:30高遠 ― 15:40茅野駅 ― 16:10韮崎 解散

 とりあえず銀世界にはなってなかったし、天気も良いのでヘッドランプを点けて出発。13:00発のバスに乗らないといけないので予定より出発を早めました。

 この秋一番の寒気が入り、日本海側では荒れた天気と言ってたましたがこちらは快晴。しかし寒気と風は厳しく、頂上付近では昨日新たな積雪があり、完全防寒の上、アイゼンを装着しての行動となりました。もう冬山でした。

 順調に北沢峠まで下山しましたが、そこからが長かった。夜叉神峠経由で甲府へ出る予定だったのが、通行止めのためやむなく反対側の伊那方面へ向かい、バスを2回乗り継いで茅野まで出て、そこからJRに乗って、ようやっと韮崎に置いてあった自分の車まで辿りつきました。やれやれ。



仙丈ケ岳頂上にて






後記

甲斐駒、いい山です。昔から好きでしたが、昨年夏、旅行会社ツアーのガイドで北沢峠から久しぶりに訪れた時には、人の多さと、それに加えて周囲の雰囲気が人臭くなってしまっていたのでかなり幻滅したのですが、今回また見直しました。やはり甲斐駒は黒戸尾根からがいいのです。そしてこの時期がまたいいのです。ひとたび天候が悪くなると怖いし、雪があるかないかの微妙な時期でありますが、夏場とは違う爽やかさがあります。夏は暑くてやってられないかもしれません。長大ですが、変化に富み、そして何よりも信仰登山の名残から来る霊場に満ちた雰囲気がいいですね。僕も今度石碑を担いで信仰登山しようかなあ。




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