大きな桃に乗ってしばらくドンブラしていると、おばあさんが川岸でヒッチハイクしていました。
「3丁目の八百屋さんまで乗せてもらえるかしら?(大根切らしちゃって)」
「お安いご用さ!」
「お安いご用さ!」
それからドンブラドンブラと1年が経ちました。
おばあさんは桃の中で、かわいい赤ちゃんを産みました。
桃の中で生まれたので、名前を「桃太郎」と名づけました。
桃太郎はすくすくと成長しました。
ある日、桃太郎はお腹がすいたので、おじいさんを食べました。
それを見ていたおばあさんは、とても悲しみました。
「おまえはどうしてそんなことをするんだい・・・」
「だっておなかがすいたんだもの」
「まったく、しょうがない子だねぇ」
「だっておなかがすいたんだもの」
「まったく、しょうがない子だねぇ」
別の日、桃太郎はまたお腹がすいたので、こんどはおばあさんを食べました。
「・・・」
話し相手のいなくなった桃太郎は、ひとり寂しくドンブラしました。
やがて、3丁目の八百屋さんが見えてきました。
店の裏でおじいさんが大根を洗っていました。
「だいこんゴシゴシ おろしてゴシゴシ
オトメのだいこん キレイなだいこん」
オトメのだいこん キレイなだいこん」
桃太郎はおじいさんが見えなくなるまで、ドンブラドンブラとそれを見送りました。