猫の宿命:慢性腎不全 Part 3

フラワーエッセンス (レメディ):
2年ほど前お兄ちゃんの激しいマーキングで悩んでいた時に、わらにもすがる思いで購入したフラワーエッセンスですが、試したもののほとんど効果が見られなかったため、以降ずっと戸棚の奥にしまってありました。しかし、をやじくんの看病をする中で、さんざん嫌な事をされるをやじくんにもストレスがたまっている事は傍目にも明らかでしたし、嫌な事だとわかっていながら、をやじくんのためにはどうしてもその嫌な事をしなければならない自分にも相当なストレスがたまっていたため、またフラワーエッセンスと本をひっぱりだして来て、もう一度ダメ元で試してみる事にしました。それまで、レスキュークリームだけは常に近くに置いてあり、お兄ちゃんが落ち着かない時は塗るとすぐに静かになってコトンと眠ってしまったり、それまで眠っていた小次郎やしゅうが起きぬけに時々喘息のような発作を起こすので、その時に鼻先に塗って舐めさせると、途端に発作がおさまる様子を見ていたので、フラワーエッセンスを完全に否定していたわけではなく、何かしら効果を感じてはいました。

まず、家にあった「ペットを癒す花療法」という本で、もう一度レメディのおさらいをしました。レメディは38種類あり、当然ながらそれぞれ適用が違うので、選択を誤れば特に害は無いものの、期待する効果も得られないため、一生懸命をやじくんと、当時目の重い病気にかかってやはりストレスにさらされていた小次郎、そして理由がわからないまま日に日にマーキングがひどくなっていくお兄ちゃんのためにレメディを選びました。しかし、どうもその本だけでは納得の行くレメディを選ぶ事ができなかったため、レメディを発明したエドワード バッチ博士の名を冠したバッチセンターのサイトに行ってペットに関する情報を調べたり、海外のペット専門にレメディの適用を説明したサイトをいろいろと探して情報をかき集め、やっと納得の行くレメディの選択ができました。(人間のための説明ではどうしても動物にあてはめられない部分があるので、やはり動物を対象としてレメディを適用するための情報を集めたほうが何かと参考になりました。)

各にゃんずに選んだレメディの細かい説明は省略しますが、とにかく結論から言うと、実は自分に一番顕著な効果がありました。平日の仕事に加えて連日の通院と早朝から深夜までの猫の世話で疲労はピークに達していたので、まず疲労に効くというオリーブを選びました。そして、愛する者に対する過度の心配に効くというレッドチェストナット、あとをやじくんに対して嫌な事を強いているという罪悪感に恐ろしいほどにさいなまれていたので、パインを選びました。そして毎日朝晩飲んでいる漢方薬にこれらのレメディを数滴落として何日か飲み続けたのです。すると…ある日突然、何もかもがどうでもよくなりました(^_^;) 誤解されては困りますが、それは決して投げやりなネガティブな感情ではなく、どこまでもポジティブで 「悩んでいても、なるようにしかならないし、あとは自分の気持ち次第で何とかなる」 という完全に迷いがふっきれた感情でした。

それまでは、注射をするたびにをやじくんの表情が怒っているように見えて、「こんなにをやじくんのためを思って努力しているのに、をやじくんに怒られて、嫌われるなんて」 と悲しくなって大泣きしたり、それが昂じて今度は荒れ狂って壁に物を投げつけてみたりと、とにかく感情のコントロールができなくなっていました。幸か不幸か母屋とは離れた猫小屋での出来事で周りに誰もいなかったので、余計に理性の箍が外れて感情が剥き出しになってしまったようでした。そんな私の様子を見て、をやじくんはいよいよ能面のような無表情になり、隣の3にゃんずは恐れをなして私が近づくと走って逃げるような状態でした。

しかし、迷いがふっきれてからの自分は、なぜか何をしても苦にならなくなりました。それが注射であろうと、強制給餌であろうと、をやじくんが嫌がる事だとわかっていても 「注射をすればをやじくんの調子が少しは良くなるだろうし、ご飯を食べれば少しは体力も維持できるんだから、多少をやじくんが嫌がっても仕方ないじゃん」 くらいの感情しかわかなくなりました。当時の口癖は「をやじくん、怒ってる?」でしたが、それも「をやじくんは怒っていない、ただ具合が悪くて体がつらいから、以前のように甘えた態度が示せないだけ」 と自己暗示をかけるための言葉だったように思います。その結果が、注射のときのお医者さんごっこであり、強制給餌の時のおままごとでした。嫌な事をする時間も楽しい時間に変えられる、レメディにはそんな効果がありました。

その後、感情の変化に応じて飲むレメディも変わりました。オリーブはずっと飲んでいましたが、いよいよをやじくんの容態が悪くなった時は、目前に迫った変化にそなえてウォルナット、をやじくんが亡くなってしまった時はとにかく感情を落ち着けるためのレスキューとこれ以上ない悲しみに遭遇した時のゴース、そして少し時間が経って、ふとをやじくんの事を思い出しては涙が出る時は、いつまでも思い出に浸って過去に生きている時のためのハニーサックルを選びました。そのおかげか、をやじくんの死はもちろん非常に辛いものでしたが、思ったほど落ち込む事もなく何とか乗り越えられたような気がします。

もちろん、やるだけの事はやったという満足感というか達成感のような物があって、同時にもうをやじくんに辛い思いをさせなくて良いんだという安堵の気持ちがある事も一因だとは思いますが、それにしても、やはりレメディに助けられてなんとかをやじくんを見送って、そしてその後の自分の感情のケアも、比較的スムーズに環境に合わせて移行させる事ができたような気がします。これからもずっとレメディにはお世話になると思いますし、ある意味レメディは我が家(ニコニコファミリー)の、そして自分の必需品の一つになりました。科学的にその効果を証明できる物ではないのですが、レメディおそるべし!というのが今の正直な感想です。レメディに出会えて、レメディを持っていて、本当に良かったです。


自宅でをやじくんに注射を始めた頃が、実際にをやじくんと一緒に腎不全との闘いを始めた時期だったと思います。そう考えると注射を始めたのは2006年4月、をやじくんが亡くなったのは2007年7月ですから、長いようであっという間の1年3ヶ月でした。この間、本当にいろいろな事があり、たくさんの経験をさせてもらい、精神的にもどん底まで落ちたり、そこから這い上がってきたり、とにかく人生の中でこれだけがむしゃらに、なりふり構わず生きた時は今までに一度もありませんでした。

をやじくんがどんな気持ちで毎日病気と闘って、どんな気持ちで旅立って行ったのか、残念ながら私には知る由もありませんが、をやじくんは記憶や感情、経験という形で私に膨大な遺産を残してくれました。これからの私の人生において、そして残された猫たちを世話していく中で、これらの遺産が多いに役立つ事は間違いありません。をやじくんは私にとって偉大な人生の師匠だったのです。もう一度、をやじくんには心からお礼を言いたいと思います。ありがとう、をやじくん。そしてお疲れ様でした。をやじくんは最後まで力の限りがんばりました。そして、おこがましいかもしれないけど、私もがんばったよね? でもこれに満足せず、私が虹の橋に行った時にをやじくんに誉めてもらえるように、これからもがんばってにゃんずの世話をしたいと思います。


Page created: 2007.8.15