南長野運動公園

The 16th NAGANO OLYMPIC COMMEMORATIVE 2014 NAGANO MARATHON

第16回 長野オリンピック記念 長野マラソン 参戦記

2014年4月20日

経緯

2008年の長野マラソンで初のサブスリー、2時間53分51秒を記録してからずいぶん経つ。あの頃は破竹の勢い、「こんな記録は通過点に過ぎぬ」くらいに思っていた。しかし体力精神力は弱り、無理に練習距離を伸ばせば故障の繰り返し。挙句の果てに交通事故で入院手術。むらよしは倒れたままなのか。いいや、どん底から這い上がれ。去年の長野マラソンでは強烈な印象を残す雪レースながら3時間8分台にまで回復。いよいよ今年は言い訳の効かない体である。年齢的な衰えで仕方ないと言うのなら、永遠にチャンスはない。サブスリー必達で練習をがんばる・・・、

はずが、1月は肋骨にヒビを入れてしまい2週間停止。月間117kmに留まった。やる気も回復せず、今年も駄目なのかという空気が身を包む。2月に松本市で2度の大雪が降り、自転車通勤をジョギングに振り替えざるを得ない日々が続いたことが、ようやく魂に火を付けた。サブスリーに最低限必要とされる月間300kmを確保。

3月は春ランin信州スカイパーク10kmで自己新の40分切りを達成し「スピード」を付けた。また松本ロゲイニングin波田5時間で「持久力」を付けつつソロの部優勝と、失われた自信を取り戻しつつある実感を得た。自転車通勤に加えジョギング月間350kmを走り故障なし! スピードと持久力を融合させて「スピード持久力」を試すのが4月頭の36km走。そのデータから、予想されるフルマラソンのタイムはベストより3分落ちの2時間56分51秒。つまりサブスリー復帰が十分に現実味を帯びてきた。全て計画通り。あとは心身のコンディションを大崩れの無いよう調えるだけである。減量には失敗し体重60.7kg、体脂肪率17.7%…いいのかこんなんで。

長野駅東口のダンス

前日に長野市入りし、長野駅からビッグハットまで例年は歩くが、今年は往路のみシャトルバスに乗る。かかる時間は変わらないな…。受付を済ませてから出店ブースでサプリ類を買い漁る。今回の決戦シューズは去年までの低迷期を支えたアディゼロジャパン2を花道として使うが、次期戦闘機としてアディゼロ匠 練も購入しておく。食品スーパーで夜食を確保しつつ歩いて長野駅まで戻り、長野電鉄の駅そば「しなの」で早めの夕食を頂く。半年前に予約を入れておいた東横インにチェックインし、部屋の加湿器を使って最後のコンディション調整。

天気予報から雨マークが消え、晴れ間もあり。若干の向い風が気になる。夜食とアミノバイタルプロ粉末を摂って風呂に入り、早めにおやすみ。

日記

4月20日()大会当日 「フロック・イズ・デッド」
チャリティーエントリー特典タトゥーシール

「今回は体調が悪くて…」などという言い訳が効かないくらい万全な朝。6時から提供される朝食でおにぎり3つ、サンドイッチ2つ、ミニそばやマカロニサラダ、リンゴ酢、味噌汁。バイキングと聞くと食べ過ぎる癖を抑えて、これくらい。スネにチャリティーエントリー(参加料+1000円)特典のタトゥーシールを貼り、足の小指にはマメ対策の絆創膏。ホテルをチェックアウトして、大会参加者用の乗車券を使い長野駅から北長野駅へ移動する。臨時電車より1本後の気動車の方が、跨線橋歩きの混雑を回避できて楽なのも例年通り。

陸上競技場でアップする黒人ランナー達

またいつもの裏道を小走りして、スタート会場の長野運動公園に到着。早朝はやや冷えたが、すっかり薄晴れのマラソン日和となっている。問題は南東の風だ。あまり強くならないと良いが。クリック合戦となる参加申込の時に予想タイム「2:59'30"」と申告していて、与えられたゼッケンはC1349。今年はあの悪名高き陸連登録者優遇策が廃止され、純粋に速い人順となっている。そしてCブロックの選手まで、陸上競技場でのウォーミングアップが許可されるようになった。ゼッケン提示で入場! 去年までぬかるみもあるサブトラック等だったから感激もひとしお。ここはサブスリーランナーの聖地かはたまた、マラソン趣味の不健康さを考えると毒の沼地か。黒人ランナーなど招待選手もいっぱい走っていて、ちょっと気後れする?

調子を見ながら一周ごとに荷物に戻る、を繰り返す。体が重いようで、走ってみればスピードに乗るものだな。結果、サプリ摂取のオーダーを若干変更することに。パワーバージェル3本とアミノバイタルプロ粉末を自転車用レージャツの背中ポケットへ。パワーバー粘土、アミノバイタルパーフェクトエネルギー、三七人参花(試供品)と少々のスポドリを口に入れる。靴紐の調整オーケー。日焼け止めもオーケー。手袋は要らない。8時すぎに荷物を預け、スタート整列へ移動する。Cブロック中団やや後方か。ゲストの高橋尚子がマイクで柔軟体操の指揮をしている。

申告タイムに恥じない走りは最低限。3時間を切らなくちゃ、という義務感は残るし不安も大きいが、練習通りに走れば良いから悲壮感はない。楽しもう! 速く走るより強く走ろう! 8時30分いざ号砲。the Canadian Clubのかっこいいライブ演奏が盛り上げる。

スタートライン通過まで41秒。前方のBブロックにもサバ読み過ぎランナーが居るのか若干渋滞するが、1km地点のラップが4'29"ならまぁいいか。ここからはノンストレスのフリーペース。3時間切りの条件である4'15"/kmペースをかなり意識しつつも落ち着け、落ち着け。沿道でザ・ブルーハーツの「月の爆撃機」を流してるパフォーマーがいて、しばらく脳内を流れる。善光寺に軽く手を合わせつつ中央通りの下り坂に突入。セントラルスクゥエア前の男声合唱団は「聖者が街にやってくる」。信号過ぎてドラム演奏、あれはうるさすぎないか? 去年Qちゃん(高橋尚子)がとくしまマラソンに行ってて長野に来なかった件をつらつらウェアに書いてる選手を見て笑ってるうち、7km地点のラップ欠測。その後4'00"/kmを並べ、10km地点通過グロスが42'25"、スタートロスを完全に吸収し切った。

ビッグハット前(前日撮影)

しかしちょっと飛ばし過ぎたようで脚が硬い。自分のペースを再構築すべく、マークしていたIRAGO Tシャツを見送る。東行きの追い風区間なので、無理に人の後ろに付ける必要がないし。脚にかけるパワーを減らしても、追い風のおかげでペースは落ちない。しかしこのあと向い風区間のほうが多くなるから、先が思いやられる。10km過ぎのビッグハットで初給水(スポドリ)。やや暑いし、ここから2ヶ所おきに給水を取っていこう。ちなみに去年までのコースが4ヶ所変更になり、ここビッグハット前など、曲がり角が少なくなっている。

犀川の土手に上がると、咲き乱れる菜の花が綺麗だ。15km手前から対面走行区間になるが、男子トップ選手の通過には間に合わなかった。女子トップとはすれ違えた。恒例のYMCAを流す応援には、思わず手がそう動く。エムウェーブの敷地に入り吹奏楽部の演奏、そして高橋尚子とハイタッチ! 3時間ペースランナーとゆかいな仲間たちをパスしたところで、長い向い風区間が始まる。18km地点ラップが3'47"!?、まぁ距離表示の位置がおかしかったのだろう。毎年どこかしら間違っているのも長野マラソン。パワージェルを摂って五輪大橋に差し掛かると、もう一組の3時間ペースランナーとゆかいな仲間たちが登場。こいつらに付いて行くのは不本意だが、橋の上は風が強い。渡り終えるまで利用させてもらってから、ポイ。

長野マラソン14マップ

中間地点で1:28'16"。ここから激走すれば自己ベスト、なんてね。現実的に2:56'台に向けて着々と進んでいると思う。25kmのホワイトリングを過ぎた所で「むらよしさん!」の声。ブログを読んでくれてたタダノブさんが、デカいカメラを構えている。「今年は行けるよ」の意味を込めてガッツポーズを返す。アミノバイタルプロ粉末を摂って給水、パワージェルを摂って給水。オールスポーツのカメラマンにコロンビアポーズやダブルピースをかます余裕もまだある。向い風が吹く千曲川の土手に上がり、だんだん風除けになるランナーも減ってキビシイけど、頑張りどころ。一旦下りて「ふたこぶラクダ」と言われる路面のうねりをクリア。じわじわと差を詰めていたIRAGO Tシャツにようやく追い付き追い抜き、また土手上へ。消防ラッパに諏訪御柱祭風なヨイサーの腕振りをかます。ストレッチだよ。the Canadian Clubのライブ演奏が今年もここにワープしていて、気持ちが再度盛り上がる。そしてまた高橋尚子とハイタッチ。声がかすれてるようだが大丈夫か? 「ありがとう!」と返しておく。

今回スピードはともかく持久力には自信があるんだ。30kmの壁は感じず、残り距離を近所のジョギングルートに例えながら進む。岩野橋を渡って35km、左岸の土手道に入る。春日のうららかで雄大な景色と、延々続く沿道の応援に「すごい」の声が出る。梅味のパワージェルを摂り、お楽しみの追い風区間。あれ、ちっともペースを上げられない。風を意識してここまで力を使いすぎていたようだ。やはりフルマラソンは難しいと実感。残りの距離をどこまでペースを落としてもサブスリー大丈夫なのか、という弱気な計算式が頭をぐるぐるする。でもスピードは維持できている。練習の成果を無駄にせず、このタイムで最終盤に来ているのが夢のようだ。

ラスト直線路(ゴール後撮影)

ラストスパート前にペースダウンする悪い癖が、39km地点ラップ4'19"に出てしまった。という訳で早めのロングスパートを掛けつつ、スタジアムに向かう直線路に入る。向い風はあくまで軽く、3時間切りを安全圏に収めたランナーたちと自由に競走している。周りはほぼBブロックの選手で、抜く方が圧倒的に多いけど。腕が冷たくなってくるし、呼吸もいよいよ苦しくて三拍子化。スパート早まったか? やはりこの直線は…大勢の声援が無かったら諦めてしまうような長さだ。行くしかない。頑張らないわけにはいかぬ。タイムは、2:56'台がギリギリか。スタジアムの人工芝に入ったら一目散。喜びのコロンビアポーズを取って、フィニッシュライン2枚目の計測マットで時計を止める。

無事成し遂げた、2時間56分53秒。予想よりわずか2秒遅れ、予想通り過ぎて泣くほどの感情の起伏は無い。けれど、6年ぶり2度目のサブスリー。長い長いスランプから立ち直れてほんとうに嬉しい。一度だけだと「フロック」とも言えちゃうが、これでもっと自信が持てる。「終わったー」。すぐに3時間その時が来る。よろよろの脚で出来るだけストレッチをしつつ出口へ向かう。今年からある長野県内製の完走メダルを掛けてもらい、大型タオル、アミノバイタルゴールド粉末、アミノバイタルPET、長野米おにぎりを次々と貰って退出。今年は工事の都合で預け荷物の受け取り場所がテニスコートになっている。Bブロックの選手は大行列だがCブロックはまだガラガラだ。おしぼりを配っていて気が利いている。みんな塩だらけの顔を何とかしたいから。

長野オリンピックスタジアム

完走証の発行は一ヶ月後なので、タイム確認はランナーズアップデートにアクセスしなきゃいけないのは欠点。あとはこんな時くらい自慢のツイートをして、体育館で服を一新。さぁ長野マラソンタウンへ繰り出そう。ニコちゃんケバブはナンタイプで、辛口が旨い。スノーレッツの被り物が楽しげ。あとはスタジアムなど少し写真を撮り回り、待ち合わす人も居ないし早めにリーブ。さようなら、桜満開の長野オリンピックスタジアム。年々改善している大会だが、残る不満点はシャトルバスが渋滞してなかなか国道に出られないところか。

篠ノ井駅からJRで松本に戻り、歩いて帰宅。ゴールタイムが速いほど、その後の行動がぴょんぴょん楽になる。が、あとは自宅でゆっくりすれば良いだろう。明日も例によって休暇を頂いてあるので、温泉と焼肉食い放題か。しかし今日は会心のレースだったとは言え、自己ベストを目指すことが出来ない不甲斐なさもあった。足りなかった事と、これからの事を、しっかり考えていきたい。

結果

後日郵送された記録証
公式リザルト
記録 2時間56分53秒 (最速者2:13:56, 最終完走者5:14:01)
ネットタイム 2時間56分13秒 ※スタートラインからの計測参考記録
男子順位 260位 (/完走7038名/出走8022名/受付8401名/申込9176名中)
総合順位 274位 (/完走8281名/出走9521名/受付9969名/申込10892名中)
※人数は翌日発行の信濃毎日新聞や大会報告ページのデータから、順位に関係しない
ゲスト及びペースランナー(完走14名/出走14名/受付15名/申込15名)を減算。
総合には女子及び視覚障害者を含む。
8:30気象: 天候うす曇,気温9.3℃,湿度57%,風向南西,風速4.7m/s

リンク

オールスポーツによる写真
長野マラソン公式ページ
大会概要やコース紹介、公式記録、テーマソングなど。
RUNNET
各マラソン大会のエントリーや速報など。
オールスポーツコミュニティ
スポーツ写真サイト。(右のサンプル写真)

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