猫の肥満細胞腫は、皮膚の腫瘍としては2番目、脾臓の腫瘍としては一番ポピュラーな腫瘍で6歳以上の中高齢の猫に多くみられます。肥満細胞は本来、体の免疫反応にかかわる正常な細胞ですが、この細胞が無秩序に増殖することから腫瘍が生じます。皮膚にできた場合は比較的良性ですが、脾臓や腸管にできた場合はほとんど悪性で、慢性の嘔吐や下痢を伴うでしょう。早期診断、早期治療が望ましく、外科手術で腫瘍を完全に切除することが、一般に適切な治療法とされています。腫瘍の切除後は副腎皮質ホルモンを投与して再発を防止します。猫は同時に複数の肥満細胞腫を発症する場合があるので、皮膚に新しい 「腫れ」 ができていないかどうか、定期的に調べる必要があるでしょう。 |