岐阜県境フィニッシュ地点

Mountain Cycling in NORIKURA 2017

第32回 全日本マウンテンサイクリングin乗鞍 参戦記

2017年8月26〜27日

日記

8/26) トンネル遊ぶ
トンネル街道

乗鞍まで行けるってだけでもワクワク嬉しい週末。しかも雨具を持ってかなくていいのはいつ以来だろう。快適な暑さのもと自転車でトンネル街道へ向かう。ところが奈川渡ダム手前から、ほんの少しずつしか動かない大渋滞の一員となる。トンネル内でスリ抜けは困難だし、無理にすればインターネッツでフクロにされかねない。空気も景色も悪いけど、じっと堪えるしかない。

国道158号からようやく県道84号に入っても動きは変わらない。受付時間に遅れるんじゃないかという焦りが高まっていく。最後のトンネルを抜けて少し進んだ、いつもなら岩肌を流れる水の冷気が伝わってくる所。そこが崩れてしまったのか、片側交互通行になっていた。山道でよくある無人の自動信号が、下りてくる車は少ないのに、上りも下りも同じ間隔で切り替わる。たぶん法的効力を持たないタイプだが、律儀に残り0秒になって青になるのを待つ人は多いだろう。あるいはスマホでもいじってるのか、一回の青で通過できる車は5〜10台とばらつきがあった。

乗鞍高原到着

クルマがウンカの如く押し寄せてくるのは、関係者なら誰でも知っている。片側交互通行というボトルネックがあれば、惨事になるのは簡単に予見できたはず。これを放置したのは明らかに大会運営の落ち度である。にもかかわらず「渋滞は道路工事の影響」と他人事のような公式アナウンスを飛ばしたのは、来場から帰宅までの満足度をトータルで考えていない、「最高の舞台を用意してやってるんだから勝手に参加者は集まるだろ」という驕りさえ感じる。年々積み上がっていた運営への信頼が、地に落ちた。

夕方になってようやく交通整理員を送り込んだ上、受付時間延長という措置はとったようだ。上り側の青信号を長めに設定するだけでも良かったんじゃね? 何の罪もない、国道を通る物流トラックや路線バスの乗員乗客がいたたまれない。近年は外国人にも人気のルートなんだぜ。

寿家の夕食

ともかく本来の締切ギリギリの時刻に受付を済ませ、定宿の寿家へ。ランドナーをレース仕様にしたら、さあ食って寝て遊ぼう。しかし酒には弱いので、夕食時のビールコップ1杯にとどめる。宴会も酒は控えるが、私にしてはべらべらしゃべる。

寝る前に外を散歩すると、月明かりのない満天の星空! 最近はこれが乗鞍観光の目玉になっている。カシオペアから北十字、さらにもう沈んだサソリに向かってはっきりと天の川が流れている。銀河をぐるぐる周る自分の位置が分かった気になる。実際に太陽系が銀河系を一周することがあるのかは知らない。そんな星々のスケールに比べれば、自分の生涯など、線香花火から出る一瞬の火花のようなものだ。

8/27() 僕は自転車に乗る形 バームクーヘン食べよう
宿を出撃

見上げれば乗鞍剣ヶ峰までスッキリ晴れた朝、昨日の疲れをちょっと感じる。宿から少し登った大会会場は、例年のように高級ロードバイクでごった返している。ステージでは乗鞍出身のシンガーソングライター高橋あず美=サンによる激励歌あり。競技者たちのテンションとずれてる気もするが、個人的には嬉しい。日向は暖かく日陰は寒いなか、とりあえずチャンピオンクラスのスタートを見届ける。猪野学=サンに記念撮影をせがむ人もいるけど、集中できているか?

乗鞍エコーラインマップ2017版

さて自分のレース展望は、ろくにトレーニングしてないのは毎年のことで、結果はおよそ体調に左右されている。今日は上々、1:20'を目標に男子D2組のスタート号砲を受ける。クロモリ重戦車エンペラーにコウテイペンギンちゃんのチャーム、公開予定は無いが一応アクションカメラも付けている。

カン任せのペースで、第1チェックポイント三本滝は去年より17秒遅い。暑さを感じでアクエリアス給水を頂く。「美ヶ原ではランドナーさんに負けたんで、今日は勝ちたいっす」と言う同時スタートの人にじわじわ離されていく。心折れかけた所で、さらに一つ前スタートの人にも色々話しかけらる。それは光栄なんだが、、、話がずいぶん長くなった。脚に溜まったパワーを一気に解放すると中間スプリント状態となり、さっきの人までぶち抜く。おかげで勢いが付いたと言うべきか、つづら折り地帯で徐々にクラス内順位を上げていく展開。急坂ではインナーローまで落として、インベタ走法を炸裂させる。

剣ヶ峰・大雪渓

何だかんだでペース配分は悪くないのだが、今年の貧脚っぷりは如何ともしがたい。体重は変わらなくても体脂肪率が一月半前の14.9%から19.9%まで上昇しているのだから、それだけごっそり筋肉が落ちているのだ。第2チェックポイント位ヶ原山荘で去年より1分遅れ。ここから挽回!…なんて軽々しく出来るものじゃなく、周囲のサイクリングに飲まれがち。正面に剣ヶ峰が間近、北方には穂高岳も凛々しく、ついよそ見が多くなる。

脚も腰も肺も目一杯に位ヶ原を走り抜け、フィニッシュは手元の時計でグロス1時間21分59秒となった。絶景の中しっかり力を出し切った気持ち良さは何物にも代えがたく、1:20'切りが目安のチャンピオンクラス出場権を喪失した悔しさとかは、後回し後回し。

富士見岳より笠ヶ岳〜槍穂

仲間への報告もそこそこに、この晴天なら久々に富士見岳に登ってみよう。JR東京駅で京葉線から中央快速線に乗り換える程度の位置関係、と言いたいが空気薄いしちょっとキツい。標高2,818mの山頂から北を見渡すと、笠ヶ岳〜槍ヶ岳&穂高岳〜常念山脈のシンメトリーがとにかくカッコ良い。車道地べたより一枚上の景観は、下りるのが名残惜しい。

待ち行列でトラべゾーンの人に会う。車体は微妙に華奢だが、やっぱスタイリッシュに見える。良く維持されているなぁ。近隣大会で良く会うSさんに、ここでも会う。さて今年も下山誘導協力員をやるのでオレンジ色のジャケットを着用。自分なりに役割を考えつつ下山していく。三本滝より下は、坂も緩けりゃ気も緩む超危険地帯。今年も、カーブでも何でもない所で血まみれになって倒れている人あり。サイコンかスマホに気を取られていたのか? 既に係員が対応済みで人だかりもあるので、スルーさせて貰う。それより自分のブレーキ部品に整備不良が発覚。猛省しつつ、応急処置で騙し騙しスタート会場に戻る。

乗鞍高原天空バウム

サービスのリンゴ大好き。まるまる一個分は食う。今年は乗鞍高原天空バウムクーヘンの配布もあるんだ。計3種配布のアミノバイタル=サンにも感謝。公式の記録証によれば、ネットタイム1:21'36"だった。もうどうでもいいわ。

宿に戻って温泉に入り、昼食はカレー。チャリを通勤仕様に戻し、間もなくチーム全員と宿の人で記念撮影…お別れの時間だ。今日は問題箇所に早々係員を送り込んだようで、渋滞なくスムーズ。そのぶん早く、自宅=現実が近づいてしまう。トンネル地帯はHさんと一緒に下り、あとは波田高速をだらだらと。自走往復は楽しいが年々、身体への負担が重く感じられるようになってきている。今年はとうとう、帰宅するなり体調が急激に悪化。明るいうちに床に伏せてしまった。悔しさ、来年に繋がるか。

結果

公式リザルト
時間
(全長20.5km 標高差1,260m)
1時間21分36秒865 (最速者0:55'13", 最終完走者4:14'42")
一般男子D 順位
(41〜45歳)
153位 /完走553名/申込681名中
男子順位
(チャンピオン,ジュニア等含)
899位 /完走3486名/申込4220名中
総合順位
(女子含)
911位 /完走3669名/申込4433名中
シリーズ戦対象者 男子順位
(美ヶ原との松本ヒルクライム)
203位 /完走659名/申込767名中
(総合成績不明)

リンク

内藤城写真のサンプル
マウンテンサイクリングin乗鞍 公式サイト
2017年より新設。JCAからの独立に伴い、大会名から「全日本」が外れた。
松本ヒルクライム 公式サイト
2017年より新設。ツールド美ヶ原とマウンテンサイクリングin乗鞍のコラボ事業。
マウンテンサイクリングin乗鞍2017 公式写真販売サービス
内藤城さん担当の専用公式サービス(右のサンプル写真)。

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