五合目の歓迎垂幕

6th Mt.Fuji Hill Climb 富士の国 やまなし

第6回 Mt.富士ヒルクライム 参戦記

2009.6.7[sun]

経緯

ウルトラマラソンで喜怒哀楽の涙を飲んだ、山梨県の富士北麓公園。その四日後の4月30日には早くも再訪した。富士スバルラインを試走する為にチャリを組む。『Mt.富士ヒルクライム』…大会の歴史は浅いながら参加者五千人余を数え、日本最大級のヒルクライムイベントとなっている。あまりの人気に一旦は参加抽選で落ちたものの、二次抽選で当選、めでたく初参戦する。やはりどんなコースか気になるところだ。

五合目の遊歩道より

マラソンの疲れが残っていて踏み込めなかったが、途中の一合目〜四合目標識が良い目標となるし、概ね3%〜8%と緩い斜度。美ヶ原や乗鞍より走り易い印象だ。1時間34分で終点の五合目に到着できたし、本番では参加申込時の申請タイム「1時間30分」を切れるように頑張ろう。「7月の富士登山競走ではあそこまで走るんだよな」と雪の残る山頂を見定めるが、それはまだ先の話。

日記

6月6日()大会前日 「天命のノーメンテ」

いつしか仕事上の失敗続きが身も心もボロボロにし、特に視力の急激な悪化はある種の決断を迫っている。むろん自転車のトレーニングどころではなかったが、長めの自転車通勤は相変わらずだし、この週末に休みが得られたのは幸運だろう。「本番はブロンズ(1:30)目指してがんばります」と宣言した以上、欠場したくない。ノーメンテなチャリをこれまたノーメンテなクルマに積み込み、550ccエンジンをプン回して松本から山梨県へ向かう。車窓に緑いっぱいの中央フリーウェイが気持ち良い。ETCを積んでないから料金高いけど。

そろそろ暗くなってくる頃、富士北麓公園に到着。脚が細りウルトラランナーの面影をめっきり失った私だか、雨上がりにやって来ました自転車ヒルクライムレース最大の祭典、Mt.富士ヒルクライム。だが盛り上がっている会場を横目にさっさと受付を済ませ、クルマで河口湖まで降りる。昨秋の河口湖マラソンと同様に、またしてもニューブリッヂキャンプ場でテント泊た。お金ないし、キャンピング好きだし…。
かすかな明るさが残っているうちにテントの設営とランドナーの組み立てを済ませ、後はパンフを読んだりおにぎり食ったり近くの『開運の湯』に入ったり。寝不足続きで明日起きられるかが心配だ。腰痛の薬を塗ったくってから、寝よう。

6月7日()大会当日 「五合目へGo!Go!」
スタート会場の富士北麓公園

カロメ2箱を朝食に採り、ウォーミングアップがてら緩い坂道を北麓公園まで登る。雨の予報もあったのに何、この雲一つない青空! 撮影には最高の日和だ。会場に続々と、五千人の選手が集まる景観もまず凄い。一人くらい新型インフルエンザ居ても不思議ではないな(※開催が危ぶまれるくらい当時世間で大騒ぎだった)。鶴見辰吾や片山右京など有名人も来ているらしい。

暑くなりそうなのでアーム&レッグウォーマーを外し、ゴール行きの荷物に預けた。ボトルの中身はCCDドリンク。アミノバイタルゼリーを飲んでスタートの刻を待つ。アスリートクラス、女子ロード/MTBに続き、一般男子も申告タイム順に北麓公園を離れていく。自分は第4スタート組、7時15分。そんなに前の方には並ばなかったし、だらだら流れでの漕ぎ出しとなった。と言うのも少し先にあるタイム計測開始地点から記録が取られるので、最初はパレード走行で良い。撮影の都合で気持ち急ぐが。

6分くらいで富士スバルラインに入り、いよいよ計測開始で一気にヒートアップ。ここから標高差1,255mを登るのだ。近頃の無練習により脚のパワーは痩せたものの、このコースなら何とかなる。ガンガン抜きまくれ。右車線を行けばそんなに前走者が邪魔になることもなく、やがて先行スタートの連中も次々に撃ち落として行く。
と書けば景気が良いが、ぶっつけ本番のランではやはり集中し切れておらず、呼吸が荒くなったり楽になったり、つまり心拍が安定していない。やや無駄な走りだと感じる。

Mt.富士ヒルクライムマップ

走り易いコースではあるが、中央線に残されているパイロンが凶悪。うっかり突っ込んでしまう人も見掛けるし、自分の後続車が引っかからないように気を遣う必要がある。
一合目19分。単純に5倍すると…遅いな。でも二合目30分半くらいで、必ずしもタイムの指標にはならないようだ。同クラスの選手はまばらになり、先行スタート組を抜いていく展開。三合目過ぎにアミノバイタルタブレット3個摂取。

もしかして1時間20分もいけるんじゃないかと意識しつつ、腰痛が炎上。さらに呼吸が深く出来なくなる現象が発生し、これでは闘えないか。「(ランドナーに抜かれて)マジかよ!」という叫び声が聞こえたり、四合目を過ぎて並走者に「何十年前のランドナーですか?」と聞かれ調子良く会話をしたりしていたが、もう体はいっぱいっぱい。山岳スプリット賞区間なにそれ。やや戦意消失気味で「もう頑張らなくてもいいんじゃないか?」と迷っているうちに抜き返されることも多くなる。女子にまで。平坦区間ではロードに対してさらに不利となる。

せめて最後の急坂だけは精一杯もがこう。うおーーー! …何人かのスパートに差されはしたが、ピピピーという計測音と共に腕時計を止めタイムを確認する。何と目標を大幅に上回る1時間18分53秒。自分にまだこんな体力が残存していたなんてと、思わず右こぶしを天に挙げる。よっしゃー。何より無事に完走できて、喜びに包まれた五合目の一員となっている。相変わらずの快晴で景色も素晴らしい。

ゴールの五合目(パノラマ合成)

荷物はみんな指定の白い袋に入れているので、自分のを探すのに少々難儀する。あとはウロウロと写真を撮り回って、しかし待つ人は居ないので自分にしては早めの下山へ。試走時の反省から十分な防寒装備を用意していたおかげで、快適に下る。雲が本当に下の方だ。途中で落車する人もおり、血溜まりが。自分もたまにチャリがブレることがあるので、気を付けよう・・・。

北麓公園まで降りてチップを返却し、サービスの吉田うどんが有り難い。そこでnorikura1059さんに遭遇。今回は都合により応援のみとのことだが、いろいろ励ましを頂いている方、会えて良かった。出店のソーセージやタコヤキを食いつつ、また強烈な紫外線を浴びつつ、表彰式や抽選会も一通り観ていく。自分には何もなかったけど、満足気分での祭典終了となった。記録は思ったより速かったが、課題も多い。それを考えながらキャンプ場に戻りテントを撤収。クルマでの帰路へ。
ももの里温泉で疲れを癒し、高速に乗ったはいいけどあまりに眠いのでサービスエリア毎にコーヒー休憩を入れつつ、無事松本に帰宅。ああ、楽しかった。ずっとこんな日が続けば良いのに。

フィニッシュゲートと背後の雲海 河口湖を見下ろす 表彰式

結果

公式リザルト
記録 1時間18分53秒63 (優勝者1:01:28.01※招待選手除く)
ロードレーサー男子30〜34歳 94位 (/完走732名/出走741名/申込795名中)
総合順位(全カテゴリー含) 404位 (/完走4672名/出走5061名/申込5492名中)
記録証

レースとしては一昨年の乗鞍以来、久々にチャリ載動画を撮影していた。終盤に極端なペースの落ち込みがなかったのは、やはり「この映像をネットに晒すんだ」というプレッシャーがあったおかげだ。カメラはおもりとしてのマイナスを跳ね返して余りある加速装置になっていたんじゃないだろうか。
ともかくこれを5倍速にして編集し、使用フリー化がニュースになったばかりの日本ファルコム楽曲をBGMにして公開した。ニッチな人気を得たが、あまりランドナーであることを誇示するのは良くないなと反省。それにしてもMt.富士は賑やかで良いね。

ニコニコ動画:【人大杉】第6回Mt.富士ヒルクライム【5倍速】
zoome:【人大杉】第6回Mt.富士ヒルクライム【5倍速】※高画質・高音質版

リンク

オールスポーツによる写真
MT.富士ヒルクライム公式ページ
大会要項やコース紹介など。
RUNNET
自転車やマラソンの大会エントリーや速報など。
オールスポーツコミュニティ
スポーツ写真サイト。(右のサンプル写真)

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