坂巻温泉露天風呂

自転車キャンプツーリング記

上高地でJog&Walk

2018年11月3日〜4日

日記

11/3() チャリでカチコミ上高地
水殿ダム付近

ばたばたした10月が終わり、さて念願の大弛峠へ行こう…と思ったらもう冬期閉鎖だって。じゃあ陣馬形山ふたたびか、浅間山の方でも行くか? そういえば自転車の前照灯を少し強力にしたんだった。じゃあ上高地国道のトンネル街道で試してみよう。という訳で昼前に松本市街を出撃。波田のスーパーで買い出しをして島々を過ぎ、10%坂から引き返せない旅になる感じ。安曇3ダムの黄葉が綺麗だ。

太兵衛平から

近年は前川渡で左折して乗鞍へ向かうことが多いので、国道を直進するのはいつ以来だろう。沢渡手前は大きな崖崩れがあり、そのぶん新設された橋が快適になっている。駐車場群を過ぎるとマイカーは減るが、はっきりと上り勾配のトンネルが続く。体力精神力をごっそり奪われてから登場するのが「ラスボス」釜トンネルである。マイカーを通さない見張りの係員に「初めてですか?」と聞かれ「20年振りです」と答えると、駐輪場案内のカードを渡される。「新」釜トンネルは歩道を行けるので「旧釜」より精神的に楽になったが、よろめいてサイドバッグを壁に擦ってしまい汚れる。11%勾配が1.3kmだっけ、無事抜けるとラスボス後の小ボスみたいな上高地トンネルもある。これで一安心、太兵衛平の右カーブを曲がると、どーんと正面にそびえる穂高連峰! この感動は健在である。雪を少しかぶり始めている。大正池は少々波立つも瑞々しい。

小梨平キャンプ場

白樺の明るい道をもう少し進み、市街からざっと50km1000mUPほどで上高地バスターミナルを通過。松本に住み始めた頃は毎年のように来ていたのに、バス便を含めても十年以上ご無沙汰だった。ここからは自転車も規制されるが押して歩くことは出来る。「芥川龍之介の河童」の元ネタの元ネタである河童橋を過ぎ、今年最終営業日となる小梨平キャンプ場に到着。炊事場はもう閉めたから風呂前の流しを使ってくれとのこと。奥穂高岳・岳沢が見える位置にテントを設営、米をうるかす。自転車は左右の人に珍しがられる。すっかり冷えた身体を小梨の湯で温め、生き返る心地。レトルトのカレーとハンバーグが夕食。夏場とは火加減の勝手が違うのね、何とか炊けた。

はくちょう座付近

暗くなってテントを出ると、まだ目が慣れないうちからはっきりと、はくちょう座からカシオペヤ座にかけて天の川が確認できる。地上の梓川と競って流れているかのよう。谷あいのため360°満天とはいかないが、どこまでもどこまでも奥へ続く星々はプラネタリウムの平面とはスケールが違う。すごく遠いのに、本当に重力で引かれあっているのか? 様々な宇宙論が思い出される。自分のへっぽこ視力でもアンドロメダ銀河がぼうっと分かるようになり、プレアデス星団もきらきらと昇ってきた。東の空が僅かに明るいのは松本市街地のせいだな。三脚を使って撮影を試行錯誤するのも楽しい。しかしいかんせん寒いし、少しガスってくる。赤い大きな流れ星を見たところで満足し、テントに戻る。おやすみ。

大正池 奥穂高岳 流れ星
11/4() ぜんぶゆるキャン△のせいだ
上高地へのマップ 田代池から六百山

出来るだけ重ね着をしたうえでシュラフに入ったが、足の防寒が不十分だった。懐炉があれば良かったかな。夜中に何度も目を覚ましつつ、どうにか朝5時を迎える。気温-2℃の外はまだオリオン座が見える。パワージェルだけ摂っておもむろにウォーキングを開始すると、人気の少ない河童橋やバスターミナルの風情が最高。熊よけに口笛(ゆるキャン△のテーマ)を吹きながら歩くが、すぐ唇が凍りつく。少しずつ空が白むなか下流の田代池へ。焼岳、六百山、霞沢岳が世界中で崇められたどんな絵画より美しい。対して穂高連峰を隠す雲は厚くなってくる。7kmほどで戻り、朝食。

徳沢園付近の梓川河川敷

テントを撤収してもすぐには発たず、今度は上流に向かって左岸道をジョギング開始。明神館より先に進むのは初めてで、シューパロ湖上流域のような未開感がありながら、登山者が多く歩いているので熊の心配は少ない。私もいつかは、もっと先の槍ヶ岳あるいは蝶ヶ岳へ結びたい。今日のところは徳沢園までにして引き返し、吊り橋で右岸に渡り明神池・穂高神社奥宮へ。有料の園内は歩いて回る。外国人もいっぱいで、それだけ魅力溢れる風情がある。ああ雨が降ってきてしまった。右岸道を河童橋まで下り、14kmでキャンプ場に帰着。

坂巻温泉

雨は止んだか。カロリーメイトと売店の半熟玉子入りジャンボカレーパンを食って、名残惜しく上高地を離脱。釜トンネルを過ぎて少し進んだ坂巻温泉に寄り、再び冷えた身体を温める。国道っぱたにありながら秘湯感があり、ずっと憧れていた。対岸の壁のような黄葉を眺めながら露天風呂を独り占め、泉質も文句なし。沢渡ナショナルパークゲートという謎施設にも寄り道しているうち、雨がまた強くなって路面がすっかりウエット。より精神力を削られつつ、新島々から波田高速にエスケープすれば、もう危険な道はない。スーパーで日常の買い物をしつつ無事帰宅。今までで一番、上高地を満喫できたように思う。

それにしても今年のキャンプは、イベントのついでを含めて8ツーリング(14泊)と例年の倍以上となっている。ぜんぶゆるキャン△のせいだ。

未明の上高地バスターミナルと焼岳 霞沢岳 明神池

return むらよしギムナシオンに戻る