からつバーガー

自転車キャンプツーリング記

灼熱の九州再び。佐賀と長崎と台風と霧島

2019年8月11〜17日

日記

8/11() サイクルイン鳥
博多駅

お盆休みに青春18きっぷ輪行で、松本からひたすら西へ向かう。ネット・クラウドではなくその土地土地からの情報を五感で最大限に吸収するべく、「旅情台無しアイテム」スマホは持たない・・・のが恒例だったが、今回は実家の事情により止むを得ず所持する。折しも大型の台風10号が西日本に接近中で、九州直撃の可能性もあるようだ。スマホの使用は原則として、気象情報と交通情報を取得するにとどめよう。

という訳で車内でウトウトしたり、文庫版の宮沢賢治詩集を読んだり。イミワカンナイけど読み易い文体な気がするし、当時の宇宙観が伝わってくる。現代とたいして変わらんね。岡山駅からは乗車券と特急券をポンして山陽新幹線でスピードアップだ(どうせ名古屋からここまでの新幹線は激混みで輪行が困難)。福岡県に入り、夕暮れの博多駅に到着。ここまでずっと冷房の効いた車内に居たから、駅前で自転車を組み立てているだけで、頭皮の全汗腺から一気にお湯が噴き出すような蒸し暑さ。とにかく西へサイクリングスタート!

ドライブイン鳥

「もうここが日本の首都でいいんじゃね?」と思わせるほどの大都会を抜けるあたりに、室見駅や室見川がある。「波打際のむろみさん」の聖地かな。糸島市に入り、ドライブイン鳥(とり)糸島店で夕食。11組待ちだがゾンビランドサガのコミカライズ版が置いてあって、読んでいるうちに順番が回って来る。「やき鳥一番 鳥めし二番♪」のCMソング通りに楽しめる一番定食をオーダー。鶏肉がクリスピーに焼けて旨い。鳥めしとスープも味わい深い。また食べたいね。

そう、こんな夏の盛りに二年連続で九州へ来たのはゾンビランドサガの聖地だから。本日28km走り、公園でゲリラキャンプ。暑いのは仕方がない。

8/12(月) 唐津から嬉野うれし
博多〜唐津〜嬉野温泉map 鏡山から唐津市街地方面

コンビニで朝食を済ませ、玄界灘沿いを西へ。いよいよ佐賀県に突入する。唐津市、虹の松原…ここで一ヶ月くらいキャンプしたい。一旦南へ折れて、鏡山ヒルクライム開始。16のカーブを数えて、標高280mほどの山頂公園に到達。青い海と空、緑の松原…最高の景観だ! あやしい土産屋のニッキ水を飲んだり、ひれふり展望台にも寄ったりしてから松原に戻ると、からつバーガーの販売車がもう営業を開始している。ちょっと早めの昼食にしよう。

唐津市歴史民俗資料館

アルピノにはコスプレの巡礼者がいる。アニメグッズ豊富な売店でブラックモンブランのアイスを頬張る。駅前、小公園、砂浜、そしてあの洋館・・・ゾンビランドサガの主要な聖地を周る。無料のプラネタリウムがある少年科学館は休館日で残念。もう正午を回ったので次へ進もう。さらに西へ名護屋城なども気になるが、佐賀ばかり走る計画じゃない。南の伊万里へ急行する。いや、暑いのでドリンク自販機で休み休みだけど。追い風は有り難いが額の汗が引かぬ。

嬉野温泉シーボルトの湯

ドライブイン鳥の本店でちゃんぽんを食う目論みだったが、やはり混んでそうだし、まだお腹いっぱいなのでスルー。伊万里駅はJRとMR(松浦鉄道)で分かれている駅の構造が面白い。プラットホームの舗装を良く見ると焼き物の破片が混ざってたりとかね。食器等は展示を見るのが精一杯だわ。あと橋の欄干とか、それぞれ焼き物で趣向を凝らしている。道の駅山内で生姜ソフトクリームを食べ、さらに南へ。

本日107km走り、やって来ました嬉野温泉。ここもゾンビランドサガの主要な聖地で、スタンプラリーが捗る。シーボルトの湯にも建物内にキャラのポップがあって嬉しいの。入浴後は歩いて街を周る。うう、まだ暑い。また適当な公園でゲリラキャンプだが今夜はちゃんと飯を炊き、麻婆ソーセージを作ってかっ込む。さて天気予報を確認、明日までは大丈夫そう。

唐津アルピノ ドライブイン鳥 伊万里本店 ゲリラキャンプ
8/13(火) 野母まで走れば大丈夫
嬉野温泉〜大村〜野母崎map

キャンプ地から無事撤収し、嬉野温泉の街外れにある轟の滝公園を散策。朝日が昇る〜私は旅する〜♪

大村公園、玖島城跡

さよなら、佐賀。国道のラブホ峠を越えて長崎県に入り、新幹線の建設現場を横目にしつつ大村湾沿いを南下する。せっかくだから大村公園を散策しよう。玖島城跡の石垣や櫓が立派だし、長崎空港に着陸する飛行機が間近だ。県道37号はツーリングマップルに「のどかな田舎道」と書いてあるが、交通量は多いしアップダウンも。諫早ICを経て東長崎ジャスコで早めの昼食とする。建物の中は涼しいなあ。

ここから長崎半島の東側を野母崎(のもざき)に向かって南下。海の向こうに島原半島や天草諸島を望む風光明媚な道だが、海岸沿いに良くあるアップダウンの激しさにたじたじ。休んでいると茨城県から帰省中と言うロード乗りが抜いていく。追い風なのは救いだが、それにしても暑い(この日、長崎市で今夏最高37.3℃を記録したらしい)。早め早めに自販機でスポドリを補充しながら進む。あまり人工甘味料入りばかりにならないように、銘柄に気を付ける。

樺島、地下ダム

謎のサイクリングロード終点、そして風力発電所の丘を越えて、脇岬の集落に到着。時間はあるし、長崎県最南端の樺島に渡ろう。大うなぎ井戸を見て、旧小学校脇の狭い激坂をひいこら登り、もうひと頑張りで白亜の樺島灯台。ひたすら海や島々のパノラマ! 振り返ると「地下ダム」という地形が見おろせる。すごく気になるけど、あそこまで下りるには飲料水が足りない。身体が脱水すれすれなんだ。

脇岬に戻り、本日最後のヒルクライムは野母崎権現山200mアップ。駐車場に到着すると「手のひらの力であらゆる病気を治します」と言う人が近づいてくる。丁重にお断りすると、以降誰もいなくなった。展望台からはあまりにも有名な軍艦島(端島)が間近。ケムリクサの聖地だ。エンジンを点ければ今にも微速前進しそうな艦容だが、今は廃墟でしかない。アスベスト云々で今は上陸ツアーも無いと聞く。遥か西には五島列島がうっすら並ぶ。いつか、あの島々を冒険するんだ。

軍艦島こと端島

海岸に下りて、アレガ軍艦島という温泉施設に入る。アレガって何だろう、星の名前?…浴室から「あれが軍艦島だ!」と叫ぶこと請け合い、程度の意味だろう。山の上から見るより、水平レベルからの方が何故か感動するな。黄色で濃厚な炭酸温泉は、他では得られない触感がある。

夕景のなか、水仙公園の陰でキャンプ。夜になるとちょっと雲が出て星が見にくいが、デネブアルタイルベガ…夏の大三角くらいは判る。本日走行123km、細かいアップダウンを積算すると1600mUPくらい。暑さと装備にしてはいっぱい走った。ほぼインターネットを封止しているので、時間の流れが太くなってきた。問題は明日、いよいよ台風が接近している。帰りのフェリー運航も怪しい・・・。

長崎新幹線工事現場 島原半島、雲仙岳 野母崎権現山より、左に軍艦島、右奥に長崎市街
8/14(水) プラネタリウムの中心でブヒィと叫べなかったけもの
長崎駅からシーサイドライナー

急ぎ朝食を済ませテントを撤収する未明、ペルセウス座からひとつふたつと流星が落ちる。左手の暗闇に浮かぶ軍艦島からは3秒ごとに閃光が届く。北へ急行し、明るくなってきたが路面電車がまだ動き出す前、長崎駅に到着。すぐに輪行し、7時くらいの列車に間に合わせる。これで良かったのか長崎市・・・まぁ主要な観光地は修学旅行で回ったはず。ほとんど覚えてないけど。

サイドバッグに黒森峰女学園のワッペンを付けあるし、その本拠地である熊本県を重戦車でパンツァーフォーしたかった。そう、予定では肥後大津で輪行を解き、阿蘇外輪山を越えて宮崎へ向かうつもりだった。だが大型で足の遅い台風10号がいよいよ豊後水道を伺う針路で、九州の東半分は大雨の予報が出ている。どやんすどやんす? 西半分はまだそこまで荒れないようなので、とりあえずもう一日こっちを走ろう。

佐賀県立宇宙科学館

佐賀県の巡礼は昨日の朝までに終えたはずだが、一つだけ心残りがあった。武雄市のプラネタリウムに行きたい。という訳で記念すべき大村線初乗車で早岐駅まで移動し、そこからサイクリング再開。国道35号は交通量が多すぎるので県道1号で東へ向かう。途中の波佐見という町も焼き物の里なのね。ちょっとゆっくり資料館を見ていこう。こうしてまた佐賀県に突入する。

まるで日曜の朝8時半のようなワクワク気分で、やってきました佐賀県立宇宙科学館。チケット販売にかなり並んでいるが、プラネタリウム12時30分の回まであと1時間以上あるし大丈夫だろ…と油断したのも束の間、自分の数組前で売り切れてしまった。呆然として外へ出る。12時30分の回「月、その先の宇宙へ」は ココ でしか観られないオリジナル番組だったのに。今をときめく人気声優、小原好美さんのナレーションだったのに。「天にあまねくぅミルキーウェイ!」とか言ってくれる訳じゃないと思うけど。

武雄温泉 TKB AWARDS

ついてない。がっかりするあまり、ここまでの疲れがどっと体じゅうを包む。いや、プラネタリウムに人気があるのは良いことだけど。ともかく暑いから武雄市図書館に避難しよう。ツタヤCCCによる運用が悪い意味で有名だが、確かに“映える”施設で、観光地としては成功しているんじゃないだろうか。武雄温泉の元湯は入ったことがあるので、今回は蓬莱湯に入浴。日焼けした肌にかなり熱い。昼食はTKB AWARDSの武雄バーガー。旨い、絶対に旨い。少し元気を取り戻した。

雨が降りだしたので合羽を来て東へスタート。と思ったらパンクした。ついてない。タイヤに焼き物の欠片が刺さっているのは、さすが焼き物の里と感心。チューブ交換をしてリスタートすると、この旅で初めて(唯一)自転車旅行者とすれ違う。向こうは合羽も着ないで頑張っている。佐賀市に入り、バルーンさが駅や神野公園、GAILSなどゾンビランドサガの聖地を縫うような経路で中心市街地に到着。本日走行110km、雨は一旦止む。

キャンプ地探しを兼ねて佐賀城跡や656(ムツゴロウ)広場なども巡礼。トイレを借りるだけのつもりで県立図書館に寄ると「SAGA×SEGA」と銘打った展示がある。熱心な職員が収集したのだろうか、古いゲームハードやソフト群が懐かしい。

ゾンビナイトサガ

唐津駅で拾ったビラのひとつに「ゾンビナイトサガ」という美しいフライヤーがあった。何だろう、これ。佐賀県庁の展望ホールでで何かやってるらしい。という訳で暗くなってから県庁へ。入口に何の案内表示もないから本当にここでやるのか警備員に聞いてしまうほどだったが、エレベーターで11階に上がると・・・。何か、何か凄い!(語彙力)。佐賀市の控えめな夜景をバックに、プロジェクションマッピングが映し出される。窓をさすって応援するとキャラが変身するコーナーでは、ちびっ子の人気がリリィに集中している。わかってるな。またいくつかの劇中歌に合わせてPVを映し出すコーナーでは、今日まで駆けずり回った各聖地の風景も出てきて、泣きそうになる。サガって、すごい。本当に来て良かった。もう一回観たいなぁ。

激混みを予想していたが台風接近の折、客は少なかった。近くに風雨をしのげる公園を見つけたので、そこでゲリラキャンプ。

武雄市図書館 撮影可ポイント 佐賀県立図書館 SAGA×SEGA ゾンビナイトサガその2
野母崎〜長崎、早岐〜武雄温泉〜佐賀map
8/15(木) ゾンビランド西郷
九州新幹線で台風回避map

テントを撤収し、大雨が降り出すなか佐賀駅に駆け込んで輪行袋にチャリを収める。さて台風10号が豊後水道を北上中で、宮崎方面のJRは計画運休が決まっている。明日はフェリーの予約を取ってあるので、夕方までに宮崎港に着かなければならない。このアプローチをどやんすどやんす? ミスタードーナツでカフェオレを飲みながら作戦を練る。こんなことも旅の楽しみのうち。肥薩線に乗って人吉か、欲を言えば吉松まで行きたいが、いつ運行を再開するか判らない。

とりあえず土産の小城羊羹を買って、青春18きっぷで鳥栖を経由し鹿児島本線で八代へ向かう。逐一気象情報や運行情報をチェックするが、肥薩線方面は土砂降りの予報が続き望みが薄い。うーん・・・

八代のひとつ手前、新八代で慌てて下車し、思い切って九州新幹線に乗り換える。各駅停車タイプのみの間引き運行で、がらがらだ。ちょっとお金が掛かるけど一度乗ってみたかったので、夢が叶った。それに錦江湾沿岸は予報が好転しつつある。鹿児島からの宮崎アプローチという決断を下した。

景色はトンネルばかり。終点の鹿児島中央駅で下車し、昼食は駅ビルのリンガーハット。鹿児島に来てそれはないだろうと思いつつ、昨日までの道沿いにいっぱいあったのでもう気になって気になって。麺2倍サービスは嬉しいが、旨くも不味くもないわ(知ってた)。日豊本線が復旧すれば隼人まで乗って、チャリでえびのまで走って駅寝だなと思ったがまだ運休中。仕方なく輪行を解き、ここから走り出す。去年も走ったこの街、まさかまた来るとはね。

鹿児島神宮 天井画

雨はまだ降ったり止んだりで、桜島山は見えない。国道10号は自転車で走るには苦しいトラック街道で、雨宿りを兼ねて重富駅で休憩。あ、列車が運行再開してやがる。霧島市に入り隼人駅でも休憩する。大隅国一ノ宮・鹿児島神宮をお参りすると、天井の植物画が素敵。帰宅までの交通安全をよろしくお願いします。本日走行46km。

日当山温泉(ひなたやまおんせん)は大きなホテルもない小規模な温泉街、のように見えて家族湯がやたらと多い。そういう文化なのだろう。「西郷どんの湯」(せごどんのゆ)という温泉銭湯に入浴し、無人の日当山駅で駅寝とする。待合室も無いがホームの屋根と壁がしっかりしていて、バッチリ風雨をしのげる。しかも肥薩線の吉松以南は終日運休が決まっているので、終電を待たずに寝られるのだ、ラッキー。さすがに火気はよろしくないので食事は近くのスーパーで買い食い。

日当山温泉 西郷どんの湯

けっこう夜まで飛行機がごうごうと上空を通過する。駅寝とは言えやっぱり狭い所じゃないと落ち着かないのでテントを張る。もちろん明日は始発前にずらかって、都城経由の宮崎かな。ここ数日運休しているフェリーは大丈夫なんだろうな?

8/16(金) 霧島バードラインにナイスバード
鹿児島〜日当山温泉〜霧島神宮〜宮崎map 霧島神宮

比較的涼しくて、ようやく良く眠れた。最後のゲリラキャンプ地からも無事逃走して、宮崎へ向かう。普通に都城経由でと考えていたが、地図をよく読むと霧島バードライン経由の方が山岳気分が味わえて面白そう。錦江湾と別れて北へ向かい、神社のような霧島神宮駅を経て標高450mの霧島神宮に登り着く。まだ参拝客が少ない時間帯、立体的に構える朱塗りの社殿がカッコいい。

妙に暗くなったと思ったら土砂降りに。雨装備に換装しているうちに小降りとなり、霧島バードラインのアップダウンを東へ進む。鹿児島県から宮崎県に入り、日が差してきて水蒸気が上がる森の道。こんな美しい光景の中をツーリングしているんだ。

御池から高千穂峰

火口湖の御池(みいけ)湖畔に下り一休み。店は潰れてるし観光客の姿も無いが、晴天に高千穂峰など霧島連山の素晴らしい風景。これで「山も走ってきたよ」と胸を張って言える。天の逆鉾までは・・・見えないか。使われていないボート群や捨て猫たち、さようなら。

下り基調で高原(たかばる)を経由し、台風を追うような風も味方して早々に国道268号に合流。交通量が多いトラック街道で、強引に抜いていく車、よく事故らないものだ。国道10号に合流するとますます増える。蜂兵衛館のはちみつソフトクリームで一休み。いよいよ大都会宮崎の市街地に突入し、本日の走行97kmのうちほとんどを午前中に終えた。

宮崎科学技術館

昨夜は炊事をしなかったので、米が余っている。公園で釜飯の素を混ぜて炊き、半分を昼食に、もう半分をコッヘル弁当にする。プラネタリウムの前にどうしても風呂に入りたく、ここは意地を張らずスマホで検索。百百の湯(もものゆ)という福祉施設がやっている温泉を見つけてサッパリしてから、宮崎科学技術館へ。以前鉄道旅行で通りかかった際に車窓からドームが見えて気になっていたんだ。展示はよくある科学館だがアポロ月着陸船の実物大模型は凄い。1時間ほど潰し、プラネタリウム15時30分の回が始まる。

完成当時はギネス記録だったという直径27mドームは今でも最大級といえる広さで、投影機スーパーヘリオス君の描写力も負けていない。生解説も聞きやすく、客のノリも良い。ただ後半の配信番組「宇宙への第一歩」はクソつまんなくて途中から寝てしまった。

港には宮崎カーフェリー「こうべエキスプレス」が付けている。わぁ、大きなお船。お盆期間は書き入れ時なのに台風接近に伴う航路変更、そして昨日までの3日間は運休と散々だったようだ。今日から通常通りの運航が再開され、個人的には助かる…。自転車の航送料金が意外と高額なので、輪行して乗り込む。申し訳ないが4,200円差はデカい。ただし雑魚寝はどうしても苦手なので、寝台券を二ヶ月前に予約しておいた。

こうべエキスプレス デッキにて

もう何も怖くない。大船に乗った気分で、船内散歩をしたりバイキングレストランで揚げ物中心に爆食したり。やがて出航、夕景の街から離れていく。街外れにぽつんと立つシーガイアの高層ホテルがシュールだ。さよなら九州。予定していた椎葉村や西米良村などは走れず残念だが、そのぶん佐賀県が濃厚になったのと、日当山温泉〜霧島神宮〜御池ルートも一つの旅と言えるボリュームがあった。さあプラネタリウムで学んだ星を見つけよう。夜になりデッキに出ると、船明かり等で観測条件は今ひとつだが流れ星がひとつふたつ。

霧島バードライン 御池の捨て猫たち 宮崎カーフェリー こうべエキスプレス
8/16() 星空の向日
神戸港

もう紀伊水道に入ったか、雲があって日の出は遅れそうだ。コッヘル弁当を食って6時過ぎ、太陽が顔を出す。風景は去年乗った志布志→大阪航路とだいたい同じだが、この船は兵庫県の神戸三宮フェリーターミナルに到着する。定刻より数分早く下船できて嬉しい。船内ガチャガチャで10円引となるシャトルバスに乗りJR三ノ宮駅へ。ここから青春18きっぷでの帰路となる。

向日市天文館 planetarian

時間があるので大阪府の高槻駅で途中下車。旅疲れと船揺れで全然食欲が湧かないが、ここまで来たからには「やよい軒」でもやし定…は無いので目玉焼き定食を頂く。また列車に乗り、今度は京都府の向日町(むこうまち)駅で途中下車。向日神社までふらふら歩き、去年同様に向日市天文館プラネタリウムでplanetarianを鑑賞。今回はショートバージョンにつき、前半は星空解説が付く。けどオートなので味気ない。planetarianは人生化しているので、また来るよ。

あとはひたすら新快速や普通列車で松本へ向かう。宮沢賢治詩集、2/3くらいは読み進んだだろうか。暗くなるころ帰宅。旅行中のスマホ使用は原則として台風情報の取得に限っていたため、ニュースやSNS等は一週間振りに見るが、やっぱり俺が生きていようが死んでいようが世の中は変わらんな。ゆったりとした自分の時間の流れは終わり、洗濯やらゲームやら、いつもの慌ただしい日常に飲まれていく。

旅先で撮った写真は616枚。こうして夏は燃え尽きた。


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