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 君よアルプスの風になれ 第20回

 三郷アップルマラソンin安曇野
 参戦記

2006年11月5日(日) 

 

スタート地点

初参加だった昨年に続き、今年も三郷アップルマラソンにエントリーした。同時期周辺にもハーフマラソン大会はあるのにこの大会にこだわるのは、アップルという響きに弱いから? しかし三郷村が安曇野市に合併したのに伴い、今年が最終回となる。
個人的には、一年半続けた独立ニート生活が経済的にも精神的にも限界がきている。悔いの無い走りをして、有終の美を飾りたいものだ。

松本の自宅アパートから自転車で13km、緩い坂を山地の手前まで走った所に会場の小倉グラウンドがある。朝もやが晴れて、良い天気になってきた。受付でゼッケンやチップを受け取り、ラッキー賞の抽選番号に目をやる。「自分の番号が無い訳がない!」…この自信はどこから来るのか。Webで去年の三郷アップルマラソンを紹介して、微力ながら名を広めた見返りがあったらいいなぁと。全くの偶然ではあるが、見事に当選、“新聞そば”をゲットした。新聞にくるまれて販売されてる蕎麦だ。食べ物が一番有り難いね。

謎の体操

グラウンドで、村民総出の謎の体操が始まった。心なしか、去年より人が多くて賑やかだ。それを眺めた後、軽くウォーミングアップ。体調面でも、風邪を引いていないぶん去年よりマシ。序盤飛ばしすぎて失敗した反省も活かせるはず。
つまりどう転んでも、転ばない限りはタイムが縮められる。ゆえに目標は唯一つ「ハーフマラソン1時間30分切り」。1kmあたり4分15秒という自分らしからぬスピードの維持が要求される、大変難しい命題だ。しかもスピードに比例してシンスプリントが痛むという爆弾を抱えている…。

三郷アップルマラソンコース図
リンゴ畑

午前10時30分スタート。何としてでも12時までに帰ってくるぞ。沿道の声援とドンドン!という音花火がたまらなく嬉しいね。太鼓の応援もある。
最初の1kmは下り坂とはいえ3分55秒。おい、去年の反省どころか余計に速いよ。そのまま下り基調の勢いで5km地点が20分25秒。一部“田舎の香水”も薫るが、赤く実るリンゴ畑の中をぶっ飛ばしてゆく。北行きになると向い風なのでなるべく誰かの後ろに付くが、いつの間にか集団の先頭を走っていたりする。しょうがないのでしばらく引っ張ってみて、ややペースをゆるめて後ろに付き直したり、おもむろに千切って前の集団を追ったりと、レースならではの駆け引きも楽しむ。
7km地点前後は登りになるので、呼吸が荒くなりすぎないようコントロールして順位を下げるが、また下りになるとぶっ放す。8〜9kmが3分40秒!? ちょっとプロ気分。10km地点が41分丁度、中間地点43分15秒。つまり目標に対して1分45秒のアドバンテージを得た。が、このコースはそんなに単純じゃない。折り返していざ後半の登り坂へ。

登り始めはペースが落ちずいい感じだったが、やはりだんだん落ちてくる。「先月走った大町マラソンの登りに比べれば短い」と思うのだが、前半飛ばしすぎちゃったかな。いよいよ足が重くなってきた。それでも去年のような“マリアナの七面鳥撃ち”状態になってたまるか。前走者を必死で追う。15km地点が1時間2分30秒。

直線登りと黒沢山

ここから正面に黒沢山を見据える直線登りがさらにキツい。ペースは5分/km近くまで落ち、アドバンテージが一気に減る。このままズリズリ落ちるとアウトだ。「ハーフマラソンで1時間30分を切るってことは、ただごとじゃねえんだ・・・。」そう一時は諦めかけるが、平坦区間に入り持ち直す。おおむね一人抜かれても一人抜き、順位変動無く前を追えている。楽しいか?
黄色いシャツの選手に引っ張られるように、黒沢川のダウンアップを攻略。ごついよ〜、腕がしびれる。その後も登りだし。20km地点が1時間25分。まだ、まだ微妙だ。早めにもう呼吸を最大限に持っていき、あと1km余をもがく。

もういっぱいいっぱい。前走者2人には追い付き切れずだが、ドタドタとラストスパートの末ゴール! 耐え切ったよ! タイムは1時間29分35秒、ギリギリだけど喉から手が出るほど欲しかった記録を達成できた。大満足の両手ガッツポーズである。前二人と健闘を称え合う。

ゴール

嬉しい完走賞はサンふじ2個。走行後半から気になっていた左足のマメと右膝の痛みが一気にくる。もう、どう歩いていいのやら。でもそれよりはまずシンスプリントのアイシングを優先。
時は過ぎ去り、人もまばらながら閉会式が行われた。三郷アップルマラソンの歴史の最後宣誓が声高に響く。標高差積算150mがややキツくもあるけれど、そのぶん走り甲斐もあって楽しいコースだった。もったいないなー。旧穂高町の安曇野マラソンと統合して再来年に新大会を創設するらしいけど、何だかんだでここでいいんじゃないかと思う。

戦利品と完走証

私も会場を離れ、マラソン参加者用のクーポンがあるので安曇野ワイナリーへソフトクリームを頂きに行く。ワインも若干試飲。山ぶどうのリキュールがうまい。太陽サンサンのもとビートルズがBGMにかかっていると時の流れを忘れる。でもチャリで帰らねばなるまい。膝がやばいが、やや遠回りして17.5km。
これで三郷アップルマラソン20回の歴史は閉じ、私の一通りの大会参加も一旦終了。急いで仕事を探そう。

思い返すのは気が早いが、今年はとにかく楽しかった。つらければつらいほど強烈に記憶に残る。今日の出来事もそのひとつになるのだろう。



公式リザルト
公式記録(21.0975km)1時間29分35秒 (最速者1:16:24, 最終完走者2:37:43)
ハーフ男子高校〜39才 順位17位 (/完走89名/申込106名中)
ハーフマラソンの部 総合順位37位 (/完走315名/申込367名中)

by AllSports  リンク

三郷アップルマラソン in安曇野公式ページ
前年の記録は置いてある。
RUNNET
各マラソン大会のエントリーや速報など。
AllSports.jp
スポーツ写真サイト。(右のサンプル写真)

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