吉祥山東光寺

東光寺仁王尊大下駄
「という訳で記念すべき信州観光案内?なんでしょうね?まぁ細かい事はいいです。
とにかくの第一回目は私、射命丸 文と」

『伊吹 萃香でお送りいたしますよっと。しかし何で最初が私らなんだろうね?』

「年功序列じゃないですか?」

『えー?そんならあんたじゃなくて紫g

「あれ?萃香さんが消えましたね。ま、気にせず続けましょうか。
まずは第一回目ですので軽く企画の趣旨をお話いたしますね。
この企画は、長野県にある面白げな伝説やそれにまつわる場所、
東方キャラに関わってるかも知れない?建築などを、
幻想郷の暇人達が面白おかしく観光したり薀蓄垂れたりして、
暇とか憂さとか晴らしちゃえと言う趣旨のものです。
民俗学なめんなとかある意味ZUN氏に失礼じゃないかとか
お前管理人の地元ネタってどうなんとか言う声がありそうですが
その辺のそういうそれは見なかった事にしちゃいます。ええ」

『ついでに私達は外でもあまり目立たないように服や何かを少し大人しめにしてるよ。
って言うか、あんたが言うとタダの観光が微妙に危険な企画に聞こえるのは気のせいかね…』

「あら萃香さんお帰りなさい気のせいです。
戻ってきた所でとっとと始めちゃいましょう時は金也速さは力ですからねでは説明行きますよ。
こほん。
えー、こちらは曹洞宗のお寺で「吉祥山東光寺」と言いまして、
「東光」と言うのは薬師仏の浄土である東方浄瑠璃世界を意味します。
そんな訳で「東光」と名のつくお寺は薬師如来を本尊とする事が多いそうなのですが、
こちらの本尊も室町時代の作と言われる薬師如来像です。
このお寺、そんな由緒あるご本尊以外にも多くの仏像があるそうなのですが、
特に目を引くのは仏像よりも山門前の「吉祥仁王尊の大下駄」。
観ての通り、でかいです。超でかいです」

『高下駄の方は下手したらチルノよりでかいんじゃないかな?』

「この大下駄は、山門を修復した際に檀家の方々から寄贈されたそうで、
「脚下照顧」と言う禅宗の教えに基づいた物なんだそうですよ。
そんな訳で履けば願いが叶うとか極楽に行けるとか言うご利益があるんですけど
あんまり大きすぎて履けてませんね…。
写真奥の萃香さんのように、両の鼻緒をまたぐ感じで足を乗せれば
履いたって事になってOKだそうですけど、乗る時はちゃんと靴を脱いでくださいね。
二重履きじゃご利益も半減ですし、何より縁起物に土足じゃ逆に罰が当たりますよ」

『私なら大きくなってぴったり履けるけどね。そうすればきっとご利益覿面倍率ドン。
やってみせようか?』

「いけません。壊れたらどうしますか。と言うか鬼が仏のご利益をあてにしないで下さい。
あ、もし巨大化とか縮んだりできる方がこのお寺にいらしても、決してやらないように」

『ちっ。
えっとー、あとはー、ここの本堂の下でお戒壇巡りができるわよ。
お戒壇巡りって言うのは、本堂の下に照明も明り取りも一切ない真っ暗な通路があって
そこを手探りで進んでくのね。そんで一番奥のご本尊の下くらいに鍵があるから
それに触ったら一面クリアーネクストステージ、じゃなくて極楽に行けるとか幸せになるとか。
有名な善光寺にもあるからやった事がある人も多いんじゃないかな?
まぁ私達はやらなかったけどね。天狗が嫌だって言うから』

「しょうがないじゃないですか。あんまり真っ暗だと鴉が混乱するんですから」

『情けないな。鬼はともかく妖怪は夜行性なのに。
そうそう、鬼と言ったらこのお寺の前の道をずーっと行くと鬼の体が埋まってるんだよね。
古き佳き御伽の時代に強き人間に弱点を突かれて負けた鬼。
しかしその鬼は人間の敵であると同時に人間の英雄でもあったのでしたー。
ま、その鬼の話は次かその次にでも取り上げるんじゃないかな』

「では今回はここら辺でお開きにしますか。
では皆さん、日和が宜しければ次回をお楽しみに」

『次回、あったらいいね』

「・・・・・・」






08/01/27