マリンドリーム能生

距離120km、合計標高差2000mのハードなサイクリングイベント

第3回 グランフォンド糸魚川 参加記

2007年 10月7日()
GF糸魚川コースマップ'07

日記

夜中の3時半に起床し、急ぎクルマで松本から糸魚川に向かう。うー3時間しか寝てないよー。本当は前泊したかったが土曜日に仕事が入っちゃたから仕方がない。糸魚川市街に入るころ空は白みだし、コンビニでパン3つを買い食いしつつ、6時にマリンドリーム能生に到着した。

やってきましたグランフォンド糸魚川。レースではないが大本営の発表によれば距離120km、合計標高差2000mを誇る過酷なサイクリングイベントである。ただしコース変更により標高差は若干減った模様。それでもハードな行程であることに変わりはなく、レースではなくサイクリングだと念を押されるが、これを利用して来週のハーフマラソンのために出来るだけ心肺を鍛え、体も絞っておきたい。
今日は他にも参加したいイベントがいろいろあったものの、このイベントを選択した決め手は、ネット上に転がる各参加記において、総じてエイド食がうまいうまいと絶賛されていること。食って食って食いまくるぞ〜!

スタート行列

駐車場にクルマを停め、ランドナーを組み立てて受付へ。時間的な余裕は十分。スタッフも朝早くからおつかれさまです。フロントバッグには工具一式の他、ドリンクやツーリングマップル、その他いらないもの満載。ツーリング気分か、荷重トレーニングのつもりか。
良い天気になった。120kmコースの参加登録者は520名。他80kmコースに135名。チームジャージを着た人がほとんどで、ソロの人ってあまりいないんじゃないか? 私にこのイベントを紹介した張本人であるタダノブさんにもお会い出来た。

久比岐自転車道と日本海

8時少し前に第一陣がスタートし、続けて一分毎に10名位ずつ出発して行く。いよいよ自分のスタートは8時23分となった。日本海沿いに伸びる久比岐(くびき)自転車道を東に向かう。基本的に所属チーム毎の集団走行になるみたいで、ソロの私はしばらくウォーミングアップがてら高回転で後ろに付けてみるが、やがて痺れを切らせ前に飛び出す。しかし風圧をもろに受けてしまうもので、名立で右折し内陸に入るといよいよ吸収されてしまうのだった。さらに速いチームが追い抜いて行ったのでそっちに付いて行く。
コースが西に折れると、最初のヒルクライム母袋峠。登坂専用の脚質としてはガンガン行こうぜ。序盤からつりかけてるけど大丈夫? 標高400mの峠に到着すると給水所があり、少し休んで付近の写真を撮る。下りに入ると右手には海が望めるし、さらに道は日本の原風景とも言うべき小さな集落を繋いでゆく。

馴染みのないまちを訪ねる。忘れかけていたサイクリングの悦びが、じわじわと蘇ってくる。

笹団子

あちこち写真を撮っているうちに登りでのアドバンテージを使い切ってしまった。一部、工事迂回のダートあり。ここだけはランドナー最強。パンクしている人も見掛けるし。
下りた所で最初のエイドステーションとなる。ここでのエイド食も楽しみのひとつ。いやこれこそが最大の楽しみかも。笹寿司、笹団子、新米こしひかりおにぎり、オレンジ…。どれも旨い旨い。特にあんこたっぷりの笹団子はやばい。先々にもエイドはあるので各一種ずつにしておき、食べ過ぎないように注意して次の区間へ走り出さなければ。

焼山温泉方面

一見サイクリングロードと見まがうような、狭いけど良質な舗装道を繋ぐ。よくこんなコース発見したものだ。しかし分岐の矢印に判りにくい所があり、私の前の2名が違った方へ登って行った。大声を掛ける程こちらにも自信はなく。合掌。そのあと路肩で写真を撮っていたら別のハイペースな2名が先の方で接触し吹っ飛んでいた。大事には至らなかったようだが、そっちにカメラ向けときゃ決定的瞬間が撮れたのにーとか思う。とにかくいろいろあるイベントだなぁ。
なかなか長い登りを快調に登り切り、標高600mのこえど越。ここが最高地点のようだ。下りの景色がまたのどかで良い。集落では応援してくれる人の姿も。嬉しいなぁ。下り切った所で二つ目のエイドステーション。さっきより人減ったかな。下り坂で溝に落ちて救急車沙汰、なんて話を聞いた。

笹寿司

ここからは前年までと変わってやや楽なコース…のはずが、海方面からの逆風が強い。やがて良い風避けとしてチームふとももの二人に付ける。ありがたい。しかし列車にタダ乗りしてるだけじゃダメみたいで、先頭交代ローテーションへの参加を求められる。応じてみるが、こういう経験がないから今ひとつ勝手が分からない。でもおかげで楽しい体験が出来た。
そうしているうちに登り坂。「ランドナー重くない? ちぎれると思ったんだけどなー」。それにしてもこいつらは登りも速く、ついに付いて行けなくなった。(後で調べたら乗鞍入賞の常連チームだった。)ハイレベルな走りとなったため、脚休め区間のはずが三つ目のエイドステーションまでにかなり脚を使い切ってしまった。休憩にかける時間が長くなり、入念にマッサージ。

糸魚川市街方面

いざ最後にして最大の難関、岡倉谷林道へ。うああ、途中から確かにキッついわ! 15%激坂ではもう腕が簡単に痺れるほどのスタミナ切れを起こし、どんどん他車に抜き返される。坂馬鹿としてのパフォーマンスを発揮できずちょっと悔しい。ええい、チャリが重いんだよっ。使うつもりじゃなかったインナーロー(28x28T)にギアを落としてゆっくり登る。気温も10月としては高いんじゃないか。やがて頂上。あぁ。
下り始めは緩やか。写真を撮っていると「景色良いっすねー」と抜きざまに言われる。別に皮肉の意味じゃないんだろうけど、そうだな、写真を撮ってばっかはなくて、体感することが大事だな。糸魚川市街を遥かに見下ろす。
下り坂は狭く急で荒れ気味となり、こえー。グレーチングもあるし。それ何てお笑い芸人? ランドナーのタイヤは有利だがブレーキが少々やばいかも。けど下りた後の風避けを探して飛ばす。平地に下りてから速めの2名を見付けるが、私が前に出てみても付いてきてくれないのが悲しい。だからこちらが後ろに付いたままになる。
姫川港で四つ目のエイドステーション。通過証明の記名がエイド3に比べて増えてるのは、岡倉谷林道を諦めてショートカットコースを取った人が多いってことなのかな。まぁいいや。最後のエイドなので悔いの無いように多めに食っておく。いなりやバナナも貰うし、笹団子やおにぎりは二つずつ…。

ゴール蕎麦

たっぷんたっぷんの腹で最終ステージへ。海沿いをやはりチームに付く。やがて前に出てみると、意地で抜き返された。ランドナーじゃしょうがないか。こうなったらレース気分だよ! 自転車道の分岐で戸惑っているスキに前に出て、ブッチ切る。あとは単独走でどこまで持つのか。
いよいよゴールが見えてきた。振り返ると1名付いてきてやがる。少しもがいて逃げ切り、完走の喜びと共にガッツポーズのゴールゲート。タイム計測は無いので手元の時計を止める。トータル6時間44分。「余裕を持って閉会式を迎えるには6時間台」というのが目標だったから、ほぼその通りで良かった。ゴールにエイド食は無いがパック蕎麦を貰える。目一杯サイクリングを楽しんで、腹一杯エイド食も楽しんだ。ただソロ参加だとエイドのイン・アウトが自由なのは良いが、気軽に先頭交代をするなどのチームプレイがやり辛い。出来ればチームに加入して…ってそんな金ないよ。

能生の夕日

シャワーを済ませ、閉会式&抽選会へ。商品がいっぱいあるし、エイドの残り物まで商品にしているのが手作り大会っぽくて良い。しかし抽選は原始的なゼッケンナンバー読み上げ。時間ばかり掛かって眠気が酷い。当たらねーし。時間切れで最後は「欲しい人持ってってー!」方式になった。慌てて群がるが目当ての笹団子はゲット出来ず、2Lアクエリアスだけ貰えた。
参加賞の蟹1パイも貰いに行く。かにや横丁はもう閉店の時間で、右端の店が閉まる間際にラスト1名として滑り込んだ。これに間に合わないと延長営業の店に長蛇の列となる。
まぁこれだけ楽しみまくって食いまくって参加料3,500円は激安のイベントと言えよう。

参加賞蟹1パイ

18時過ぎ、すっかり暗くなってクルマで松本への帰路。疲労&眠気との闘いとなる。あークルマ乗り捨てて汽車に乗り換えたい。「煽りにはエンブレで返す」という的確な判断力は残ってはいるが、間違えを起こさぬよう道の駅ごとに休憩を取る。あとは大声で歌ったり往復ビンタをしたりしながら、何とか無事帰宅。
さあ蟹だ。面倒くさい食い物を嫌う私としては、晩飯としてとりあえず右足だけ食べる予定だったが、案外旨いので結局1パイ丸ごと食い尽くしてしまった。十二分に充実した一日だった。

集落を繋いで こえど越 直線道路
15%激坂 給水所 姫川

リンク

グランフォンド糸魚川公式ページ
参加料は4,000円となった模様。でも安い。

return むらよしギムナシオンに戻る