フィニッシュ会場のアルプちゃん

松本市市政施行110周年記念 城下町を駆け抜ける。

第1回 松本マラソン 参戦記

2017年10月1日

経緯

七月の松本24時間ロゲイニングを終えて燃え尽き、心の糸はとっくに切れている。松本マラソンに向け八月九月とちょこちょこ走ったが、計200kmに満たない練習量。とうとう体脂肪率は20%を肥え、脚で走る前に心に衝撃が走る。燃え尽きるべきは体脂肪だった。

三月にコースの下見をした限りでは、序盤の道幅が狭いのが心配。にも関わらずランナーをいきなり1万人も集めやがって、しかも定員に達しやがって、大丈夫なのか。運営主体はあの長野マラソンや軽井沢ハーフマラソンと同じ所らしいが、そちらはもっと少ない人数から様子を見て徐々に増やしていったはずだ。

スタート地点のバナー

見所は、序盤の松本城と終盤の松本空港、全編通して北アルプスの景色くらい。一部の人はアルウィン(サッカー場)に喜ぶかも知れないが、まぁこんなもんかと。マラソンコースとしては平均的で、決してつまらない訳じゃない。標高は588mから678mまでで緩いアップダウンが延々続くが、こんな山奥でよくそれだけに抑えたものだと思う。

制限時間は5時間30分。多分長野と同様に、最終関門(41.0kmで5:22')を通過すれば完走扱いになると思われるが、市民マラソン大会としては厳し目で競技志向・・・と言うより交通規制を早く解除したいという思惑が滲む。富山や金沢のようなグルメマラソンって訳でもない。

ナンバーカード等は事前送付され、前日受付は無い。EXPOと銘打ってしょぼい物販をするよりゃ良いだろう。「松本でフルマラソンをやってくれたらなあ」という長年の夢が叶う、第1回開催。無事完走できますように。

日記

10月1日()大会当日 「松本マラソンなんて超MM(マジまったり)」
向かって左レーンは、右が全員スタートしてから

自宅でいつも通りに朝食を摂ったりゲームをしたり。スタートまで1時間もない状況でようやく玄関を出る。でもちょっと小走りすれば会場の総合体育館に着くから大丈夫。こんな近くでフルマラソンが開催されるなんて、夢のようだ。いかにも長野マラソンのコピーイベントという雰囲気だが、手荷物を預けるトラックは走力ブロックでなくナンバーカード末尾の数字で分ける方式に改善されている。この方が、フィニッシュ地点での受け渡しが一箇所に集中せずスムーズと思われる。トイレは小の方も絶望的な長蛇の列で、自分には関係ないが増やして欲しいところ。

いちおう長野サブスリーの実績があるので先頭のAブロックを確保できたが、申し訳ない気分。太鼓の演奏が聞こえて一時的にテンションアップするが、その後リラックスし過ぎるくらいマッタリ気分になる。空に雲は殆ど無い。肌寒かった気温もぐんぐん上昇中。暑さで撃沈した大阪マラソン2014を彷彿とさせる。

スターターの菅谷昭市長って初めて見るけど、外に出て大丈夫な人だったか? 8時30分号砲。狭い道をランナーたちが南へ向かって飛び出していく。1車線しか使われないので、全員がスタートラインを通過するまで相当な時間が掛かるだろう。つくばみたいにウェーブ方式にすりゃ良いのに。

松本マラソン17マップ

後続ブロックの栓にならないようダッシュするのが前方ブロックの義務であり、序盤は下り坂なのでそれがやりやすいのはグッド。クランク状に道を曲がり、右手に松本城や常念岳、その肩に槍ヶ岳も見える。最低標高地点の千歳橋沿道はさすがの人だかり。薄川沿いにかつて入院した相澤病院を見て、筑摩小学校前の金管バンド等もなるべく目と耳で楽しむ。暑いので第1給水所から積極的にスポーツドリンクを頂こう。

問題の狭すぎる田川土手道も、混雑しないうちに通過。デリシア寿豊丘店から旧五千石街道に入ると急な登り坂となる。それでも人を風除けに使いながら、綺麗に4'20"/kmペースを刻み続けている。だいぶ郊外に来て、高速道路沿い。最南端の塩尻市野村橋で折り返すと、常念山脈・後立山連峰がくっきり並ぶ松本平らしい風景をしばらく堪能できる。緩い下りになった代わりに向かい風気味だが、ついペースアップ。こうなったら行ける所まで押して参る。呼吸はそんなに苦しくないんだ。

針路を西へとり、エプソン社の為に建設されたと云う「えびの子大橋」通称エプソン大橋で国道19号を渡る。なるほど、これなら国道の交通規制は不要だ。小俣橋で奈良井川を渡り、中間地点で1:32'09"。これならトータル3:10'を切れそうだ。後半からエイドに給食が登場し、まずバナナを取る。エネルギーゼリーの類は持ってないので、まんじゅう等しっかり頂いていこう。河岸段丘の急登をクリアすると、松本市消防ラッパ隊のかっこいい演奏につい両手を振り上げ続けてしまう。沿道の人々も笑って真似してくれた。呼吸が苦しくなったけど、最高に楽しい今日のハイライト。

信州スカイパークの園路「信州スカイロード10」に一旦入って北に向かう。馴染み深い10kmコースで、空港らしい広々とした景色が良い。松本アルプホルンクラブの演奏に心和みつつ、唯一の松本らしい給食であるりんごを頂く。この辺りが最高標高地点だ。

練習してないのに前半飛ばし過ぎると、大失速した大阪マラソン2014の二の舞いになる。わかっちゃいるけどやめられない、アホレ。25km地点を過ぎ、やはり脚が回らなくなってきた。フィニッシュ地点を右に見て、まだ先は長い。ミニオン真っ黄っ黄集団の応援にインパクトを感じ、またアルウィンあたりは山雅FCのファンによる声援も多い。だがペースダウンは不可逆に深刻化する。

県道松本空港線はいつもの通勤路。二子橋で折り返すと職場に向かう側になるから、いやだいやだ…なんて思っちゃいないよ。緩い登りで、もうキロあたり5分をオーバーするようになった。風も予報通り強くなってきて、南に遠回りするようなコースも心に堪える。さらに異常な大失速っぷりで、予想タイムもつるべ落とし。3:15'ペースランナーと愉快な仲間(1人)に抜かれ、39km地点でとうとうよろめいてしまう。最後の給水所で乗鞍仲間のK原さんに声を掛けられガッツポーズを返すが、歩かないのが精一杯。「止まるんじゃねぇぞ…」と自分に言い聞かせ、キロ6分オーバーだが辛うじて走っている状態を維持しつつ陸上競技場へ。

フィニッシュ後の給食、メダル

あと195mという所でスパートを掛けてみたけど、3時間20分を7秒オーバーする結果となった。一応コースを振り返って軽く礼をする。もうゾンビのようになりながらチップを外してもらい、おしぼり、タオル、完走メダル、ドリンク、おにぎり、リンゴシャーベットを受け取る。そして少し離れた手荷物・・・ああ末尾7が遠い。ここでもスタッフの松ポタE藤さんに声を掛けて頂き、ありがたい。しかしラストスパートが仇となり立ちくらみが激しく、暫くその場にへたり込んでしまった。とにかく食えるものは食って、少し歩いてはへたり込みを繰り返し、何とか体育館アリーナに移動完了。仰向けにぶっ倒れながら回復を待つ。いつもゴール後はぴょんぴょん写真を撮り回っているものなのに、いつになったら帰れるのか。ここまで消耗が酷いのは初めてだ。

どうにか動けるようになり、やっと写真を撮れる。出店でお決まりのケバブを食べればもう大丈夫。最終ランナーもフィニッシュしたようだし、もう帰ろう。シャトルバス乗り場がかなり遠いが、棄権者収容バスを降りて荷物受取まで歩いてる人達もかなり辛そうだ。バスは乗り心地の良い観光タイプで助かった。黒部ダムからの応援車両だ。市街地の渋滞を避けて有料道路の松本トンネルを抜ける神ルートにはびっくり。プログラム通りきっちり50分でスタート地点に到着する。松本一美味しいぴっこのジェラートを食べつつ、無事帰宅。

噴水モニュメント

Aブロックからスタートした限りでは、スタートエリアのトイレの少なさ以外に大きな問題点は無かった。全員スタートまで14分4秒かかったとか、ネットには序盤の狭さを訴える声もやはり多いが、何とかなった印象。「第一回から一万人規模なんて無理だろ(笑)」なんてあちこちに吹きまくってたのをここで反省する。長野メソッドを成功させた全スタッフに感謝したい。制限時間が厳しく、標高の高さや暑さ、後半の風もあり完走率は8割を切ったという。それでもランナーにとっては良くも悪くも特色の少ないマラソンとして、また意外にマイカー信仰者の反発はなく、市民にとっても山雅FC等と共に楽しく盛り上がるイベントとして、受け入れられていきそうな気がする。

情けないのは自分の走り。練習不足なりのペース配分を考え直さないと、また同じ過ちを犯すだろう。また、来年の長野マラソンまでには確実に3時間を切れる走力を取り戻さないといけない。とりあえず明日、ジャスコの食べ放題に行こう(駄目だこりゃ)。

結果

リザルト
記録 3時間20分07秒 (最速者2:23'02",制限時間5:30')
ネットタイム 3時間19分41秒 ※スタートラインからの計測参考記録
男子順位 344位 (/完走5716名/出走7026名/申込8175名中)
総合順位 ?位 (/完走6849名/出走8611名/申込10058名中)
※記録と順位はランナーズアップデート速報から
※人数は大会報告ページから、ゲスト及びペースランナーも含む
※後日発送されたはずの完走記録証は行方不明
※他にファミリーランの部(2km)完走504名/申込555名
8:30気象: 天候晴,気温14.0℃,湿度63%,風向西南西,風速1.2m/s

リンク

オールスポーツによる写真
松本マラソン公式ページ
大会概要やコース紹介、公式記録、ボランティア受付など。
RUNNET
各マラソン大会のエントリーや速報など。
オールスポーツコミュニティ
スポーツ写真サイト。(右のサンプル写真)

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