威嚇射撃



朝、目を覚まし、部屋から一歩踏み出すと、
ガビョウが13個、足裏に突き刺さった。
神様の悪ふざけだった。

このところ野生の神様が民家に現れ、
寝室の外に13個のガビョウをばらまく事件が多発している。

そこで私は、神様をこらしめに行くことにした。
神様総本山をほどなく行くと、さっそく1匹の神様と出くわした。
私はすばやくライフルをかまえた。
その神様は私の金の腰ミノにひるんだ様子で、挙動不審に逃げ出そうとした。
「止まれ!」
私は言ったが、神様に日本語が通じるはずはなかった。
私は1発、威嚇射撃をかました。パン。
神様の額に穴が空いた。・ ・ ・ ・ よし、・・・ねらい通りだ。
足元に神様が転がっていたが、私は神様を取り逃がしたことにした。
「ちっ、逃げ足の速い奴だ」
私はそそくさと下山して、おいしいマツタケ御飯を食った。

− 完 −