猫侍危機一髪



いま、猫侍のまえに1つの小ビンが転がっている。
使用期限のすぎた正露丸。
猫侍のネコのヒタイをひとすじの汗がながれる。
ふるえる肉球で小ビンを押さえると、猫侍はゴクリと生ツバを飲みこんだ。

猫侍はおもった 「にゃーん」

猫侍のおなかがゴロゴロなった。
もうイッコクの猶予もゆるされない。
意を決して猫侍は正露丸を飲みくだした。
水なしで飲みこんだのでちょっとむせ返る猫侍。

猫侍はおもった 「にゃにゃーん」

(つづく)