畳平鶴ヶ池

All Japan Mountain Cycling in NORIKURA 2010

第25回 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍 参戦記

2010年8月28日〜8月29日

日記

8/28() トン寝る遊ぶ
乗鞍高原に向かう

ゲゲゲの女房を観てから、9時15分には出発。行先が「たかが市内」であること、宿の駐車場が不足していること、そして帰路の渋滞回避を目的に、今年もランドナーで松本市街から乗鞍高原まで向かう。レース前の最終トレーニングにもなるし、ベストを出した年もチャリ移動だったからゲンが良い。何より自由で楽しいじゃないか。
あまり暑くならないうちにと、例年より早目に出発した。こんな時間でももうルーフに自転車を積んだクルマを多く見掛ける。最近腰痛が悪化していて、また痛くなってきたので途中で思い切ってサドルを下げてみたら楽になった。今さら何をやってるんだ。

一の瀬遊園の空

国道158号のトンネル街道を抜け、ボトルドリンク1本ギリギリくらいで標高1460mの乗鞍高原に到着した。丁度正午で、受付会場はまだ準備中なので一の瀬園地に移動。持参の薄皮つぶあんぱんと売店のソフトクリームを食う。
昔見たガイドブックか何かに「昼寝の最適地」とか書いてあった気がする。ずっと、ここで昼寝をするのが夢だった。あざみ池の端に木陰のベンチを見つけ、仰向けに転がってウトウトする。森の中、気持ちいい。「このままここでくたばっちまっても・・・」。そう思えるくらいにリラックスできた。どうして僕は、木の枝を伝う蟻たちじゃないのか。

ぼちぼち会場に戻るなり、同チーム『ESCA Old Boys』の人達に会う。正直なところ顔と名前が一致しない人も多い。年に一度とは言え、この覚えの悪さが私の非社会人たる所以であろう。ともかく今年も宜しくお願いします。
それにしてもここはソフトバンク携帯のパケットが回ってこない。アンテナ3本立っているのに。iPhoneの爆発的な普及のせいだろう。

寿家の夕食

宿は坂をだいぶ下りたところにある寿家。温泉があるし、自分で作らなくてもメシが出てくるって素晴らしいな。白米4杯を平らげて幸せ。しかしコップ半分のビールを2杯飲んだだけで潰れてしまい、飲みの片付けや布団の用意を諸先輩方に任せる形になってしまった。何とかブログの更新だけでもと試みるが、相変わらずパケットが回ってこない。iPhone爆発しろ。バタンキュー。

8/29() 二日酔いでも寝ぼけていても タイムレコーダ無音で通過
会場へ向かう途中

近ごろ睡眠習慣が安定していないのも酒にやられた原因か。良く寝られたと思うが、二日酔いで頭が少しガンガンする。まぁレースまでには引くだろう。

どんな体調であろうと、ご飯はいっぱい3杯食べる。高原らしくひんやりとした朝だが、やがて暑くなるだろう。宿の前からでも乗鞍岳剣ヶ峰がクッキリ見え、撮影には絶好の天気に恵まれた。なるべく前方のスタートポジションを確保したい向きの数人が第一陣として宿を離れ、大会会場へ登る。クラスによってはすぐに駐車場の限界まで列が埋まり混乱しているが、これは各クラス三行あるべき最前列が遠慮して二行になることで生じるようだ。毎年、印を付けておくだけで解決するだろうと思うが、提案するのも面倒臭い。

スタート会場

ここまで漕いできたことで、さらに頭がズキズキしている。スタート時刻がロードレーサーの最終組で、チャンピオンクラスから40分の開きがあることが幸い。ブログ仲間のkinottyさん、去年会った筑大OBのN君、さらに懐かしの後輩I君に会ったりしているうちに号砲の時刻が近づく。アミノバイタルプロ粉末とスーパーヴァーム粉末をボトルのCCDドリンク+塩で流し込む。ちょっと多すぎるかも。暑くてもうボトルの中身が1/3にまで減っている。今年は途中で給水を受ける必要があるだろう。

乗鞍エコーラインマップ

8時10分 ロードレーサーの部 一般男子C(31〜35歳)第2組スタート

8月の練習量が不足している気がするのは毎年のこと。自己ベストを狙うための時刻表を念頭に置きつつ、まずまずのスタートを切った。しかし調子は上がらず、トレインを利用しながら何とかワーストだった去年並みのタイムで各ポイントを通過して行く。第1チェックポイント通過が21'53"。このレースで給水を利用するのは初めてだが、混雑なくアクエリアスを受け取れて良かった。

さあここから反攻だ。という意気込みとは裏腹に、息が吸えなくなる現象が発生する。数日前の美ヶ原トレーニングでも予兆はあったが、ちょっと症状が出るのが早過ぎる。足腰の調子は良いのに、力を入れ続けることが出来ない。「まさかゴールタイム1:20'陥落か?」という心配が頭をよぎる。中間点手前でとうとうパニック寸前になり、大失速する。一旦落ち着かせよう。そして少しずつペースを取り戻すのだ。気持ちだけは負けないように、つづら折り区間はあくまでインベタで攻める。

第2チェックポイント通過が58分ほど。相当急がないとヤバいので、給水を取る心の余裕はなかった。しかし焦りが余計に症状を悪化させる。有り余る脚に力を入れる度に息が吸えなくなる。『うるさいくらいの呼吸で、本来持久系の脚に過度に酸素を送り込む』──これによってヒルクライムでのパフォーマンスを得るタイプなのに、肺が故障してはどうにもならない。

槍穂連峰は見えるし、位ヶ原のハイマツ帯に入って景色は見事。苦しいのは周りの人間も同じことで、同時スタートの失速組同士で抜きつ抜かれつしている。「本来ライバルじゃない筈の連中に…」という気持ちは否めないが、お陰で気持ちを繋いでいる。踏み込むだけで簡単に抜けるのに、息が絶えてしまう。これはこれで、限界を見極める闘いになっているのだ。例年になく神経は集中している。

苦しみつつもライバルを一人抜きゴール前へ。あれ、今年は渋滞の様子がおかしい。みんな自転車を下りて歩き出しているぞ。「止まらないでー」…心はびっくりしつつも、体は落ち着いていた。ギアを乗鞍では使わないはずのインナーロー28x28Tに落とし、歩くよりも遅いスピードで漕げるようにする。遅い時刻になったぶん、酷い渋滞にハマってしまったんだろうな。

ゴールエリア

フィニッシュ 1時間23分43秒

非常にスローなペースで県境のフィニッシュラインを越えた。通例ピピピッと鳴るはずのチップ測定機が無音だったが、多分大丈夫だろう。1:20'をオーバーし翌年のチャンピオンクラス出場権を喪失してしまった上、大幅な自己ワースト更新に「ありえない…」と無念がつのる。駐車場エリアまでノロノロ大渋滞が続く。最後に岐阜県側の乗鞍スカイラインを渡るのだが、ここで係員がバス・タクシーの通行に相当気をつかって自転車を必要以上に長時間止めたりしている。これも渋滞の一因なのだろうが、政治的に仕方がないな。もし大会を長野県側だけでやれとなったら、かつてのように大雪渓前をゴールにせざるを得なくなるし。駐車場でnorikura1059さんやハッスルHKさんなど同チームの人達を見つけ、ようやくひと休み。

富士見岳よりフィニッシュライン

著しく呼吸が制限される現象。良く思い出してみると、2年前の野辺山マラソンの後もしばらく似たような症状でスランプに陥っていた。たまたま翌月のツールド美ヶ原が雨天中止だったので、データとしては現れていないのだが。
つまり、先月の富士登山競走で肺を酷使し過ぎていたのではないか。高所の薄い空気に強くなったつもりが逆効果だった。あの好走の代償なら悔しくない。悔しいけど。肺の回復術を覚えない限り、来年両方にエントリーするのは考えものだ。

まぁ闘えるだけは闘ったのだしそれで充実したことにしないか。天気良好だし、歩いて富士見岳の山頂まで写真を撮りに行く。まだ二日酔いの頭痛が残ってるけど、もうどうでもええわ。360度の景観は素晴らしい。県境前後に連なる夥しい自転車を見下ろせるのは年間で今日だけだ。悪走の遠因となったにっくき富士山も、30分前までは見えていたんだとか。「自転車の人はこれから下りで楽ですね」と言われるが、「登りで疲れ切っているから下りの方が辛いんですよ」と答えておく。毎年犠牲者が出るしなぁ。それが自分ではありませんようにと祈る。

大雪渓前

駐車場に戻って預けの荷物を受け取り、プロテインバープロをむしゃむしゃする。チームの人に合わせて自分も下山を開始。登りでは猛虎参號さんに追い付くことは出来なかったが、ここでようやく六甲おろしを聴くことができた。
普段下り坂はあまり好きじゃない自分でも、大勢だとなかなか楽しい。通い慣れた感のある乗鞍でも、大勢でこんなところを自転車でうわーってやるのは凄いことだ。途中には救急車が来ていてケガ人を搬入中だった。ホイールがポテトチップになっていた。これで「危険な大会だから」と上納金が増えれば、来年の参加料は千円増しか?

スタート会場まで戻ると、去年までは無かったスイカの振る舞いサービスがある。名産地である波田町が今年松本市に合併したので、ここで提供できるようになったのだろう。「やっと選手達に振る舞えるよ。さっきまで選手の家族ばっかだったから…」と本音を漏らしていた。2つ頂く。

宿に下りて温泉、そして昼食。そばがき焼きが美味しい。チーム全員で記念撮影をして解散となる。自転車で帰る私は危ないがクルマも同じこと。みんな気を付けてね。トンネル手前から渋滞となり、排気ガスに耐えつつすり抜けていく。島々まで下りて梓川左岸に逃れようと思ったら道が崖崩れで通行止めだった。もうしばらく国道158号の渋滞と付き合いながら、松本市街の自宅に無事帰宅。あちー。猛暑の日々はまだ続く。

結果

公式リザルト
時間
(全長20.5km 標高差1,260m)
1時間23分43秒 (最速者0:55:08, 最終完走者3:57:08)
一般男子Cクラス 順位
(ロードレーサー31〜35歳)
128位 (/完走382名/登録427名中)
総合順位
(61歳以上,女子,MTB含)
958位 (/完走3,580名/登録4,002名中)
順位・完走者数にオープン参加者含まず
他にジュニア・ビギナー完走30名/登録38名

例によってチャリ載動画を撮影していた。相変わらずキャリアがヤワでブレるし、前回のツールド美ヶ原からサドル下のICレコーダーによるステレオ録音を試みているが、まだ設定を詰め切れていない。レース後半の失速っぷりが恥ずかしいが、せっかくの好天だったし5倍速に編集して公開。来年はどうしようね。

ニコニコ動画:【自転車載】第25回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍(5倍速)※360p版
zoome:【自転車載】第25回全日本マウンテンサイクリングin乗鞍(5倍速)※480p版

リンク

JCA(日本サイクリング協会)
ツール・ド・美ヶ原やマウンテンサイクリングin乗鞍などの主催団体。
TRI-X
トライアスロン専門サイトだがヒルクライムイベントのエントリーやリザルトも扱う。

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