青梅マラソンスタート地点標識

THE OHME 30km ROAD RACE

第46回 青梅マラソン 参戦記

2012年2月19日

日記

2月18日()大会前日 「ちゅうかなMM」

減量に失敗して体重・体脂肪は高止まりしているが、トレーニング状況は上々で、さらに体調が恐ろしいほどに絶好調。そんな中で迎えた青梅マラソンの週末は、冷え込みつつも天気は良さそうだ。4年前にもエントリーしたことがあるけど雪で中止だったので、今度こそ走れる。決戦用シューズとして気合のニューモデル「アディゼロJAPAN2」を持参し、いざ松本からスーパーあずさ4号に乗って東京へ向かう。
八王子で横浜線に乗り換え、根岸線桜木町で下車。

♪明け方の街 桜木町で こんなとこに来るはずもないのに /山崎まさよし「One more time,One more chance」

横浜ランドマークタワーよりベイブリッジ

自分のような(元)墨東人にとって東京の西の方とか横浜なんか「いけ好かない」町でしかなく、まず訪れることはなかった。みなとみらいなんて超MMじゃん? しかし今回青梅と往復するために購入した東京週末フリーきっぷをある程度使い倒そうと、範囲内にある横浜の地に生まれて初めて降り立ってみることにしたのだ。
強い寒気のお陰で空気が澄んでいるようだし、むらよしと煙は高い所に登るもの。千円払ってランドマークタワーのエレベーターに乗り込むと、いかにも高速で運行してそうな振動を伴ってから停止した。は? …そのむかし新橋から横浜まで日本に初めて鉄道が開通した時、乗客はあまりに早い到着を信じず汽車から降りようとしなかったと云う。そんな気分がわかる、あっという間の69階だった。展望は言うまでもないがあえて書けば、東京タワーとスカイツリーの間に筑波山、三浦半島の向こうに伊豆大島など。ビルの形がどっしりしてるので真下を覗いてもあまり怖くない。

実は左足指の付け根を痛めており、歩くのがつらい。そこで南へ移動するのに水上バスを使おうと臨港パークの方に行ったら、強い寒気のお陰でウヤになっていた。仕方がない、歩こう。赤レンガ倉庫や象の鼻パークを経て山下公園氷川丸に着く頃、運行再開してやがった。

♪あれは夕焼け染まる 横浜ベイブリッジ /長渕剛「BAY BRIDGE」

横浜中華街

せっかくの機会だからと超MMな港の見える丘公園、そして元町公園も歩き、足が棒になるころ中華街に入る。これが関帝廟かー。とにかく喉が渇いたので、適当な店で旨くもまずくもないラーメンとチャーハンのセット650円を平らげる。月餅を歩き食いしつつ実家用の土産に小籠包を購入、やっと電車に乗る。

♪赤い電車は歌い出す ファソラシドレミファソ〜 /くるり「赤い電車」

フリーきっぷの適用外だが横浜高速鉄道、京浜急行と乗り継いでみる。あれ、今時の快特ってVVVFドレミファインバータじゃないのか。今回の旅のメインイベントだったのに、少し残念だ。でもさすがに速い。

♪ぶぶぶ きっと飛べると思うんだ 跳ねた後ろ髪が羽田から /aiko「ジェット」

羽田空港国内線第2ターミナルビルの展望デッキに出てみると、ものの数分で松本飛行場一日分を越える離着陸があっちこっちそっちで行われている。恐ろしいとこだなぁ。話題の東京ゲートブリッジも遠望する。
ここからはフリーきっぷで東京モノレール、天王洲アイル乗り換えで東京臨海高速鉄道、新木場で京葉線・武蔵野線、新松戸で常磐線各駅停車を乗り継ぎ金町で下車。いつもなら実家まで歩くところをバスを使った。くたびれたー、もうだめだ。

2月19日()大会当日 「地震雷火事青梅路」
臨時快速青梅マラソン号

東京では今冬一番かという冷え込みの朝。昨日横浜をびっこ引きながら歩きまくった影響で一部の筋肉が張っているが、まぁ走れるだろう。葛飾の実家を発ち、御茶ノ水乗り換えで新宿へ。先発のホリデー快速等をやり過ごし、せっかくだから指定席を取っておいた快速青梅マラソン号を待って乗車する。特急用のE257系を使った臨時列車で、車内は当然ランナーだらけ。ノンストップを謳ってはいるが、運転停車が多く速いとは言えない。まぁ睡眠不足の解消には丁度良く、そのためのリクライニングシートである。河辺に終着すると、駅は先着列車の降車客をまだ捌ききれておらず凄い混雑。年配ランナーが一人、駅員にブチ切れていた。ああはなりたくない…。

やってきました市民マラソンの草分け、伝統の青梅路30km。歩きながらおにぎりを食い河辺小学校で受付を済ませ、荷物を置くならゴール前の総合体育館が有利だろうと思ってさらに移動する。しかし館内はあちこちの走友会に全て占有されており、諦めて外に出るしかなかった。チクショー、群れなきゃ何も出来ん連中め。ま、こうなる可能性はネット上の参戦記で読みかじっていたけど。貴重品だけ有料で預けて、荷物はそこらに放っぽるしかない。預かり所も受付数に限りがあるとかで、早めに済ませた。

青梅マラソンの朝 河辺付近

冷え込みは和らいできて、日なたに居れば松本人的にはもう余裕だな。ウェアは長野マラソンTシャツとサイクリング長袖ジャージを重ね着し、あとはハーフタイツ、滑り止め付き五本指ソックス、軍手、細ヘッドバンドとする。あとは軽くウォーミングアップしつつも、し過ぎる訳にはいかないのでひたすら暇。やがて小学生鼓笛隊のパレードが始まった。「残酷な天使のように〜」…どうせなら荒城の月やってくれた方がごっつ良かったのに。連中が通り過ぎた後にランナーの整列となる。自分のナンバーは2412で第11ブロック。白状すると少々欲張った申請タイム(ハーフベストからの換算値で2:01')で得たポジションだが、それでも150〜200mほど先頭からは離れている。さすがエントリー15960人の巨大イベントだ。整列は運悪くビルの日陰となり、スタートまでの15分間、相当寒い思いをすることになった。

11時30分号砲、は聞こえなかった。みんな戸惑いつつ遅れてウォッチを押し、やがてぞろぞろ動き出す。スターターの吉田沙保里ってどれだ? レスリングの格好をしてないのでよく分からなかった。ラインを跨ぐまで1分12秒。ここから目標の2時間7分30秒(4'15"/km;フルマラソンサブスリーペース)切りを目指すため、遅れを取り戻す旅が始まる。どいつもこいつものんびり走りやがって、サバ読み過ぎじゃないか? ウソ申請でも前の方に並んじゃった奴は序盤飛ばす義務があるだろー。2km過ぎて「帰ってこいよ〜」を大音量で流してるあたりからようやく邪魔が少なくなり、帰ってくるぞと勇ましくマイペースを作れるようになる。

これが青梅路の景色。街中を過ぎても応援が途切れず、右にはE233系電車が並走する。コースは高低差85.8m、積算すると180mほどあり、さすがにアップダウンが多い。登りは無理せず、だが意識的にピッチを上げて対応する作戦である。10km地点まで公式エイドがないのは厳しく、私設エイドで水を貰ってしのぐ。
8.5km付近で急に進路変更したランナーとぶつかり、ウォッチのSTOPを押してしまったようで2分くらい欠測した。正確な経過時間が分からなくなったが、かえって気にし過ぎることがなくなって良かったかも。ペースは体に聞け。「ちょっと呼吸、これでゴールまで持つかなぁ?」ってくらい。

右はNARIKIステージへ向かう坂、左は激坂の聖地である御岳山。いつか自転車で走ってみたい山々である。スタートの遅れは少しずつ取り戻しているようで、下り区間では4'00"/kmを切ることも。対向車線に折り返してきたランナーのトップとすれ違い、やがて数が増えてくる。奥多摩町に入りまた少々のアップダウン。

青梅マラソンマップ

折り返して中間地点の15kmを通過。ここから一応下り基調となるが、かすかに向い風っぽいし一人旅は避けよう。21km付近、参加者にとって最大の語り種となる「軍畑(いくさばた)の急坂」も作戦通り、ストライドを極端に狭めて急ピッチで駆け上がる。ここは確かに対応できる心臓が必要だろうね。21〜22km区間4'20"/kmなら上々のクリア。
間もなく残り7kmとなる。このペースを維持すれば楽々目標達成だろう…。そう油断したのも束の間、右腹の上あたりが痛んで苦しくなった。まさか、悩ましい持病である呼吸困難症の前兆か。周りに合わせてロングスパートを掛けたいが、落ち着いて走るしかない。それでもだんだん苦しさは増してくる。こりゃー、このペースでフルマラソンを走ろうってのはまだ無理だな。

ウェアは丁度良く、道中暑くも寒くもなかった。コースの距離表示は26km地点から「あと○km」という表記に変わる。前後のランナーはほぼ、自分と同じ二千番台ばかり。ずっと前に差を付けられた人に追いつくと嬉しいが、後ろからスパートで上がってきた人には付いて行けない。だんだん市街地に入り、ペースは上がらないが大崩れもなさそう。あとは他ランナーとの意地だが、肺下の痛みは引かない。スパートを掛けたいよう、掛けられないよう。ますます苦しい27km過ぎ。
あと1km。スタート地点の常設標識も過ぎ、あと500mくらい。とうとう肺が壊れ、息を半分しか吸い込めなくなる。でもペースは落とせない。こんな時に、見覚えのある逆三角形体格の人に抜かれる。いつもライバル視しつつ結局突き放されてしまうあの人か?(あとで人違いと判明)。今日も少しずつ離されかけ…、でも負けるもんか今度こそ!

フィニッシュゲート前

肺活が半分になった分、頻度を倍にしてラストスパート。河辺駅前を右折してフィニッシュゲートになだれ込む。ギリギリ差し返して30kmゴールイン! タイムも目標以内にまとまったようだ。呼吸が少し落ち着いてくると「気持ち良かった〜」と思わず言葉に出ちゃう。自分、きめぇ。
完走ストラップ、アクエリアスハンディパック、あきたこまちおにぎりを貰い荷物と合流する。結果速報は各自ケータイで見る方式で、グロス2時間06分12秒(4'12"/km)、ネット2:05'04"(4'10"/km)だった。2時間(4'00"/km)切りのようなインパクトもなく、ほぼ予定通りのタイムだったのは良いが、こんな華奢な肺で2ヶ月後の長野マラソンどーすんだ。課題は山積みである。

青梅マラソンスタート地点標識 その2

レース中は何とも無かった左足指付け根の痛みが今更再発して歩くのもつらいが、少し小走りしつつ若干の写真を撮り回る。さあボリュームゾーンが駅を埋め尽くしに来る前に、青梅の地を離脱しよう。まだ空いてる河辺駅から電車に乗り、拝島で乗り換えれば今回の旅のメインイベント、八高線乗車体験だ。東京では珍しい地方交通線、気動車だったら良かったのにフツーの電車だった。
八王子で下車し西放射線ユーロードを歩くこと1km、銭湯「福の湯」でリフレッシュする。服を全部着替えたし、これで特急に乗れるぞ。あとはスーパーあずさ23号で厳寒の松本へ帰る。不凍栓を操作しておいたが、洗濯機の水道がちょっとおかしくなっていた。30kmマラソン程度ならと明日は有給休暇を入れてないし、急いで日常を取り戻そう。

結果

30kmロードレース公式リザルト
グロスタイム(公式記録) 2時間06分16秒 (最速者1:33:26, 最終完走者4:00:00)
ネットタイム(参考実質記録) 2時間05分04秒 ※スタートラインからのタイム
男子高校生以上40歳未満 部門順位 273位 (/完走3656人/出走3917人中)
男子総合順位 438位 (/完走10530人/出走11078人中)
総合順位(女子含) 458位 (/完走12499人/出走13192人/申込15960人中)
天候:晴、北北東の風0.6m、気温6.5℃、湿度28%(正午時点)
※結果速報では441位(男子総合と思われる)だったが後に数名の失格者が出た模様。
※10kmの部5025人を含めエントリー20985人規模のマラソン大会だった。
完走証

雪で中止となった4年前のリベンジとして一度きりのつもりだったけど、7万7千人と伝わる沿道の応援は素晴らしいし、30kmという距離は気楽だし調整に良いし、何しろ楽しかった。また、来たいなぁ。
今回はより長距離の長野をシミュレートするためにわざと前日歩き回るなどして条件を悪くしたが、絶好の体調がそれを跳ね返してしまった。これから体を絞りつつ肺を労り、体調を維持してフルマラソンのサブスリー復帰を目指そう。

4月上旬に「大会記録集」という立派な冊子と完走証が送付され、青梅マラソンの余韻も終了。


リンク

marathon-photosによる写真
青梅マラソン公式サイト
大会概要や記録、写真など。
スポーツエントリー
イベント情報、エントリーサイト。
marathon-photos.com
スポーツ写真サイト。(右のサンプル写真)

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