未来 : 缶コーヒー買ってくるけど、あんたは熱いのでいい? |
久遠 : ぬるいやつ。 |
未来 : ホットね。 |
久遠 : 猫舌だからぬるいのがいいニャー。 |
未来 : ニャーって言うな。死ね、捻れろ。 |
久遠 : 缶コーヒーとかって『よく振ってからお飲みください』とか書いてあるじゃないですか。 |
未来 : うん?あるね。 |
久遠 : また別のには『軽く振ってからお飲みください』ともかいてあったりするじゃないですか。 |
未来 : あー、あるわね。たしかに。 |
久遠 : 何でしょうかね?この差は。 |
未来 : なんだろ?成分の問題かな? |
久遠 : あんなに仲のよかった、ヨクフル・テクダサイさんと カルクフ・テクダサイさんの間に何があったんでしょうか? |
未来 : いやいや、誰さそれ? |
久遠 : テクダサイ兄弟。まぁわかりやすく言うと、ライト兄弟みたいなものです。 |
未来 : 兄弟であることしかわからないし。 |
久遠 : 兄のヨクフルさんは、近所でも評判になるくらい何でもよく振っていました。 生卵は割る前に黄身と白身が混ざる程に振り、 昭和のシェークスピアとまで言われていました。 |
未来 : 昭和って、え?日本? |
久遠 : 弟のカルクフさんは、兄とは対照的に何でも少しだけ振る人でした。 例えばニトログリセリンは慎重に軽く振るだけ。 |
未来 : どうあっても振りはするのか。 |
久遠 : そんな対照的な兄弟でしたが仲がよく、 ヨクフルさんはカルクフさんの作る目玉焼きを褒め、 カルクフさんはよく爆発するヨクフルさんを尊敬していました。 お互いに足りないところを補い合っていました。 |
未来 : 確かに片方が著しく、脳が足りてない気はするけども。 |
久遠 : しかし、恋は人を変え、愛は人を狂わします。 あるとき二人の前に、それはそれは魅力的な女性、オノミーさんがあらわれます。 |
未来 : おおー。三角関係。 |
久遠 : まぁそれはまた別のお話ですが。 |
未来 : オノミーさん関係ないのかよ! |
久遠 : いつの日か、ヨクフルさんとカルクフさんが仲良くなった時、 缶コーヒーの横にはこう刻まれるはずです。 『中途半端に振ってからお飲みください』と。 |
未来 : ……うーん、どうしろと? |
久遠 : まぁなんて書いてあろうが全力で振りますけどね。 |
未来 : …あそう。 |
久遠 : あ、ちなみにテクダサイ兄弟はソーセージ工場で働いてました。 |
未来 : コーヒー関係無っ!? |