4. 生検 (バイオプシー)

生検は、組織の診断を確立するために、組織の一部を外科的に採取して行う検査です。病理学者がこの組織を顕微鏡で調べて診断を行います。この検査によって、病理学者は組織が炎症によるもの、感染によるもの、あるいはがん性のものかを判断します。もし組織ががん性である場合、生検によってがんのタイプや性質に関する重要な情報が得られます。また外科手術を行った場合、手術で腫瘍が完全に取り除かれた (「クリーン」 マージン) か、あるいは腫瘍細胞がまだ残っている (「ダーティ」 マージン) かどうかを判断するためにも生検が行われます。

生検の標本は、異常な組織の一部であったり (切開生検)、切除した部分を含む組織の大きな固まり (摘出生検) であったりします。標本が摘出か切開かの判断は、獣医が行います。

組織を採取したら、組織を10%のフォルマリン溶液に漬け固定します。固定とは生検する材料を保存し腐敗を防止する方法です。組織で顕微鏡用のスライドを作成し、病理学者がこのスライドを調べます。診断は3日ほどででますが、調べる前に柔らかくしておく必要のある骨の生検などの場合はもう少し長くかかるでしょう。細胞、細胞生成物、バクテリア、菌類などを特定するため、特殊な染色技術が必要なこともあります。難しい、またはまれなケースでは、病理学者が他の病理学者に意見を求めることもあるでしょう。