インテックス大阪

OSAKA MARATHON 2014

第4回 大阪マラソン 参戦記

2014年10月26日

経緯

東京マラソンをモデルとして、2011年に創設された大阪マラソン。フルの部に三万人という規模も東京に次ぐレベルで、参加抽選は5倍という人気っぷり。まず通らないだろうとダメ元で申し込んでみたら、個人的に「好運の2014年」としている今年を象徴するが如く、当選してしまった。春に長野マラソンを走っており、年に2回もフルマラソンを走るのは6年ぶりとなる。

サブスリー(2:56')だった長野の記録を受けて、申込時の予想タイムは強気に2:55'とした。与えられたゼッケンはA10256、つまり先頭ブロック。ところがこの秋「十分なトレーニングを云々」という参加誓約書に反するくらい、ろくに練習していない(9月が40km、10月が100km程度)。ちょっと申し訳ない気持ちだ。しかも9月の赤城山ヒルクライムで肺を痛めているから、無理はできないだろう。体重61.9kg、体脂肪率18.5%と、もはやランナー体型ではない?

受付会場のインテックス大阪

大会前日の10月25日。これも人気沸騰、長野マラソンのネット申込は先着順で、28分で締め切られた。無事に参加を確定させてから、特急しなのと新幹線ひかりで大阪へ向かう。梅田で二人の姪用に土産を買い、地下鉄御堂筋線と中央線で湾岸エリアへ。駅のポスターや車内アナウンスも大阪マラソンを宣伝していて、機運が高まる。終点のコスモスクエア駅から歩いて受付会場のインテックス大阪に到着。ああ、遠かった…。

インデックスじゃなくてインテックスね。早い話が東京ビッグサイトや幕張メッセみたいな建物。受付は身分証明証の提示が求められるなど、妙に厳重だ。つまり代理受付は不可能。またナンバーカード引換証を自分で印刷して持ち込む必要がある。参加案内も自分で印刷して持ってった方が良いだろう。事前の郵送物なんて無いのだ。参加賞Tシャツは赤と黒のデザインでカッコ良さげ。タイム計測チップは持ち帰りOKとな。出店ブース「大阪マラソンEXPO2014」はVAAMなど「並ぶと貰えるもの」が多くて、ついつい時間がかかる。

他に観光する時間はなくなり、まっすぐ大阪南部の古市へ。姉の家に泊まる。明日姪たちを伴って沿道に応援に来てくれるようだが「人が多すぎて、まず互いを見つけるのは無理だからね」と伝えておく。

日記

10月26日()大会当日 「走るも走らぬも 大阪の路」
大阪城公園森ノ宮口

二上山に朝日が昇る少し前、近鉄南大阪線に乗ると他のランナーもちらほら。あべの橋・天王寺駅で環状線に乗り換えてもさほどの混雑はなく、森ノ宮駅で下車する。向こうに大阪城天守閣の姿。やってきたー。これから初めてこの街を走れると思うとワクワクする。ウォーミングアップがてら公園内をウロウロすると、堀と高層ビルが青空に映える。気温は既に20度近く、信州人には辛い暑さ。トイレに行きたくなる不安が少ないのは良いが、こまめに給水を取らないとヤバそうだ。

余談だが大阪環状線は一周21.7km、東京の山手線は34.5kmである。

東外濠とクリスタルタワー

荷物預けは大阪城公園の東端で、スタート地点は西端。A〜Dブロックの人は南側から、E〜Qブロックの人は北側から回るのだが、これがかなり歩く。途中でトイレに寄りつつ(大の方は絶望的な行列)、案内書通り25分かかった。これが大規模マラソンの弊害か。いやはや松本城公園とは勝手が違う。ボトルネックのゼッケン確認ゲートを通過してAエリアに行くと、仮装ランナーが後方隅にまとめられてたりする。日陰で座ってるランナーが多いが、そのうち前に詰めるよう促される。20分前にブロック締め切り。時々大阪府庁側で歓声が上がっているのは、有名人が通るかららしい。谷川真理だけ確認できた。5分前、車いすマラソン21名がスタートしていく。

9時00分、フルマラソン29,921名とチャレンジラン(8.8km)2,039名がスタート。号砲は2秒くらい遅れたような。さすがのAブロック、30秒でラインを通過。道が広いのですぐにマイペースに持っていける。1km地点ラップ4'45"、悪くない。下り坂もあって2km地点ラップ4'15"、おいおい。その後も4'20"ペースが続く。「速く走れなくても後方のランナーに迷惑を掛けないよう、せめて序盤だけは流れに乗ろう」と考えていたのに、むしろ順位が上がっていく一方、まぁいいや。

大阪マラソン2014マップ

これが大阪、大都市の街並みだ。しっかり目に焼き付けて走ろう。やたら小渕健太郎と書かれたノボリが目につくけど、大会テーマソング“42.195km”を作ったコブクロの人だと後で知る。追い付かれたら大変だ? 玉造筋を鶴橋で右折、上本町の近鉄百貨店、大きくはない。難波が近づくと、姉たちがそろそろ沿道に居るのではないかと目を皿にして探す。だめだ、人が多すぎて集中力が持たない。コースは難波交差点を右折して御堂筋を北上していく。普段交通量が多いこの大動脈を、今日は3万人のランナーが占有する。実現には大変な苦労があったことだろう。黒塗りの高級車が交通整理員を恫喝するようなシーンが目に浮かぶ。

淀屋橋を右折するとチューバの奏でるヒッティングマーチが、うるさくないのに届くから心地よい。折り返しのトップランナーと行き交えなかったのは残念だが、肉食女子と書かれたシャツに追い付いたのが嬉しくて、つい力が掛かる。14kmラップ4'07"、ちっとも自重してない。自重しろ。いっそ今からサブスリーを目指す?なんてね。大阪市役所前から御堂筋を南下。心斎橋のアップルストアや道頓堀の新グリコネオンを確認。

ふたたび目を皿にしつつ難波交差点を右折して、わずかに潮風を感じつつ西へ、京セラドーム前まで行って戻ってくる。この辺の景色も目に焼き付けよう。中間点付近からやはりペースは鈍り、4'30"/kmを超えるようになる。でも半分を過ぎると「完走はできる」という安心感が生まれる。みたび難波交差点を右折して、23kmエイドからは給食がある。バナナをゲットしたら手がベトベトになったのでコップ水で洗う。各エイドは後で水不足で大変だったらしい、すまない。今日は暑いのだ。恵美須で折り返しがあるコース、通天閣は見逃してしまった。「ウチら4年連続落選やー、走れる人がうらやましいで」というボードはこの辺だったか。

芦原橋駅を右に見て環状線内を南へ脱出すると、そこは西成区。大阪人情の核心地で、スウェットスーツな観客たちとの距離感がグッと縮まる感じ。「走ってるあんちゃんらも苦しいけど、応援してるウチらも苦しいんやで〜」といった大阪ならではの声援が嬉しい。コースはぐんぐん南下、ペースは5'/kmに近付いていく。まだ順位は下げてないようだが…。

住之江公園前にて3DS撮影

32.5km地点は大給食「まいどエイド」。干し梅と饅頭を頂き、水かと思って取った紙コップにはパイナップルが! 他にわらび餅とか飴ちゃんとあったかな。さらにタコ焼きまであるのは大阪マラソンだけだろう。直後、住之江公園駅付近でもうだいぶ意識朦朧としつつふと沿道を見ると、あ!姉たち、ここに来ていたのか! もし会えたら二人の姪の名前を呼ぼうと思っていた。それが実現できたのは好運の限り。3DSで写真も撮ってくれたようだ。

右折して西へ、海へ向かう道。南港ポートタウン線の高架が日陰を作るからマシだけど、やはり暑くて、脚をつってストップしている人が多数いる。脱水症サバイバルレースの様相だ。私のペースも5'/kmを切れなくなり、抜かれる一方。ここまで良く引っ張ったよ。あとは肺の保全が第一、安全に安全に…。終盤の難関、南港大橋の登り坂はスピーカーから大会テーマソングが流されている。ここは頑張る。

もはや力尽きた40km地点。この辺は人家がないから、一番苦しいところなのに沿道の声援が無い。せめて3:15'でゴールしたいという思い虚しく、6'/km近いペースではバニーガールに抜かれ、3:15'ペースランナーにも抜かれ。ペースが落ちれば落ちるほどゴールが遠くなる。ペース配分的には大失敗だけど「肺への負担を一定に保つ」という意味では想定通りのレース運びだった、つもり。ラストはまた声援も増えて、気持ちスパートしつつフィニッシュ。振り返って一礼する。大阪の街を走ることは楽しかったのだ。タイムは3時間17分00秒…やっぱり悔しいなぁ。

うまいもん市場

ゴール後にやたら歩く距離が長いのも大規模マラソンの欠点。ここで倒れる人もいる。スポドリを貰い、完走メダルを掛けてもらい、パンやバナナも頂く。エアーサロンパスコーナーがあって一回分貰えてすぐ使えるのは有り難い。ああ、手荷物が遠い。ようやく手にしてケータイをONすると姉たちがこっちに来ているようだ。終盤の失速で待たせちゃったな。落ち合って「うまいもん市場」で太閤ラーメンやコーヒーソフトクリーム等を食べる。ボリュームゾーンでフィニッシュすると、ベンチは既に埋まり座れる場所が無いのが辛い。もう少し頑張れ、俺。

フィニッシュ

間もなくスタートから5時間。制限時間は7時間だからまだまだゴールするランナーはいるけど、会場を離れよう。コスモスクエア駅までの歩きがまた堪える。電車を乗り継ぎ、姉の家でもう一泊。夜は雷雨になるし、今日は夏だった。

月曜は有休。のんびり近鉄線の急行を乗り継いで名古屋へ、味噌カツカレーを食べてから高速バスに乗り換えて松本に帰る。今年はもう何もない。やる気になったら長野マラソンに向けた練習を始めるだろう。来年以降の大阪マラソンも、運試しに申し込みしてみようか。いつかまた。

記録証は後日郵送されてきた。

結果

記録証
公式リザルト
記録 3時間17分00秒 (最速者2:11:43)
ネットタイム 3時間16分29秒 ※スタートラインからの計測参考記録
男子順位 786位 (/完走21423名中)
男女総合順位 840位 (/完走28067名/出走29921名/当選31831名中)
※人数は大会プログラムや大会結果ページのデータから、順位に関係しないゲスト4名を減算。
ゲスト含め他に車いすマラソンやチャレンジランでエントリー34119名。

リンク

にっこにっこにー
大阪マラソン公式ページ
ランナー、ボランティア、チャリティ、応援、イベント各立場向けに分けるページ構成。
オールスポーツコミュニティ
スポーツ写真サイト。(右のサンプル写真)

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