むらよし旅日記・其の八

房総半島ブッタ切りラン

1996年3月22日〜23日

 四国を走ったサイクリング部春合宿から凱旋して中1日。今度は千葉県岩井海岸で行われるギター・マンドリン部春合宿に合流すべく、つくばから房総半島を攻めることにする。
 しかし前の合宿の疲れで風邪をひきかけているし、痛めた膝が悪化している。でもユースホステルの予約をしてしまったし、やると言ったらやらないとカッコもつかん。無理にでも行く!

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3月22日(金)

 寝過ごして、午前10時半出発になってしまった。コンビニカッパを着込み、雨の降りしきる国道408号をひたすら成田に向かう。地図で見たより意外と距離があるみたいで、時間的にやばいんじゃないかとスピードアップ。雨が湿布代わりになって、膝の痛みはとりあえず引いている。やがてつくばから2時間ほどで成田に着き、昼飯は吉野屋で牛丼。
 ここから“芝山はにわ道”という道を、九十九里浜に向かって走る。道端にはかわいいんだかかわいくないんだかよく判らない、ハニワのレプリカがポツポツとある。
 下総台地を抜けるころ雨は止み、やがて外房の海をまみえた。蓮沼海浜公園はまだシーズンオフで人影がなく、寂しい。ここまで急ぎすぎたかなと思いつつ、九十九里浜を左手に眺めてゆっくり南下、17時前に九十九里浜白子ユースホステルに到着。
 他の宿泊者と、旅の情報交換。この時期は館山の房総フラワーラインがいいらしいね。ところで今日は100km以上走った。明日もそれぐらい走る予定だが、喉風邪が悪化してきているような気が・・・。

3月23日(土)

 喉の痛さで目が覚めた。こりゃ大変だ。おまけに雨が降っていないから、走行時の膝の痛みもひとしおになる。でも走らなければならない。さいわい追い風が強く、軽い力で結構なスピードが出せそうだ。
 今日はまず海岸の自転車道を行くが、砂が積もっていて走りづらい。でも気分よく進めた。一宮から鴨川までのアプローチは、海沿いルートにするか山中ルートにするか二つの案があったが、このまま追い風に乗って海沿いを行くことにした。
 途中、勝浦の海中公園なるところに寄ってみる。水深8mの海中展望塔の窓にはいろんな魚が寄ってくるが、あまり海は澄んでいない。それにしてもガキとババアが多い。
 昼どき、鴨川着。海にはサーファーがいっぱい浮かんでいる。サーフィンって最後に必ずコケるのがダサいんちゃうかあと思いつつ、海を眺めながらコンビニ定食を喰う。
 ここから、房総半島の南部を横断する嶺岡林道に入る。最初はまっすぐスカイライン状の道を登る。膝の痛みはなんとかなっているが、喉の痛みはシャレにならなくなってきた。林道とはいえかなり舗装化されており、それがダート好きのライダーやチャリダーの不評を買っているらしいが、私としては舗装路の方が助かる。とはいえ体中が風邪っぽくなった状態で、最大標高約400mのアップダウンはきつい。喉をゼーハー言わせながら、なかなかイカす自衛隊用道や内房の海を遠望するスカイラインを抜け、富山町の民宿に到着。
 自動車で来るはずのギター・マンドリン部の連中は、まだ着いていなかった。夏合宿の時と同じだな。やがて預けておいた私のギターと共にやって来たが、私の声はすっかりガラガラで、皆はあきれ驚いたことだろう。この調子では楽器を弾く気がしないが、サイクリング部春合宿以来ずっと今日まで走りっぱなしだったので、ようやくゆっくり休める日々になりそうだ。

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ギタマン合宿中の様子

 この後、ギターの練習はすっかりおざなりで、仲間とポーカーや卓球に興じつつ、風邪は頭や鼻に移っていった。結局合宿中に体調は十分な回復を見ず、さらに最後の夜のコンパで飲みすぎて宿酔いになってしまったこともあり、実走で帰ることは断念。輪行した自転車ごと、自動車に乗せてもらってつくばへ帰った。
 ともかく行きは追い風に助けられ、しかし喉風邪に悩まされたランであった。でも暖かくなってきた季節の房総を、けっこう満喫できたと思う。


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