駒ヶ池から宝剣岳

“快感、ヒルクライム。”

第3回 中央アルプス・ヒルクライム2019 宮田高原ステージ&駒ヶ根高原ステージ 参戦記

2019.5.24[金]-26[]

日記

5月24日(金)大会前日「わんこが宮田 コマガーネ」
駒ヶ根橋から宝剣岳

有休を取った金曜。未明から松本市内のリサイクル施設で火災煙が発生し、大気汚染物質の異常値と外出を控えよとの通達が出ている。にもかかわらずフル装備のランドナーで南へ出撃。善知鳥峠で盆地を脱出する頃には、だいぶ喉が痛くなってしまった。だいじょばないか?

伊那市を過ぎ、宮田村総合公園から西へけっこう登る。大田切川を渡る駒ヶ根橋からは宝剣岳が青空に映える。やって来ました駒ヶ根市の駒ヶ根高原。平日に来たからには、軽食喫茶ガロのソースカツ丼を食う(土日は激混みなので)。今回はエビフライも乗ったミックス丼。予想以上に海老の味が強い。

ガロのミックス丼

駒ヶ根キャンプセンターに連泊の手続きをとり、お湯を沸かしてスティックコーヒーを飲む。キャリア等を外した空荷チャリでまた出掛け、中央アルプス・ヒルクライムの受付へ。グランフォンド軽井沢と同じ運営なので、GRANFONDのフラッグがいっぱい立っている。参加賞は養命酒さんの提供が無くなった代わりに羊羹とホテル千畳敷のタオルが付く。近くの温泉に入ってねという配慮かな。去年は二日目のみの参加だったが、今年は初日からのダブルエントリーにした。体力は持つだろうか。

駒ヶ根キャンプセンターにて

わんこ寺こと光前寺にお参りし、早太郎みくじを引くと末吉。街へ下りて西沢スーパーで食材を買い出しする。と言ってもレトルトばかりだが。また登り返して早太郎温泉の宮田村側にある「こまゆき荘」に入浴。アルカリでぬるぬるする、いわゆる美人の湯が心地よい。多分循環が控えめなのだろう。

こまくさ橋を渡ってキャンプ場に戻り、米を炊いて夕食。涼しくなると虫が居なくなって快適だし、暗くなるとさすがの星空で、おおぐま座がちゃんと大熊に見えるのが凄い。

中央アルプス・ヒルクライム宮田高原&駒ヶ根高原ステージマップ
5月25日()大会初日「宮田高原ステージ」

高原の朝は冷える。駒ヶ池方面へ少しウォーミングアップしてちょうど良くなった。雲ひとつ無い空のもと、宮田高原ステージの会場である宮田村文化会館に移動し荷物を預ける。フダ交換式なので背中ポケットは必須だ。さほど参加人数は多くないので、荷物運搬車はハイエース1台で済むようだ。

少しパレードランをして、林道寺沢線の入口あたりが実際のスタート計測地点になる。朝7時から30秒ごと10名ずつスタートを切って行く。自分は中ほどのゼッケン45番なので2分後。動画カメラヨシ! ICレコーダーヨシ! ディレーラー位置ヨシ! 準備万端で号砲を受けるが、いきなりの激坂におののいている間に同時スタートの連中はほとんど先へ行ってしまう。おっそろしいなあ。さらに後ろスタートの選手にも続々抜かれるし。

林道寺沢線

かつてJBCFヒルクライムにも使われたコースプロフィールは距離10.7km、標高差890mで狭く変化が少ない。それでも登る程に時々、左手には停まって写真を撮りたくなるような風景が現れる。痛ジャージ勢のボス(?)武蔵野アニメーションやヤマノススメ、なつまちの青いの、しぶりんあたりは抜いたが、諏訪姫やなつまちの赤いのにはとうとう追い付けず。

中盤以降は78番の選手と競り合いになって、タイム的に大敗しているとはいえ良い刺激になる。呼吸に気を付けつつ、ユーチューブで予習していたコーナーからラストスパートしてフィニッシュ。ああ気持ち良い! これくらいのコースボリュームなら腰痛も起こらないし。タイムも、最低限目標とした50分は切れた模様。

いいあんじょいさんのピザ

地元保育園児による心温まる紙メダルとアクエリアス、預け荷物を受け取り、キャンプ場の炊事場では何とピザ屋のEAT&JOY(いいあんじょい)さんが焼きたてのピザを振る舞ってくれる。トマトソース、チーズとジェノベーゼのみのシンプルさが旨い。がんがん焼き上がるので、状況をみて複数回オッケー。今年は開催時期を早めたためレンゲツツジの群落は観られないが、丘を歩き登り謎ブランコを通過すると、宮田高原山頂の展望所に到達する。

宮田高原山頂から

!!……ここまで感動するのはいつ以来かと思う絶景。左手に浅間山や八ヶ岳、伊那美篶の河岸段丘、正面から右にかけ南アルプス自慢の名峰群と水鏡の伊那谷。後ろは明日登る千畳敷カールや宝剣岳が間近である。参加者のほとんどがピザに群がりっぱなしで山頂まで来ないのは、勿体なさ過ぎないか? 「自転車乗りは景色に興味が無い」という仮説が真実味を帯びてくる。

集団下山もまったりと進む。縦一列チドリ隊列を守らないと違反で失格というルールなんだけど、たまに調子良く抜いてく人たちがいる。特にあの傍若無人な、愛知の赤いチーム・・・急いだところで、先導車の後ろに馬鹿が団子になるだけだよ。ただ、ビビりすぎて前車が見えなくなるくらい間隔を空ける人も困りもの。里に下りてから会場までの道が分からなくなりかけた。

宮田ステージ表彰式

「ふるさとみやだー♪」と村のイメージソングが流れる会場では、エビフライとソースカツの弁当とドリンク、北川の菓子等が振る舞われる。この旨さがサプライズ。さすが期待以上のサービス感あるイベント、表彰式を見て解散。自分の成績は49'09"で完走66名中33位、ちょうど半分か。

北川製菓ル・ノール・リヴィエールに寄り、名物のアイスドーナツがまた旨い。大田切川を渡る沈下橋でキャンプ場に戻り、午後は丸々おもいっきりヒマ。強制的に発生するヒマって良いもんだね。たらふく食べた分のカロリーは消化したいが、もうチャリは疲れた。暑いので街に下りたくもない。仕方がない、高原を走ろう。肺に負担を掛けない程度の超スロージョギングで南の家族旅行村へ。光前寺の裏を回るトレイルで出逢い橋を渡り、別荘地から大沼湖、スキー場まで1時間。

日陰のパノラマ遊歩道から

さらに「日陰のパノラマ遊歩道」も小一時間歩き、スキー場の上からの展望や山歩きを楽しむ。筒井商店のりんごパイやあんパイ、すずらん飲むヨーグルトがまたまた旨い。あとはお馴染み「こまくさの湯」でまったり。同じ早太郎温泉でもこちらはさっぱりな湯。水風呂で筋肉の回復を図る。夕日が沈み、キャンプ2泊目。ライダーさんが増えてる。

宮田高原ブランコ 宮田高原から千畳敷を望遠 駒ヶ根高原教会
5月26日()大会最終日「駒ヶ根高原ステージ」
スタート会場付近

程よい筋雲、朝凪の駒ヶ池に映る山々が美しい。中央アルプスヒルクライムは最終日の駒ヶ根高原ステージを迎える。明治亭のソース勝丼水をボトルに汲んで会場へ。日程をMt.富士ヒルクライムとずらしたにも関わらず、参加者は約100名弱、去年より少し減ってんじゃん。いくらコアなファンがSNSや動画サイトで紹介したところで・・・広報さんもっと呟いてよ。痛ジャージはろんぐらいだぁす!、ゆるキャン△、エヴァ、ラブライブ等増えた。今日の自分はガルパン黒森峰学園のジャージを来てクロモリ重戦車気分。実際、昨日の疲れが残り脚が重い。

ツイッターフォロー先様の方々とアイサツしつつ、今日も7時の2分後スタート。コースプロフィールは距離9.3km、標高差779mUPで昨日より少しだけお気楽極楽。両日参加者はゼッケンが変わらないため、またしても同時スタートのトレインには置いていかれる。お、思ったほど後続に抜かれまくってはいないんじゃなかな。普段は路線バスと関係車両しか走れない狭い険道、深い谷の向こうに雪渓の山々が見え隠れする。

しらび平駅フィニッシュ

一部平坦になる区間も誰かとトレインを組めると良いのだが、結局ソロで通り抜ける。坂がきつくなった所で、小原鞠莉とセイントスノージャージの二人が抜いていく。あれこそがHappy Party Trainだ!と頑張って付いていこうとするが、すぐ千切られる。相変わらず心肺に負担を掛けられず、ケイデンスを上げるよりパワーで何とかしようとしがち。去年の反省もあってラストスパートポイントは逃さず、力を出し切る気持ち良いフィニッシュでしらび平駅に到着した。チャリは下山トラックに預け、ドリンクと完走証を受け取る。

さあここからが本番だ。恥ずかしながらロープウェイ始発の前面にかぶり付き、滝や岩稜、雪渓を越えて千畳敷駅まで7分半の空中移動を楽しむ。標高2612m、気温15℃。ホテル千畳敷でドリンクとソースかつ丼弁当を受け取り、まったり昼食…じゃなくて朝食の時間? 走った後のタンパク質は重要、がつがつ食おう。

千畳敷から宝剣岳

外に出ても、日なたは暑いくらいの陽気。日程を梅雨入り前にずらしたのは大正解だったろう。左手に残雪たっぷりの千畳敷カーーーーール!と宝剣岳、右手に伊那谷と南アルプス、ちょこっと富士山も見える。昨日の宮田高原山頂も確認。サングラスを忘れたのを後悔しつつ、カールを軽〜く一周する遊歩道で別天地の雪上散歩を満喫する。ここまで来る参加者は3人くらい。ホテルからでも絶景が拝めるのでそんな無理しなくて良い。

雪上に設置した表彰台がガタガタで危なっかしいが、表彰式そのものは和やかに終了。女子の参加が去年の3倍(つまり3人)に増えてる。さて下りのロープウェイも前面にかぶり付くボク、お子ちゃまですいません。チャリで登ってきたコースも何となく見下ろせる。あれを自走で下山しなくて良いのは楽だし安全で良い。

駒ヶ岳ロープウェイ

シャトルバスに乗り継ぎ駒ヶ根高原でチャリと再会、成績表を受け取る。44'32"で去年より18秒遅くなっちゃったが、これが2ステージ制の難しさか。完走87名中36位、二日間総合で46名中24位となった。昨日の宮田で私より遅かった選手1人に総合で逆転を許したのも、2ステージ制の面白さか。ところで去年より貰える物が若干少なくなったが、あれは過剰サービスとも言えたし、今年も他に類を見ない十二分のイベントだろう。

すずらんソフトクリームを食べて自宅、じゃなかったキャンプ場に戻りテント回収。自走する気力は残っておらず、駒ヶ根駅から輪行で松本に帰る。これも旅のうち。松本駅前はAACR参加者の輪行風景がみられる。中央アルプスの参加者が減った原因はこれと被ったせいか? 一昨日火災煙に包まれた盆地の空気は元に戻っているが、市内は相変わらずキチガイじみたマイカー大渋滞。

6年前に参加したMt.鳥海バイシクルクラシック以来のステージ制レースを、無事乗りきれてホッとしている。どちらも満足度では日本最高峰(多分)、これからもみんな頑張れ。

ホテル千畳敷でソースカツ丼弁当 千畳敷遊歩道 すずらんソフトクリーム

結果

公式リザルト
タイム Stage1: 49分09秒581
Stage2: 44分32秒378
TOTAL: 1時間33分41秒959
(最速者38'15", 最終完走者1:35'15")
(最速者34'21", 最終完走者1:27'47")
(最速者1:12'36", 最終完走者3:03'03")
男子40〜49歳順位 Stage1: 10位
Stage2: 7位
TOTAL: 7位
(/完走17名/申込18名中)
(/完走27名/申込32名中)
(/完走9名/申込11名中)
総合順位
(女子含)
Stage1: 33位
Stage2: 36位
TOTAL: 24位
(/完走66名/申込70名中)
(/完走87名/申込100名中)
(/完走46名/申込48名中)

二日間にわたるイベントの紹介として、チャリ載動画を5倍速ダイジェストにしてニコニコ動画にアップ。5倍速ノーカットはユーチューブに置いとく。

ニコニコ動画: 中央アルプスヒルクライム2019△宮田&駒ヶ根△5倍速ダイジェスト
YouTube: 中央アルプス・ヒルクライム2019宮田高原ステージ(5倍速編)
YouTube: 中央アルプス・ヒルクライム2019駒ヶ根高原ステージ(5倍速編)

リンク

中央アルプス・ヒルクライム
公式サイト。概要やエントリー案内など。
Facebook: 中央アルプス・ヒルクライム大会
最新情報、記録など。

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