北ア 西穂〜奥穂
データ
 日程 2003年9月13日(土)〜15日(月)
 参加者 4名
 ガイド  水越 


9/13(土) 曇り時々晴れ
各自行動 ⇒ 16:00西穂山荘集合

 ちょっと首を右に回してみて下さい。そしてゆっくりと元に戻して、今度は左に回してみて下さい。次に、左手の中指を見てみて下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・バカが見るぅ〜。
くだらないことしてすいません。全く何の意味もありません。久しぶりのツアー記録の更新に嬉しくて狂ってしまったようです。

 さて、皆さんは「ガイド」などと聞くと何を思い浮かべるでしょう。多分、このHP見てる方はきっと「山岳ガイド」って思うと信じてます。中には真っ先に「バスガイドのおねぇちゃん」って思う方もたまにはいるかもしれません。でもそれはそれで多いにけっこう。僕も好きですから(コスプレ趣味?)。ただ、インターネットの「戻る」ボタンを押して前のページの上の方のロゴを見ていただければわかる通り、一応僕は山岳ガイドです。「山岳ガイド」なんて言うとエラそーで、本当は「山案内人」の方が好きなんですが。
 何でもそうですが、仕事って大変ですよね。僕もかつては登山というものは趣味でした。しかしその趣味が仕事になった時から登山は大変になり、登山を始めた頃に比べると山での感動も薄くなり勝ちです。そんな今日この頃の僕はお客様を連れて今夏3回目の西穂〜奥穂コースに行ってきました。ここはツアーのご案内のページにも書いてある通り、縦走コースとしては最難ルートに入ります。もちろんお客様が一番大変ですが、僕も毎回神経使うので、終わるとグッタリモードです。

 昨年のこのコースは雨で途中敗退してるので、リベンジをかけて去年のメンバー3人が参加。そして初参加の方1人を加えた計4人のお客様と共にチャレンジです。
 



 今回はグルメツアーと言っても過言ではありませんでした。初参加のIさんがご覧の写真のようにおいしそうなパンや生ハム、ゆで卵、オニオンスライスなんかを保冷パックに詰めてきて、山荘でこのようにサンドイッチにして作ってくれたり、他にもトマトやきゅうり、みかんなども持ってきてくれました。山でこんな野菜を食べられるのは幸せです。素晴らしいお客様です。



9/14(日) ガス後晴れ時々ガス後晴れ
4:20出発 ― 5:45西穂独標 ― 6:20ピラミッド ― 7:00西穂頂上 ― 8:50間ノ岳 ― 9:25間天のコル ― 9:45天狗岳 ― 12:00コブ尾根の頭 ― 14:20奥穂高岳頂上 ― 15:10穂高岳山荘


 

今日も早出出勤です。夜明け前から行動開始。ものすごい風雨に見えますが、実はガスです。デジカメおかしいのかな?
ガスが濃くて濡れるので、しばらくはカッパ着て行動しました。
 

時間と共に次第にガスは薄くなり、時折青空も見えてきました。そして岩も徐々に乾いてきて快適になってきました。やはり岩が濡れていると悪く感じます。

西穂の頂上からはいよいよ遭難多発地帯に突入。ここからはヘルメット・ハーネスを着用し、お互いをロープで結び合って行動です。この日、このコースはかなりの数のパーティが歩いていましたが、中にはかなり軽装の方も見受けられ、「できるだけ荷を軽くしてサッと行く」という考え方もわからないでもないですが、やはりここは安全第一。何か事が起きてからでは遅いので万全を期して行動しました。ちなみに、お客様は「綱に引かれた囚人みたい。」と言ってましたが・・・。
  
ガイドブックなんかにもよく出てくる逆層スラブ。でも鎖はしっかりしてるし、スタンスやホールドもあるので思ったほど難しくはない。 おっとっと。画面の左に落ちれば岳沢へ、右に落ちれば飛騨側へ。どっちに落ちても痛いだけでは済まされない。 コブ尾根の頭直下。この辺は快適な岩登り。
ジャンダルムです。ピークに立った後、画面の左側を巻いてロバの耳側から見上げたところ。右側(飛騨側)は垂直に切り立っていて迫力があります。 ジャンダルムからロバの耳にかけてはガラガラした不安定な岩場で、ちょっとやらしい所。鎖があるので慎重に行けば大丈夫。
そして最後の難関、馬の背。ここも岩が乾いていて、しかも登りだったので、見た目より簡単にあっさりと通過できました。そして奥穂の頂上へ。
ちなみにこの後、穂高岳山荘へ向かい宿泊手続きをしましたが、満員御礼。小屋は大混雑でした。

9/15(月) 晴れ
6:40出発 ― 8:10涸沢ヒュッテ ― 9:25本谷橋 ― 10:30横尾 ― 11:30徳沢 ― 12:30明神 ― 13:30上高地


最終日、大快晴。晴れて冷え込んだのでこの日初氷を観測したようです。
お客さんからの申し出により、ここからは各自の責任で自由に行動するということで、北穂方面へ縦走して涸沢に下山する方や奥穂〜吊尾根〜前穂〜岳沢〜上高地に行く方など、天気もいいので各自思い思いの行動を取りました。もちろん僕は最短コースで下山。
そして翌日、皆さんから無事に下山したという連絡をもらい、今年の西穂〜奥穂ツアーはめでたく成功に終わりました。

後記

今回は全員の足並みが揃っていたので早い行動ができました。天候にもまずまず恵まれ、やっと成功したという感じです。


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