明星山P6南壁左岩稜
データ
 日程 2003年11月8日(土)
 参加者  2名
 ガイド  水越


11/8 (土)  曇り
6:30白馬駅集合 ― 7:30駐車場 ― 8:15小滝川渡渉 ― 8:45登攀開始 ― 15:30大岩上の終了点 ― 16:45駐車場 ― 18:00白馬駅解散

 早くも、のーべんばー。のんべーではありません。NOVEMBERです。月日が経つのは早いもの。あと1ヶ月半ほどで今年も暮れてしまいます。こうして年を追う毎に時間が経つのが加速度的に早くなり、いつのまにかアブナイ中高年登山者になり、百名山踏破をめざして○○新聞旅行とか、北○ルプ○総○○内○といった会社のツアーに参加してる自分を想像してしまいます。というのはウソ。

 
さて、今日はクライミングです。いや、「クライミング」なんていうナウい(死語)言葉は似合いません。「岩登り」です。場所は、今僕が住んでる長野県北安曇郡白馬村北城829-119番地から国道148号線に出て、日本海に向かって北上していき、隣り村の小谷村を通過し、いくつかのトンネルや洞門を抜け、新潟県糸魚川市の手前の小滝という町、っていうか部落のところから左に入り、小滝川沿いの道をヒスイ峡に向かって登っていくと右側に岩壁が迫ってきます。↑ここが本日の舞台。「明星山」をクライマーの間では「みょうじさん」と言ってますが、地元では「みょうじょうさん」と呼んでるみたいです。
岩壁の対岸の駐車場から売店裏の踏跡を下っていくとすぐに小滝川に降り立ちます。まずここの渡渉がポイントなのですが、今日は水量が全然少なく、靴を脱がずに飛び石伝いに楽勝で渡れました。今年の6月に来た時は靴を脱いで太ももまで水に浸かって渡渉しましたし、何年か前には水量が多くて渡渉できず、岩壁を目の前にして敗退したこともあります。
渡ったところで登攀準備。天気は曇りで、午後から崩れてくる予報。見上げる左岩稜ルートには、なんと5パーティぐらいすでに取り付いています。上から石が落ちてきそうなので早々にヘルメットをかぶり、我々のすぐ先行パーティのセカンドが1P目を登り終えたところで我々も登攀開始。1P目はちょっとかぶり気味のX級のピッチ。テラスに上がると先行パーティのセカンドがいて、どうやら上で詰まってる様子。しばらく待って先行パーティが動き出したところでお客様2人を順々に引き上げ、続いて2P目。ここは最初右に出てから左上していきます。30mほどでビレーポイントなのですが、またまた先行パーティが待っていて、聞けばこの次の核心部の3P目で我々の前の前の先行パーティが前傾壁を越えるのに苦労して時間がかかってる様子。お客さんを引き上げ、ここでだいぶ待たされてしまいました。
2P目ビレーポイントから1P目テラスのOさんを見下ろす。
2P目ビレーポイントのお客様2人。先行パーティがいい場所を取ってたので、我々はちょっと狭いテラスで待たされました。
ようやっと3P目に突入。ここがこのルートの核心部、前傾壁をアブミを使って越えていきます。ボルトの間隔も短く、落ち着いていけばそれほど難しくはないのですが、やはりアブミに慣れてないとけっこう消耗してしまいます。
←3P目途中から2P目ビレーポイントのお客様2人を見下ろす。ここは露出しているので高度感が素晴らしい。
3P目を後続するOさん。アブミはほとんど乗ったことないのに気合いで越えてきました。いいセンスです。
同じく3P目を後続するYさん。
4P目以降はようやっと前が詰まることもなくスムーズに行けましたが、天気が怪しくなってくるし、ここまでで思いのほか時間がかかってしまったため、ちょっと焦りモード。ここ明星山の岩質は石灰岩のため、雨が降ったりして濡れるととたんに滑りやすくなり非常に危険な状態になってしまうので、大急ぎで終了点を目指します。U〜V級の所はコンテで移動し、最後の凹角状はロープをつけて登り、左に廻りこんで終了。いよいよ雨も降ってきてしまいました。靴を履き替え、余計なガチャ類はザックにしまって下降に入りましたが、この下降もつるつると滑りやすく、登りに勝るとも劣らない難しい下降。何回も尻もちをつきそうになりながら、なんとか暗くなる前に駐車場まで戻れました。
お疲れ様でした。


後記

アプローチが短いのがとっても魅力の明星山。そして左岩稜ルートはマルチピッチを体験するには本当にうってつけのルートです。翌日も同ルートをお客様1人連れて案内する予定でしたが、その後雨は本降りになり、翌日も止んだとしても壁がビチョ濡れなので中止にしました。
これでシーズンは閉幕なのですが、今年は雨に始まり雨に終わるって感じで、実によく天候に泣かされました。来年は天候が安定して良いシーズンでありますように・・アーメン、ソーメン。(死語)



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