大町市運動公園陸上競技場

日本の屋根を走ろう!

第28回 大町アルプスマラソン フルの部 参戦記

2011年10月16日

日記

10月16日()大会当日 「走らなかった距離も裏切らない」

雨上がり独特の、奥行きある雲が晴れゆく朝。いつも通りの食事を済ませ、松本からJR大糸線に乗る。115系3両編成は座席に余裕があって良い。新聞を読み広げ、途中でおにぎり2個を追加食い。やや寝不足だが何とかなるだろう。

信濃大町で降り、シャトルマイクロバスで運動公園入り。受付を済ませてシューズ安売りの出店を覗く。アディダスの26.5cmなら何でもいいから、と思って掴んだのが柔らかめのアディゼロCS7だった。ここ半年は硬めのMANA5一足だったし劣化してきているから、これで今後のジョギングに幅が出るはず。

大町マラソンの朝

今日はその使い古しMANA5を決戦用に持ってきている。自転車用レーシャツにゼッケンを付けて着替えている時から「今日は暑い」と感じた。暑さにやられた先月の八ヶ岳縄文ハーフを思い出して不安になる。それにしてもスタートまで時間が少なく、慌ただしい。あとで調べたら以前より時間が早まっていた。ともかくウォーミングアップは荷物預かり所との往復だけで、アミノバイタルスーパースポーツを飲んで8時50分の号砲を迎える。

2年前にこの大会のハーフで出た時は、スタートから先頭を追って常に順位を把握しつつの展開だった。でもここのフルは5年振りで、中団からゆっくり動き出す。ぬかるみ残る競技場の砂がシューズに入ってきて困るが、やはり声援を受けながら走り始めるのは、大会でしか得られない喜びだ。運動公園を出ても、まだちょっと渋滞につかまりつつ走る。何しろフルマラソン自体1年半ぶりで、感覚がつかめない。前半はゆっくり行こう。アルプスに掛かっていた雲は常念山脈から後立山連峰までだいぶスッキリ晴れてきた。

大町フルマップ

前半はゆっくり行こう。そう心に決めていたはずなのに、体は言うことを聞かなかった。つい前方の人を風除けにしようと頑張って追いかけて、勢い余って追い越す。8kmまでの下り坂をまさかのサブスリーペース(4'15"/km前後)でかっ飛ばした。折り返し地点でざっと順位を数えてみると総合103位くらい。登り坂になっていったん力を緩めたところで「むらよしさん!」と後ろから声が掛かる。ジョグノート仲間のuさんだ。ここで追いついてくるってすごくね? 私も脚が温まってきているので「まだまだ余裕」と4'40"/km前後のハイペースを続行する。そろそろキロ5分近くに落ちてきたかな、ってところでuさんに前を引いてもらい、まだまだ元気。記録への欲が出ていた。ふと上を見上げると、仏崎観音の建物が崖の上にある。いずれ訪れてみたい。

ハーフマラソンの折り返し地点を過ぎると、いよいよ5年振りに走る懐かしのコースとなる。坂は急になってくるが、脚はまだ調子に乗っている。登り切ると中間地点の原汲橋(げんゆばし)、1時間36分余。先月のハーフのリザルトと大して変わらないタイムでの通過となった。ここらへんのおばちゃん達の応援が特に良い。下り坂は向い風に一人旅となり、思ったほどペースアップできないがまぁいいや。パワーバージェルでエネルギーを補給しておく。

しかしコース唯一の平坦地帯に入ってから、パワーダウンが始まった。「ジェイソンさん」が彫ったと思われる「みずほ像」を右手に見て木崎湖畔を折り返す。ざっと82位で、そろそろ失速ランナーも増えてくるしさらに順位を上げて行きたいが、後ろも気になる。エイドのりんごを1個つまみ、30kmから登りに入る。

・・・この「壁」に耐える練習を全くやっていなかった。失速してキロ5分を越えるようになり、2つ目のパワーバージェルを入れるが改善せず。暑さに汗をかいて塩を吹いているから、エイドに塩があると良かったなぁ。一度は突き放したはずのuさんに結構なスピード差で抜かれ、他の選手にもがんがん抜かれているのだから、明らかに自分のペースがおかしい。キロ6分もオーバーするようになった。一週間前に「3:18台で完走する」という夢を見たのだが、その夢が遠のいてゆく。

原汲橋でまたおばちゃん達に励まされ、さあここからの下りで逆襲だっ! その時電流走る。・・・あ、脚が攣りそう。給水所でこまめにポカリを飲んでいた筈だが、この暑さで失われた塩分を補充するには不十分だったか。それ以前に、ただの練習不足だろ。しかも減量に失敗し、昨夜の計測で体脂肪率20.3%とマラソンを走る体ではなかった。その負担に脚が耐え切れなかった。時々道脇にストップして身悶えしている人を見掛けるが、自分もそうなる寸前。ペースも順位も大きく落ちるが、安全に完走することに専念するしかない残り7km。力は余っていると思うのだけど。

残り3kmでもうダメかと思ったが、キロ6分ペースで何とか持ちこたえている。目標を大幅に下方修正し、3:30'切りなら何とかなるかも。仏崎観音を過ぎてちょっとだけど恐怖の登り返しがある。これをクリアすると、運動公園の森が見えてきた。このつらい状況においても、自分はマラソンを楽しめているか。ラスト2kmの雰囲気。スパートでどんどん抜いて行く人達が羨ましい、悔しい。これも経験のうち。自分はスパートとか無理だけど、何とか完走だけはしたい。コースの曲がり角さえ怖い。でもまぁ、声援を受けて帰ってきた。

爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳

やっとゴールできた。それだけ。フィニッシュしたから脚を攣っても良いってわけじゃなく、しばらくは慎重に動く。座るのも恐る恐るで、それもじっとし過ぎない。さっさと記録証を貰おう。「3時間29分12秒」ああ、これがフルマラソンの洗礼ってやつなんだなぁ。自分の三大失速レースの枠が全て埋まった。何じゃそりゃ。

完走者はスポーツドリンクのペットボトルを貰えるが、それを飲むのは後回し。レース直後で食欲が無いながらも、食べ放題のリンゴやお漬物をいっぱい頂く。クエン酸やら何やら大事だもんね。あと蕎麦や冷奴のサービスもあって、ラン後の肥立ちはバッチリだ。お陰で回復早々とまともに歩けるようになった。もう一度リンゴやお漬物を食べに行き、追加で豚汁も頂く。朝方は見えなかった鹿島槍ヶ岳も晴れて、すっかり暑い。レース中の10時で20.5度あったとか。

コース終盤

会場の仕切りロープには地元小学生が描いたアルプスの絵がたくさん掛かっていて、大町らしさを演出している。一回りを終えて離れ、シャトルバスで駅へ。帰りの電車に揺られているうち眠ってしまった。クルマで来てたら事故ってたな。いつの間に127系2両編成は登山客や観光客で混雑していた。今年はNHK朝ドラ「おひさま」の舞台として大勢が訪れている大町・安曇野である。

これで今年のレース予定は全て終了したが、去年同様に低調な結果が多かった。来年4月の長野マラソンでサブスリー復帰、という計画は黄信号。その前に入れた2月の青梅マラソン(30km)で、何とか上昇のキッカケを掴めるだろうか。

結果

フルマラソンの部 公式リザルト
グロスタイム(公式記録) 3時間29分12秒 (最速者2:42:08, 最終完走者5:59:29)
ネットタイム(参考実質記録) 計測なし ※グロスとの差は15秒程度
一般男子(49歳以下)順位 88位 (/完走607名/申込747名中)
総合順位(女性・壮年含む) 117位 (/完走1065名/申込1334名中)
※ハーフ、10km、5km、3km、3kmペアの部を含め参加登録3241名のマラソン大会だった。

リンク

大町アルプスマラソン公式ページ
大会概要やコース紹介、宿泊案内など。
RUNNET
各マラソン大会のエントリーや速報など。

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