富士山国際ヒルクライムから2週間、自分にしてはタイトなレース間隔でツールド美ヶ原を迎えた。しかも両方とも激坂が売りのコースとか。1週間前のタイムアタックでは遭難ブランクの影響で思い通りの数字が出なかったし、体調もピークを過ぎて下降気味。それでも去年よりはだいぶ良い仕上がりだと思う。
大会当日の晴天をあれほど切望したのに予報は悪く、代わりに前日「なんで今日が晴れなんだよ、もったいない」状態。松本市内の自宅からチャリで浅間温泉の受付会場に行き、安売りの出展ブースでレーパンを購入する。先月群馬の山奥で彷徨したときボロボロになったものを、ようやく買い替えられた。
松本駅前に下りて、kinottyさんを迎える。同じスーパーあずさから15人くらい輪行袋を抱えて降りてきて、一斉に自転車を組み立てている。特別な週末の光景だ。さらに乗鞍で同チームとなるHさんにも偶然会う。今年はおめでたで乗鞍には来られないそうなので、レアだ。
参加賞として市内博物館のタダ券があるので使おう。自分はそのまま弘法山の鞍部を越え、中山の考古博物館までプチヒルクライム。たまにここらへんを通勤で走るので、一度見学してみたかったんだ。中は広くはないし他に入場者はおらず、足を止めれば完全無音に近い状態。そこにたくさんの土器や土偶などが展示されている。松本市内には遺跡があった場所が意外に多いことを知る。
今夜ばかりは多めに食事を摂り、風呂後の測定が体重59.9kg、体脂肪17.9%となった。今月はハイパー金欠の影響で好物のパンやアイスを一切食べなかったから、減量はまずまず成功した。明日のレースには有利に働くだろう。
早めに起床して、いつも通りの納玉朝食のあと自宅を出発。「もしかして雨は上がる?」…との期待虚しく、本降りの雨が会場を覆う。DNSの文字も頭に浮かぶが、もちろん一年間でイチバン大好きなこのレース、なるべく走るよ。雨よけにランニングキャップをかぶり簡易ポンチョを着て、ウォーミングアップとして野球場の外側をジョギングで2周する。ちょっとトイレが近い気がするのは体調が良くない証拠。それでも涼しさを武器に好記録を目指そう。ロードレーサーの部/男子C-1組のスタートは7時58分である。…が、スタート時間はそれぞれ30秒ほど繰り上がってるようだ。簡易ポンチョは脱いで背中ポケットへ。
「レースをいちばん楽しむのはこの俺だっ!!」
今年はスタート直後の路面に計測マットがあり、公式記録はそこからのネットタイムになったっぽい。だから順位争いは分かりづらいが、前の方に並んだので温泉街は先頭集団を追う展開になった。いや、そこまで戦える脚ではないので、少し自重してポジションを下げる。でもツールド美ヶ原名物の激坂(15%)に入ると渋滞気味で、イライラしてごぼう抜きに掛かったり。激坂が終わってからも、せっかくだから気を抜かずに登る。
平坦路に入り、美鈴湖の第1チェックポイントで19'49"。練習状況から考えてちょっと突っ込み過ぎのタイムなので、またペースを落ち着かせて長い登りに入る。早くも息が苦しくなってきて、無理すると呼吸困難症を再発しそうだし難しい展開に。
作業道登沢線の入口にあたる第2CPで37'07"。ここまではトレーニングでよく来るところ。「ここからがレースの本番だ!」同時スタートのライバルが何人か固定されてきているし、ペース配分は悪くなかろう。がむしゃらに集中するよりは、メリハリを付けてライバル達と競う。「レースを楽しんでいるか?」時々自分に問いかける。今日は最高に楽しい!
上下線分離路の後に来る難所「ストップ坂」はギアをインナーには落とさず、センターローで切り抜けた。女鳥羽川源流という湧水がある第3CPで1:09'19"。やはり自己ベストは無理っぽい。給水は例年通り一回も受けなかったが、ボトルの水は空になったから飲んでいるほうだ。
腰痛坂と呼んでいる坂は始め弱気になったが持ち直し、思い出の丘まで登り切る。さあ、ここからは高原のハイスピードバトル区間だ。ランドナーはちょっと不利だけど、回せるだけ回そう。しかし天気予報から懸念していた通り向い風が強く、数分後スタートから追いついてきた格上の選手に付いてみる。もちろんそう長くはタダ乗りさせて貰えない。前に出ると、呼吸が苦しいわ。
せっかくの絶景も、この雨霧では良く見えない。武石峰からの大下りで、テスト的にブレーキを掛けてみるがすぐには効かなくて焦った。少し遅れて効いてくるのね。ラインを外さなければ減速する必要はないので、ここでも回せるだけ回して登り返しに掛かる。それでも順位を落とすのは悔しい。焼山からの大下りも豪快に下り番長。やっぱり登り返しで抜き返される。
最後の登り坂は押し戻さんばかりの強風で、すっかりヘトヘトになった。死ね坂での呼吸倍増作戦も発動せず。この「力を使い切った感」は素晴らしい。
ゴールは手元の時計で1時間23分40秒ほどで、ベストより2分遅れ。向い風によるロスも大きく、これまでの10戦中で4番目のタイムとなった。今の自分なりの好走には満足だが、来年また挑戦したいなぁ。すぐ冷やしトマトを受け取りかぶりつく。甘い! 福島県白河産とのことだが、誰一人警戒しないところが自転車乗りらしいなぁと思った。
風が寒く、下山用荷物を受け取ってすぐに着込む。Hさんは少し幸せ太り?したと言うがそうは見えず、やはり私より速かった。kinottyさんも完走し、相変わらずの雨霧のなか下山へ。ドロヨケ完備のランドナーだから苦にならない、わけはなくブレーキシューの消費が精神的に堪える。途中で救急車の通過待ちがあったけど、何かあったのかな。自分らは無事スタート地点に戻り、サービスの豚汁を頂いてホッとする。今年から完走証も、後日郵送ではなくここで即発行となった。公式(ネット)タイム1:23'32"522…細けーな。
一旦帰宅してシャワーと昼食を済まし、また会場へ行って閉会式と抽選会。うん、やっぱり何も当たらない。帰っていろいろ乾かしつつ、オマケの菓子でまったりする。これで富士山国際とツールド美ヶ原、2大激坂ヒルクライムレースを中一週で終えた。しばらく体を骨休みさせ、自転車はツーリング仕様にして夏に備えたい。
時間 (全長21.6km 標高差1,270m) |
1時間23分32秒522 平均15.5km/h |
(最速者1:00:58, 最終完走者3:12:16) |
ロードレーサーの部 一般男子C 順位 (31〜40歳) |
113位 | (/完走467名/出走472名/申込567名中) |
総合順位 (61歳以上,女子,MTB,リカンベント含) |
350位 | (/完走1854名/出走1886名/申込2302名中) 他にジュニアの部完走32名/出走32名/登録40名 |
今年も動画撮影にチャレンジしていた。前回の富士山国際ヒルクライムで三脚用ネジ穴がバカになってしまった問題は、ガムテや両面テープという原始的な対処をしたが、水に濡れて緩んでしまい終盤ガタついてしまった。しかもこの雨で絶景はまたもお預け。
電池はギリギリゴールまで持ってくれたので、例によってスタートからカット無しの5倍速編と等倍速編を作成し、動画サイトにアップロード。5倍速編にはBGMとしてクラフトワークのツール・ド・フランス、本田美奈子のワンウェイジェネレーションを用意、ゆっくり風音声解説も入れた。
デジカメが重いのもブレの原因になってるし、このカメラの役割は終わりつつある気がする。来年には専用のビデオカメラが買えるくらいの余裕が生まれているだろうか。