万全とは言い切れないが、あと10km走っていたら故障しただろうってくらい、やれることはやった。カーボローディング前に若干の糖質制限をしたらド貧血に陥ったりもしたけど、土曜には元気になる。ミサイルやJアラートがどうとか不穏な世間を気にしつつ、松本駅から長野駅まで特別急行「しなの」に乗る。さらに例年は歩いて受付会場のビッグハットへ向かうところ、200円のシャトルバスを利用するという贅沢っぷり。「今年の目標はこのレースじゃない…」という思い故、中間テストとしてでも却って重要性が増しているのか。
長野マラソン十回以上エントリーのシルバーゼッケンは布製のせいか、去年はクリップ穴が開いてなかった。今年は開いていて、バージョンアップした感がある。出店でサプリ類の買い出しを済ませ、駅への復路はゆっくり歩き。さっきまでの雨は止んだ。長野電鉄の駅そば「しなの」で早めの夕食を摂る。ここではいつも蕎麦だけど今日はうどん。あとは生鮮市場JCで夜食を調達して、半年前に予約を入れておいた東横インにチェックイン。アミノバイタル粉を飲んで、午後9時過ぎ消灯。加湿器を弱めにかけつつ。
睡眠時間がずれると軽い頭痛の目覚めになるのは仕方ない。チャリティーエントリーのタトゥーシールをふくらはぎに貼り、朝食は混みあう前に並んでおくの定期。長野駅から乗るしなの鉄道は、臨時列車ではなく一本後の飯山方面行き気動車に乗るのも毎度のコツ。北長野駅での跨線橋渋滞を回避できるから。
シューズはアディゼロ匠練ブースト3。緩めが最近のマイトレンドなので、これも靴紐を緩めておく。少し歩いて、アクアウイング前のスタート会場に到着。メイントラックでウォーミングアップ出来るのはCブロックゼッケン以上の特権だ。最近ハイペースランをしてないので走れるか心配だったが、トラックを4周してみた限りでは良い感じ。パワーバー粘土と赤アミノバイタルゼリー、ポカリスエットを摂り、日焼け止めを塗って、トイレと荷物預けで8時過ぎ。Bブロックの中でやや前方に並ぶ。ううむ、屈伸するだけで立ち眩みするレベルの貧血が気掛かり。
8時30分号砲、スタートラインまで16秒。ザ・カナディアンクラブがテーマソング「1/2」を演奏している。「さあ探しに行こう、新しい自分〜」という歌い出しに思わず涙がにじむ。永遠に切れないと思っていた、9年前の自己ベスト2:53'を目指したい。そこにはまさに新しい自分がある。あわよくばサブ50やらキロ4やらも念頭に、序盤から惜しみなく突っ込む。とりあえずターゲットペースは4'05"/kmだ。
自重しないスピードで0〜5kmラップ20'15"、二つ目のエイドから給水を摂り始め、5〜10kmラップが20'00"!。去年悩ましかった風は、ゆる〜く南西〜東寄りか。しかしもう脚に無理を感じ始めるなか、自分の後ろが真空地帯と化していて前に付いて行かざるをえない。キロよん勢、怖い。犀川の土手を降りた所から、エムウェーブで折り返してきたランナーとすれ違う区間になる。しかし男子トップは過ぎ去った後だった、悔しい。間もなく女子トップとはすれ違う。10〜15kmラップ20'26"。
名物のYMCAポイントで、曲に合わせてYMCAしたら背中ポケットのパワージェルが一つ落下するアクシデント。ごめん、拾いに戻れない。もう一つは手に持ちつつ、とりあえずエネルギー補給はエイドのバナナで代用する。何だか暑くなってきたので梅干しも頂く。塩分重要。15〜20kmラップ20'39"。五輪大橋はしっかり人の後ろに付けつつ、中間地点を1:26'06"で通過する。ほぼ目標通りだが、脚が不穏に硬くなってきた。しかも何かとトラブル続きの左足に、今回は肉刺(マメ)が発生している。朝、つい紐を緩めてしまったから…。20〜25kmラップ21'06"。
今年から25kmエイドに赤アミノバイタルゼリーがあって有り難い。しかし己の実力を見誤ったツケが、いよいよがんがん襲って来る。脚が硬くて上がらない。肉刺は激痛となり、一歩一歩泣いている。あと風は穏やかで良いが、かなり暑い…。これらのトリプルパンチでみるみるペースダウンし、25〜30kmラップ21'33"。サブスリーペースより遅くなり始めた。松代エイドのボランティアが着揃える赤備えは見事で、大河ドラマ「真田丸」の感動が蘇る。30km地点から野生解放!!・・・は空振り。パワージェルを摂り千曲川の土手に出て、少し経って先頭ゴールの空砲が鳴る。あれ、今年は遅いな。
土手上でまたザ・カナディアンクラブの演奏があり、高橋尚子さんとハイタッチも。ありがとう。しかし行ける筈と思っていた自己ベストが絶望的となり、何が目標で走ってんのか分からなくなった。いや順位は落としたくないとか、サブスリーは確保したいとか…。そろそろ3時間ペースランナーとゆかいな仲間たちの足音が後ろから迫って来やしないかとひやひやしている。順位変動は無いから周りも苦しいのだろう。「このイベントを楽しんでいるか?」何度も自分に問い掛ける。30〜35kmラップ22'12"。
あと◯km標識の度、脚も呼吸も苦しくなる。とうとう足裏の肉刺は潰れた。着地の度にジュワジュワ突き上げる痛覚を遮断したいのに、それができないもどかしさ。こまめにスポドリ給水は摂っていたから、脚がつりそうにないことだけは救い。毎年ガタ落ちする40km手前は特に気持ちをしっかり持ち直し、35〜40kmラップ22'19"。ここからの直線区間の長さよ。
どうにか3時間ペースランナーと(略)に追いつかれることなく、オリンピックスタジアム入り。人工芝のスプリント勝負はハナ差で負けたかな?(おそらく奥側のラインで計測されるので、リザルトでは差し切っていたようだ。) 40〜Finラップ9'43"という遅さながら2時間58分29秒でフィニッシュし、一応バンザイはする。観客席を見渡してみるが、見知った顔はいない。
よたよたと歩きながら顔拭きタオル、バスタオル、アミノバイタルPETドリンク、アミノバイタルゴールド粉、長野米おにぎりを受け取ってスタジアムから退出。へたり込んですぐ完食する。左足が痛くて痛くてびっこを引きながら、預け荷物を受け取って更衣室へ。結果のツイートくらいはしておこう。ここも退出して号外新聞を受け取り、スタジアムの様子を見てから出店ブースへ。蒸しおやき、タンドリーチキン、いちごチョコ生クリームクレープを買い食いする。名残惜しくもう一回スタジアムを見て、桜満開の公園をリーブ。篠ノ井駅行きのシャトルバスはスムーズ。自棄コーラを呷り、特急しなので松本に帰る。
これで四度目のサブスリー達成(全て長野)だが、その中では失敗レースとなった。ネットには参加者書き込みによる「撃沈」の二文字が氾濫し(同日のかすみがうらマラソンはさらに阿鼻叫喚だったらしい)、暑さゆえ過去最低レベルの完走率77%という厳しい条件だったにせよ、順位速報で238位と小目標の200位以内にも入れなかったのは口惜しい。これじゃ信濃毎日新聞リザルト欄の1ページ目に載れないんだよな。ところで来年の第20回記念大会に向けて昨年から「3年連続サブスリー表彰」ってのがあって、その初年に達せず大変気落ちしていたが、暴風雨というあんまりな条件だった為か今年から3回連続でも良くなった(この分だと来年から〜でもオーケーになるんじゃないか?)。その意味でも、よく耐えて夢を繋いだなと思う。…自分、再来年までこんな趣味を続けているかしら。
いずれにせよ今年最大の目標、ロゲイニング日本選手権(24時間)にはこんな短距離でのスピードは通用しない。これから長距離・長時間を確実に走れる身体を造っていこう。とりあえず一休み一休み。
記録 | 2時間58分29秒 | (最速者2:14'39", 最終完走者5:18'11") |
ネットタイム | 2時間58分13秒 | ※スタートラインからの計測参考記録 |
男子(一般)順位 | 238位 | (/完走6413名/出走8034名/受付8473名/申込9247名中) |
総合順位 | 247位 | (/完走7507名/出走9648名/受付10119名/申込11009名中) |