尖石

Yatsugatake Jomon No Sato Marathon 2011

第5回 八ヶ岳縄文の里マラソン大会(ハーフ) 参戦記

2011年9月11日

日記

9月11日()大会当日 「縄文、元気だもん」
尖石縄文考古館前の受付

松本から茅野までチャリンコ〜、なんて無理はせず列車で移動する。駅前からシャトルバスで30分ほどグイグイ登り、やって来ました八ヶ岳縄文の里マラソン。まだ5回目と歴史は浅く、私もエントリー締切間際の新聞広告を見るまで存在すら知らなかった大会である。コースは八ヶ岳エコーラインを走るらしく、以前自転車で車載動画(→ニコニコ動画)を撮ったことがあるので、予習として見直してみたら結構坂がある。

与助尾根遺跡

森の中の爽やかな朝。時間に余裕があるので、受付裏の与助尾根遺跡から散歩がてら尖石(とがりいし)に回り、本日無料開放の縄文考古館も見学する。こうも出入り自由だと展示物が盗まれないか不安になる。土偶「縄文のビーナス」は長野県に7つしかない国宝の一つとして有名。重文「仮面の女神」や土器の数々も、いったい何を考えながら作られたんだろう。確実に我々の遠い御先祖様の仕業であると思うと、今こうして対面するのは因縁めいて感じられる。

乗鞍エコーラインの自転車レースから2週間しか経っておらず、マラソンのトレーニングは不十分。ともかくアミノバイタルスポーツをスタート1時間前に飲んでスムーズに荷物預けを済ませ、軽くウォーミングアップする。今日は頭に血が昇ってこない感じがする。曇りの予報に反して晴れて暑くなり、すぐに喉が渇くし。その割にトイレが近く、給水所と何往復かする状態。それでもいち早くスタート行列に並ぶと…ちょっと早すぎて最前列になってしまった。こうなると、後ろをつかえさせないためにスタートダッシュを決めるのが義務となる。低かったテンションは急上昇し、気合いだけは優勝を狙わんばかりだ。

9時50分の号砲と共に飛び出し、最初の100mはトップ通過。気持ち良いけどさすがにマズいので徐々にポジションを下げる。しかし下り坂でペースを下げるのは難しく、不十分だった。信号を右折すると、うわぁ体が重い! もう呼吸を使いすぎちゃったよ。さらに折り返すと強い向い風となり、肺が痛いほど苦しくなる。脚が体重に抗えなくなり、大きくペースダウン。1000mを超える標高も苦しさの一因だろうか。この状態で八ヶ岳エコーラインの長い登り坂に入るとか、大失敗だよ。入賞圏はもう遠くへ行ってしまったことだし、イチからレースを組み立て直さないと、自己ワースト(1:36')の更新もありうると頭をよぎる。

暑さも追い打ちをかけ、給水所で頭から水を被っても背中に掛かった水がベッタリして快適ではない。レース本番とは思えないローピッチで、練習並みのペースが続く。とにかくまずは、肺の痛みを取らないと。つりかけた脚も、ハーフの距離に耐えうる状態に戻してゆく。抜かれるばかりの展開で風除けさんを作れず、一人旅が続いてしまうが。序盤は抑えて一緒に上がっていく人を探すようにした方が良かったなぁ。後の祭りだ。

八ヶ岳縄文の里マラソンマップ

それでもコースの景観は素晴らしい。もうちょっと日陰があるといいなぁと思いつつも八ヶ岳連峰を左手に眺めながら、やがてポジションは安定してきた。ある程度は食い下がれたり、抜き返せるようにもなってきた。1km地点、5km地点にあるはずの距離表示は見付けられず、10km地点でやっと発見。通過タイムは44'55"と、練習より悪い数字だ。

今ひとつ他の選手と協調体制を築けないまま、折り返してからは下り&追い風となる。もう一人旅で問題ないが、脚を使いすぎているため楽にはならない。女子1位に張り付く審判車を対向車線に見掛けたので、一応それよりは上位を走れてるようだ。後に続くボリュームゾーンに土偶のような体型の人を探しながら、我慢我慢の展開が続く。15km地点1:07'18"。この調子ではまた少しポジションを落とすが、ラスト1kmの急登が怖くてペースアップに踏み切れない。それでも精一杯、気持ちを切らさずに行こう。ああでも脚が硬くなってきてるし、いつプッツンしてもおかしくないなぁ。「あと2km」の標識は設置者が何を考えていたのか道路と並行に表示されている。これでは見付けられない人がほとんどだろう。20km地点は自分も発見できず、タイム欠測。

橋を渡って急坂をクリアし、右折するといよいよ最後の急登1km。それまで四拍子だった呼吸を二拍子にチェンジし、自己ワースト回避のために必死で走る。しかしこれはキツい! どこで諦めようかと弱気にもなるが、終盤抜かれた2、3人に僅かずつだが接近している。抜けるのか? 無理か? 向こうもラストスパートを掛けたら? 諦めて楽になろう? そう、向こうがスパートを掛けてくれりゃあ諦めがつくのに。最後の直線は、あれ!? ゲートが見えないから困る。少し右に曲がったあのあたりだろう。あそこまで頑張れるのか?

1人後ろから疾風の如く抜いてゆく。その勢いを追うように、もう出ない力を振り絞る。さっきから追っている選手を差し返した。しかしゲートはまだちょっと先。しまった、ラストスパートが早過ぎたか。とにかくもう抜き返されまいと、必死にもがくしかない。壮絶な順位争いとは裏腹に、心の中では「あ、これはゴールしたら吐くわ」と冷静に考えた。心臓が口から飛び出しそうになりながら、ラインになだれ込む。

本当に苦しいフィニッシュだった。ここまで無理したのはいつ以来だろう。先着した選手も倒れ込んでたし、このレース、この坂は…。自分もどうかしてしまいそうなので、のた打ち回るように歩きながら少しずつ落ちつける。どうにか吐き気は引いたようだ。ゴール給水のスポーツドリンクがありがたい。水を柄杓で頭に掛けてもらったりもする。完走証を受け取ると、タイムは1時間35分24秒。90分を切るつもりでいたのに、ワーストを辛うじて免れただけの不本意な数字と言える。でもラストは良い経験になった。命燃やし過ぎ? だから充実感は好レース並みだったりする。

ラスト急登

荷物を受け取って、更衣用体育館で持参のプロテインバープロと参加賞のスポーツドリンクを補給する。ちなみに他の参加賞はタオルと乾そば。脚は痛いが落ち着いたので退出し、あとは写真を撮って回ったり、もう一度考古館に入ってもうちょっとゆっくり土器を眺める。館内撮影は要許可とのことでやめとく。撮ってる人もいたけど。パンの出店は売り切れていて残念。それにしても良い天気だ。完走証によれば気温26℃(おそらくスタート時)とある。夏日にハーフマラソン、そりゃキツいよ〜。

交通規制解除とともに、シャトルバス第1便が行ってしまった。少し小さい第2便に乗る。八ヶ岳が遠くなりゆき、うとうと眠る。茅野駅から嶺上開花、もとい電車で帰ろう。しかし待ちが悪いのでメシ屋を探し歩き、結局駅の立ち食いそばになった。ここの40円増しで食える「特上」は駅そばの概念を覆す旨さで、よい発見だった。普通列車で帰る予定だったが、ポンして特急券付けちゃおう。スーパーあずさは実に快適で、あっという間に帰松。

大会の運営は良い部分と悪い部分の差が激しく、アンケートが欲しかったところ。でも来年リベンジしたいなぁ。自分自身はさしあたり来月の大町フルに向けて相当な課題を残したが、少しずつ解決していきたい。

結果

ハーフの部 リザルト
記録 1時間35分24秒 (最速者1:17'46", 最終完走者3:00'11")
男子高校生〜39歳以下 順位 15位 (/完走97名/申込111名中)
男子総合順位 26位 (/完走331名/申込385名中)
総合順位(女性含む) 26位 (/完走386名/申込454名中)
※10km、5km、3km、2kmの部を含め参加登録1044名のマラソン大会だった。
尖石遺跡 フィニッシュゲート 太鼓の演奏

リンク

完走証
第5回八ヶ岳縄文の里マラソン大会
茅野市役所による開催要項。
第5回八ヶ岳縄文の里マラソン大会結果
茅野市役所による結果報告。当日の夕方にもうリザルトがアップされていた。
スポーツエントリー
スポーツイベントの情報やエントリーなど。

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