踊るハイぶりっ子ちゃん

新佐久市誕生10周年記念事業

ヒルクライム佐久2015 参戦記

2015.9.19[]-20[]

日記

9月19日()大会前日「ピンコロ大魔王」
浅蓼大橋から八ヶ岳・蓼科山

今年参加したヒルクライム戦線は王滝村が雷雨中止、乗鞍も大雨で超短縮コース。美ヶ原だけはまともに開催されたけど、これじゃ不完全燃焼だろう。という訳で申込期限ギリギリに「ヒルクライム佐久」にエントリーした。新佐久市誕生10周年記念事業のクロージングイベントとして誕生したばかりで第1回開催となるが、運営は大丈夫だろうか。実行委員会に美ヶ原や乗鞍と同じくJCA(日本サイクリング協会)が絡んでいるから、大コケはないだろうけど。

乗鞍で雨に打たれ体を冷やして以来、頭痛や悪寒が残る体調が続く。大会受付日の土曜も寝坊して、だらだらと支度する。午後になって松本駅から輪行、特急しなのと新幹線あさまを乗り継いで、佐久平駅で下車する。「あの夏で待ってる」の聖地だったな。駅前にはでっかいジャスコもある。輪行を解き、南の野沢地区へ急ごう。前方は蓼科山や八ヶ岳、後方は浅間連山がそびえる良い天気。明日の予報もそこそこだし、僕は雨男じゃない。

ピンピン生きてコロリと死のう

城山公園や「ぴん・ぴん・ころり」のぴんころ地蔵尊を見物して、大会の前日受付に到着したのがまたも制限ギリギリ、17時直前だった。参加記念品はサクマドロップスならぬ「さくしドロップス」や梅丹の試供品、エーゼットの試供品、市の花コスモスの種など。それに分厚いパンフ類も入っている。サイトの記載によれば前夜祭があるはずだが、何も始まる様子がない。聞いてみたら「中止」、その代わり明日ゴール地点で振る舞いがあるんだとか。

千曲川から浅間連山の夕暮れ

まあいいや、おかげで佐久グルメ巡りが出来る。近くの麺処八峰(はっぽう)で安養寺ラーメンを注文。安養寺みそを使ったピリ辛アッサリなスープに、ミニトマト等野菜の天ぷらで食べやすい。あと佐久市は日本三大ケーキのまちを自称しているようなので、千曲川の東に渡り喫茶明正堂(めいしょうどう)に寄る。旧中込学校を模したノスタルジックな店で、フルーツタルトを頂く。コーヒーは浅煎り。

宿泊は・・・いつものようにゲリラキャンプ。かつてサイクリング部の合宿でも泊まった某公園にて。

参加記念品など 八峰の安養寺ラーメン 明正堂のフルーツタルト
9月20日()大会当日「佐久 The Art of Hillclimb Stage」
ゲリラキャンプの朝

運営が超テキトー、どうせ参加者なんか少ないからとスタート時間もテキトーで、荷物車は早々に行っちゃったし「ええー」と不満の声を漏らしながら、自分もテキトーにスタートを切っていく・・・という夢を見たのさ。ああ、朝か。ゲリラキャンプならではの、睡眠という人間にとって最も無防備な時間を無事終えた有り難みは、原始的な感情と言えよう。不思議なことに悪寒と頭痛は蒸発したようにスッキリ治り、これなら普通に走れるだろう。薄皮つぶあんぱんとトマトと牛乳を朝食とし、さっさとずらかる。

集合会場

集合会場に続々と集まる参加者たち。「あまり人数が少なければ大会は今年限り」という話だったが、名簿によれば699名のエントリーを集め、しかもこの晴天なら出走率も高いだろう。家財道具一式を会館内にこっそり預けておいてから、乗鞍仲間のkikai41さんに会う。彼はカラクルという小径車、私はランドナー。ゴール地点行きの荷物も預ければ半袖レーシャツとレーパン。肌寒いが、高地の乗鞍に比べりゃ全然楽だ。7時からパレードランが始まり、少し西のスタート地点へ向かう。沿道で見物している住民は数えるほどで、すずなりの矢島カップ鳥海に比べると雲泥の差。市民への認知度がアップすれば、いつか賑わう日が来るだろうか。

佐久の鯉太郎ミニ

10分ほどでスタート地点の洞源湖前に到着。湖と言っても小さな池だ。時間は先頭のチャンピオンクラスがスタートするまで50分もある。初回開催で大事を見たのだろうが、これは待たせすぎだろう。佐久市非公認キャラクターのハイぶりっ子ちゃんが2体(2両編成)で登場し、場を盛り上げているのが救い。自分は軽くジョギングしたり仮設トイレに寄ったりして時間を潰す。8時00分からクラス毎5分おきに、号砲が鳴る。

8時15分に我らが40歳代、男子Cクラスがスタート。わりと前の方を陣取ったが、勝負はネットタイム方式で決まる。直後に11%のキツい坂が立ちはだかるが、乗鞍の時ほどズルズル下げず、すぐ流れに乗ることが出来た。あとは当面、緩やかで道幅も広い。斜度の変化に対応するため、しっかり前を見たい。涼しい割に汗が多く出るのは、まだ100%の体調ではないせいか。ボトルには試供品の梅丹電解質パウダーを入れておいた。少しずつ順位を上げてはいると思う。

コースプロフィールは全長23.0km、標高は680mから2,005mまで、その差1,325m。何気に国内で五本の指に入りそうなハイレベルである。第1関門(ショートコースのゴール)あたりでDクラスの先頭に抜かれたが、マイペースでCクラスのライバルたちとバトルを続ける。1km毎に残り距離表示があるので、それを目安にパワー維持に全力を上げる。これなら1:20'切りも目指せるのではないか?

蓼科スカイラインマップ

しかし、見通しがよく変化の少ない蓼科スカイライン中腹を登っていくうち、空腹感が訪れてしまった。意外にタフなコースに、あの朝食では足りなかった! ポケットにジェルでも入れておけば良かったなぁと後悔しつつ、徐々に弱気なペースに落ちていく。この先ゆるい坂があれば巻き返したいが・・・無かった。第3関門を過ぎると僅かな下りがあるが、直後にウワサの急坂が現れる。もうヘロヘロ、ちっとも攻略できていない。

フィニッシュライン

肩や腕に酸素や糖が回ってない感じをこらえつつ、最終盤の『蓼科仙境都市』に入る。??、どうやら別荘地だが、高過ぎる標高が人を選ぶのか、半ばゴーストタウン化している。ラスト1km。一度抜き去ったはずのBクラス2名に抜き返され、残り500m、100m、50m…何とかスパートの真似をして、1名再逆転してフィニッシュ。エネルギー切れという条件下では、何とか出来る限りのことはしたかな…。手元の時計で1:20'を2分ほど過ぎている。

ゴール後のふるまい

仙境都市の謎施設がゴールエリア。バイクスタンドに自転車を駐め、ふるまいのおにぎり、トン汁(里芋入り)が旨い。あとプルーン2個も酸味が嬉しい。こうして参加者にしっかり補給させておけば、ハンガーノックが原因の下山事故は激減するだろう。

大河原峠

さて、開会式でお偉いさんが「大河原峠からの景色は素晴らしく」なんて言ってたけど、峠はここからさらに1.7kmも先だ。行かなきゃ。自転車での行動は制限されているので小走りで向かうが、体力不足ですぐ歩く。もう一人走ってきて抜かれた。彼は双子池まで行くんだと言った。元気すぎるわ。僅かな紅葉を抜け、どうにか大河原峠に辿り着いた。蓼科山の登山基地で、駐車車両が多い。ここをレースのゴールにするのは難しそう。空青く峠らしい雰囲気は最高だが、佐久平・浅間山方面の景色は雲の壁に阻まれる。

せっかくだから売店の名物、おしるこを頂いていく。疲れた身に、これは旨い。店主夫婦にレースの様子をいろいろ聞かれる。もしかしたら参加者がワラワラやって来ることを期待していたのかも知れないが、現実は私一人だ。

佐久市の花コスモス

慌て気味にゴールエリアに戻るが、11時開始予定の集団下山はまだ始まっていなかった。棄権者収容バスの到着が遅れ、それが登り切ってからでないと下りられないとのこと。ずっとずっと待っている他の参加者がちょっとかわいそう。やがて下山開始。クラス毎に、という予定だったがもう一緒くた。所々浅間山が見えるポイントはあるけど、信州のヒルクライムにしては今ひとつ展望に欠けるコースだ。新幹線駅や高速のインターに近いという利便性とトレードオフになっている。関門ごとに停車を挟みつつ、穏やかに下山終了。救急車沙汰も無かったみたい。

表彰式

完走証の発行を受け、タイム1時間21分53秒353。トップ選手との差が18分ほどなら、好走だった美ヶ原より少ないから、まぁ良かったのではないか。みんな、まだこのコースを攻略できてないってこと。会場にはいくつか食べ物屋台が出ているが、上でいろいろ食ったからいいや。日焼け止め必須の暑い会場、予定より少し遅れて閉会式が始まる。お、隠れキャラ化している松本市長に比べれば、佐久市長は民衆の前に出てくるんだな。彼らによる表彰式が終われば、お楽しみ抽選会…は何も当たらなかったけど、その前に「ハイぶりっ子ちゃん」が謎ダンスを披露してくれた。これだけでも参加料を払った価値あるわ。

ハイぶりっ子ちゃん

初開催とはいえあまりグダグダせず、概ねしっかりした運営だったと思う。来年はもっと快適なイベントになっているといいね。終了後、急ぎ中込駅で輪行。土産を買う時間が無かったのが心残りで、小海線キハ110形に揺られ野辺山高原を越えて小淵沢へ。普通列車で松本に帰る。れで今年の自転車ヒルクライムレースは、そこそこ燃え尽きて終了。マラソンシーズンに向けてそろそろ、おっくうだけどジョギングを始めようか。

結果

公式リザルト
時間
(全長23.0km 標高差1,325m)
1時間21分53秒353 (最速者1:03:55, 最終完走者2:33:59)
男子Cクラス 順位
(40〜49歳)
32位 (/完走171名/申込218名中)
男子総合 順位
(チャンピオン,ジュニア含)
104位 (/完走533名/申込625名中)
総合順位
(女子含)
105位 (/完走549名/申込647名中)
※他にショートコース完走48名/申込52名で全体699名規模の大会だった。

今回もチャリ載動画を5倍速にしてニコニコ動画にアップ。テレビ神奈川のsaku saku風味。初開催レースの紹介ということで編集に気合が入った。手ぶれ補正にも一工夫入れ、だいぶ見易くなったと思う。等倍速もユーチューブに置いとく。

ニコニコ動画:ヒルクライム佐久2015(5倍速)
YouTube:ヒルクライム佐久2015(等倍速)

リンク

CPS写真のサンプル
ヒルクライム佐久
公式サイト。大会概要、レポートなど。
JCA(日本サイクリング協会)
ツール・ド・美ヶ原やマウンテンサイクリングin乗鞍などの主催団体。
CYCLE PHOTO SERVICE
自転車スポーツ写真サイト。要ID。(右のサンプル写真)
山さ行がねが 道路レポート 林道鹿曲川線
ヨッキれんさんの廃道レポ。蓼科仙境都市について触れられている。

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