伊良湖出航伊勢湾フェリー

自転車キャンプツーリング記

飯田〜知多半島…伊勢湾…鳥羽〜古市〜法隆寺

2009年8月22日〜8月26日
長野〜愛知〜三重〜奈良〜大阪マップ
8/22() 南信から南進

生活が崩れて一日延期したうえ、始発列車も諦めて松本8時発の快速みすずに乗り込む。そもそも輪行じゃなくて自走で行く予定じゃなかったっけ。JR飯田線の運行はのんびり過ぎて、空荷なら自転車の方が速いだろうし。まあいいや、今回は荷物が多いんだ。キャンプツーリングは去年のお盆休みにも行っているが、コッヘル・コンロ・米まで積んだ完全フル装備は3年前のしまなみ街道以来。フロントサイドバッグの重みでハンドリング感覚が独特になる。たまにヒルクライムレースにも使っているランドナーだが、これが真の実用というもの。とか言いつつキャンプ2泊、親戚宅2泊の短い日程。

治部坂高原

飯田駅で自転車を組み立て、昼前に南へ向かって三州街道ランを開始する。国道153号を南西に向かって阿智村に入る。あっちー…くない。むしろ涼しいぞ。いやだ、秋なんかまだ来ないでくれー。
国道256号と別れ153はさらに南信州の村々を結ぶが、いちいち峠を越さなくてはならない。最初の寒原峠までが特に長い。治部坂峠を越えると天竜川流域ではなくなり、地形的には岐阜や愛知側になる。それでも長野県なのは、武田信玄が信濃国の領域を広げたからだっけ? 赤坂峠を越えると信州の果て根羽村へ。マイケルジャクソンの遊園地があるとかないとか。

飯田街道足助宿

そのまま川沿いに下ると愛知県に入る。やたら賑わっている稲武の道の駅でちらし寿司を買い食い。さらに山の中のアップダウンを西へ進むと飯田街道の足助(あすけ)宿。古い町並みが残る。それにしてもフル装備だと予定よりどんどん到着が遅れていく。稲武も足助も今は豊田市に併合されて、クルマのナンバーもみな豊田ナンバー。「ごく稀にホンダ車や日産車もいるなぁ」とか気を散らしながら、豊田市駅前に到着。ぼちぼち日暮れなので仕舞いにしたいが、使える銭湯が見付からない。

153をさらに西へ進めば喫茶マウンテンに倒れ着くが、食料の買出しをしつつナイトランで国道155号を南へ進む。知立市のスーパー銭湯で汗を流し、適当に見付けた草刈公園で炊事。久々に使う、癖のあるガソリンコンロだが何とかまだ使えて、ご飯が軟らかく炊けた。レトルトカレーと惣菜のアジフライを乗っけて食う。
蚊の多い公園だし、あとはテントを張って引きこもり「無事に朝を迎えられますように」と祈る。しかし雨を警戒してテントにフライを被せておいたら蒸し暑すぎる。おまけに深夜に若者が集まってロケット花火とか始め、近所住民が怒って「警察を呼んだぞ!」とか問答になっている。どっちも勘弁してくれ…。

8/23() オイーッセ!
美浜町野間いろはや別館

という訳でかなり寝不足。ふわふわ気分でのラン開始となった。朝から陽射しは強いが、追い風なので苦労せず南下。刈谷・半田・武豊と知多半島へ繋いで行き、眩しい海が見えてくる。美浜町河和で半島の東から西へ横断すると、野間という街がある。私を流れる血の4分の1はこの辺がルーツらしい。詳しくは解らないのだけど「帰ってきたー」という気にはなる。野間大坊にお参りして海岸に出ると、伊勢湾右手にセントレアを遠望。正面は伊勢の山々。

師崎羽豆岬

夏の終わりに賑わう海水浴場をつたうように南下し、11時前に最果ての師崎(もろざき)、羽豆岬(はずみさき)に到達。名鉄フェリーの待合室が涼しい。外はアチー。ここから三重県の鳥羽市に渡りたいのだが直行便は既に廃止となっていて、渥美半島の伊良湖(いらご)で乗り継ぎとなる。なぜか自転車だけ乗継割引の適用がないので、面倒だけど輪行袋に入れてタダの手荷物にしてしまおう。
やがてフェリーは港を離れ、陸が遠くなってゆく。最高の旅情を感じる時だ。しかし航路が次々と失われてゆく傾向は寂しいものだ。高速料金が倍くらいになれば良いのにね。

伊勢湾フェリーからイルカ

伊良湖で伊勢湾フェリーへ乗り継ぎってのは面白いが、5分しかないのでバタバタと。無事に乗り込みカロリーメイトを食う。仮眠でも取ろうかとしていると、「左手に神島が見えます」とアナウンスがかかる。さらにイルカ出現。わざわざ徐行してくれる船と一緒にイルカの群れがスイスイ泳ぎ、時折ジャンプして人間を楽しませてくれる。何のために。こちらは珍しげにシャッターを切るばかりだ。

伊勢神宮内宮

そんなこんなで眠る暇はなく鳥羽に入港し、自転車を組み直す。フェリーターミナルは水族館併設だが、野生のイルカならさっき観たぜ?
ランを再開し、県道37号を西進して伊勢市、日本のトップモストたる伊勢神宮へ。赤福を食いたくておはらい町に寄るが、特殊な訓練を受けた者でないと入れないほどゴミのように混んでいる。ソフトクリームで妥協し、足早に内宮をお参りする。さらに自転車なら外宮への移動も楽ちんだ。こちらは人が少なく、落ち着いて参拝できる。

宮川堤公園でキャンプ

今日はあまり暗くなるのが嫌だから、ここまでにしよう。銭湯に入り、スーパーで買い出しをして宮川堤公園でキャンプ。今夜の米は上手く炊けた。フライは張らず、せっかく持ってきた寝袋も枕にしかならない。例によって夜の公園は花火が飛び交うが、やかましいと思う気持ちより眠気が勝った。

8/24(月) 宇陀路でウダウダ
高見峠ループ橋より

良く寝た。清々しい朝の河川敷で身支度を済ませ、渋滞気味の県道を松坂市に向かう。駅の売店で松阪牛ふりかけを土産に買い、さらに西へ、国道166号の旅がスタート。
緩く長い上り坂を、向かい風の中ゆっくり走る。櫛田川の清流には沈下橋も見かける。道は概ね改良されていてもすっかり寂しい山の中の和歌山街道。道の駅飯高を過ぎると補給ポイントは無い。ループ橋を登り、2.47kmもある高見トンネルで奈良県に入ると伊勢街道と名を変える。もう昼を過ぎ腹が減った。佐倉峠を越え、菟田野のコンビニをスルーしたらなかなか店がない。道の駅大宇陀まで粘って、ここのコンビニで遅い昼食。長めの休憩を取って体力回復を図る。

横大路

古い町並みを抜け、女寄峠(みよりとうげ)はトンネル。桜井市に降り、地図をよく見ると旧道らしきが西へ続いているのでその狭い道を行く。観光案内図がある訳でなく、ただ所々に石の道標が立つ。奈良県にはこんな古街道がごろごろしてるというのか(後日、横大路だったと知る)。
途中橿原市では右手間近に耳成山があったので軽く登山もしてみる。死火山とのことで木々に覆われ、頂上からの展望は無い。大和三山のあと二つは何だっけ。

古市駅前

旧道は大和高田市へ続く。日本最古の官道とされる竹内街道(たけのうちかいどう)で竹内峠を越えるとすっかり夕暮れの大阪府。羽曳野市の古市にある一方通行を抜け、白鳥交差点で国道166号の旅はフィニッシュ。近くの親戚宅に止めて貰う。
予定距離に無理があったか、三日間とも夕暮れまで駆けずり回っていたので、随分疲労を溜めてしまった。キャンプツーリングはこの半分くらいの距離が理想だよな…。

8/25(火) イッツソー偉人
石川サイクル橋

相当筋肉痛だし脚休めの日。子供向けの伝記漫画を読んだりして過ごす。偉人てのはそりゃあ死に物狂いの努力を重ねてんだなぁと。

しかしせっかく大阪古市まで来ているのだから、石川サイクリングロードへジョギングに出る。姪の姉妹が自転車の二人乗りでついてくる。途中で諦めるかと思ったら、なかなかのパワーで富田林市の石川サイクル橋までついて来た。ここで折り返し、コンビニに寄って帰宅。多分10kmくらい走行。
姪らにはDSのゲームを一本ずつプレゼント。

8/26(水) ホーリュー&ブライト
世界遺産法隆寺

世界遺産の一つでも観て行こうと、奈良県の斑鳩(いかるが)町までサイクリング。斑鳩と言ってもシューティングゲームではないし、ましてやタンザニアのマラソン選手でもないのである。
で、何かすごく古い寺らしい法隆寺。ここは修学旅行で来たことが…多分無いな。中学時代の記憶なんてほとんど飛んじまっててよく分からん。意外に境内が横に広く、歩き回るだけで満足した。JR法隆寺駅で輪行し、関西本線経由で松本へ帰る。これが今夏18きっぷ最後の一回。

やはり旅に出ると体重が増える。しかも疲れて身心燃え尽きたような。今週末には乗鞍のヒルクライムレースを控えてるんだが。まぁ、良いラストトレーニングになったことにしよう。


結果

後日アップロードした動画→zoome:伊勢湾フェリーにて、イルカ出現

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