北ア 西穂〜奥穂
データ
 日程 2004年9月3日(金)〜5日(日)
 参加者 3名
 ガイド  水越 


9/3(金) 晴れ
各自行動 ⇒ 15:00西穂山荘集合

 今年も西穂〜奥穂ツアーの季節がやってまいりました。
 このコースはとにかく天気だけが気がかりです。ここのところ台風がよくやってきて毎週のように山に影響を与えています(山ばかりじゃないが)。今日はいい天気ですが明日はこれがまた高確率で雨の予報が出てます。

 今回のお客様はいずれもこの西穂〜奥穂コースを目標に、夏前から岩登りや沢登りをやったりしてトレーニングを積み重ね、ある人は西穂まで下見に行ってみたりと、それはそれは気合いが入っていてモチベーションも十分な女性3人。何とか成功させてあげたいもの。しかし天気だけはどうしようもないしなあ。内心、一昨年の再現か?と思ったりもしてました。
  



9/4(土) 曇り時々ガス後雨
4:20出発 ― 5:50西穂独標 ― 6:20ピラミッド ― 7:20西穂頂上 ― 9:00間ノ岳 ― 9:30間天のコル ― 10:00天狗岳 ―  10:30天狗のコル ― 12:30コブ尾根の頭 ― 14:20奥穂高岳頂上手前 ― 15:00穂高岳山荘


 とりあえず朝3時半に起きて外に出てみると、さすがに星は見えませんが雨は降ってません。時折ガスがかかります。 ヘッドランプをつけていざ出陣!

  
 丸山を過ぎ、独標の登りにさしかかる頃から周囲が明るくなり始め、ヘッドランプなしでも歩けるようになってきました。そして腹が減ったので独標で朝ご飯。夕べのうちに西穂山荘でもらったお弁当(おにぎり2個とおかず)です。どうやらこの日ここを歩いてるパーティの中では我々が一番先頭のようです。下の方から後続が10人近く登ってくるのが見えます。
西穂山頂に到着。ここからいよいよ一般ルートから外れて難所へ突入。ヘルメットとハーネスを着け、お互いをロープで結び合って囚人のようにゆっくりと前進。
何しろ西穂を出て間ノ岳までの間で事故が集中してるのでゆっくりと、そして一歩一歩集中してミスのないように前進。
途中、生花が供えてあり、それ見て余計にビビりながらも何とか悪いところを通過。無事に間天のコルまで来ました。天気もなんとか持ちこたえてます。そして天狗岳に向って逆層のスラブを登っていきます。
そして天狗岳を通過し、垂直の鎖場を下降して天狗のコルに降り立ちました。ここまで順調。ちょっと登り返したところで昼食。
「きっと途中で天候が悪化してここから岳沢にエスケープだろうな。」なんて思ってましたが、まだ持ちこたえてます。ここまで来たら行くっきゃない。
天狗のコルから辛〜い登りをこなし、コブ尾根の頭にヘロヘロになって到着。ここの登りはやはりキツイ。そして念願のジャンダルムへ。しかし何も見えなーい!
でもここまで来ればほとんど終わったようなもの。僕もちょっとホッとしてしまいました。
(※ここから先の写真なし)
が、しかーし、そうは問屋がおろさない。ジャンダルムから基部に戻ろうとした時、いきなりバシャバシャと雨が降ってきました。「おっ!ついに来たか。でもこの降り方、おかいな。」と思ってたら案の定、ゴロゴロと雷鳴が聞こえてくるではありませんか。焦りました。今年は特に落雷事故が多かったので過敏になってましたし。お客様には申し訳なかったですけど休みもせず急いでもらいました。歩きながら「もし雷が近づいてきたらどこに避難しようか。」とそればかり考えてました。お客様も「あたし、ここで死ぬんだわ。」と思ってたそうです。ヒョウ交じりの雨が降ってきた時は一度岩陰に避難。その後、雷は近づいては来なかったものの雨は本降りに。
濡れて滑りやすい馬の背の最後の難所を越えてようやっと一般道に合流。奥穂の頂上も踏まず、そのまま穂高岳山荘に直行。なんとか無事に着きました。

9/5(日) 雨
※悪天候だったため記録とってません

朝からかなりのどしゃ降り。
ザイテングラードを下降して涸沢ヒュッテで大休憩。当初の予定ではパノラマコースから下山する予定でしたが天気が悪いので横尾経由のノーマルコースで下山。
相変わらずかったるい上に雨が降って不快な林道を上高地へ。ずーっと雨が降ってましたが上高地に着く頃、ようやっと止みました。

後記

敗退を覚悟してましたがなんとか2日目の天気が持ってくれたので成功しました。ああ良かった。


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