調査者へ!


最近ネット上で「アンケートのお願い」なるものをしばしば見かける。 中にはきちんとしたものが無い訳ではない。しかし、そのほとんどは詐欺かペテンのような モノばかりである。
そもそも正確な統計が成立するにはいくつかの条件がある。また、調査 (アンケート)を依頼する場合注意しなければいけない点がある。最近どうも目に余るものが多いので 少しここに書いておこう。
学生の頃勉強したものなので、いまいち詳しく覚えていないが、思い出せる範囲で書いておく。
以下、先日、私の友人のページに上記に該当する不埒な調査依頼が書き込まれていたので
怒りにまかせて書いた。読みにくい部分等多いと思うが、了解されたし。

1、「有効な統計」とは

 サンプル(調査対象者のことをこう呼ぶ)がランダムに選ばれているかどうか。
例えば選挙など、調査対象が大規模である場合、3000人からなる、乱数表によって選択された (抽出された)対象者に対して調査が行われ、十分な回収率があってそこで初めて「成立」する。 無論、調査者を選ぶ際に、調査する人間の意志が入っては一般性を欠くため統計としては無効である。 例えば、街頭アンケートや、自分が見つけた人にたいしてメールで質問するなどは、 いい加減であり、信頼性のある統計とは言えない。テレゴングなどは言うまでもない。 正しい方法で行われた調査に基づかない統計は、科学的には無効である。 読者諸氏、そんなものに答える必要は全く無いぞ。
 ただし、統計としては無効であるが、インタビュー結果をもとに何らかの仮説を立てる事は 可能である。しかし、そういう物を成立させるには対象者との信頼関係が 大切である。
2、調査する際の注意

 言うまでもないが、礼節を持って接するべきである。
当たり前ではあるが、先方には先方の事情があり、全く違った価値観や真実によって 生活している場合もありうる。調査の際には何故対象者が選ばれたのか何のために行う研究であるのか。
端的に分かりやすく説明しなくてはいけない。

それは最低限の事であり、できないのなら調査などすべきでない。
 また、調査者は相手の意志を最大限尊重しなければいけない。
言うまでもないが、人の掲示板に勝手に管理者に無断で電話番号やメールアドレスを書き込んで、 意見を募集したりするなどは言語道断である。その上、勝手に書き込んで管理者や 参加者に不快な思いをさせておいて、抗議を受けてから自分の理論を正当化し、言い訳をするなど 言語道断である。

一つおはなしをしよう。
某有名国立大学のある教授は、ある学問の分野では大変高名なセンセイである。
しかし、調査の分野では、別の意味で高名である。
「このセンセイの調査の後にはぺんぺん草も生えない」
このセンセイの調査は横暴で、調査に応じない住民を罵倒したり、協力してくれた役所に 苦情を言い、挙げ句に「私の調査は社会にとって有益なのだ、理解できない奴は馬鹿なのだ」 とも言わんばかりの理屈をこねて、後から別の調査で入っていく他の研究チームが非常に迷惑している のだ。何故なら、このような調査の後では、住民が当然非協力的になってしまい、住民に迷惑 なだけではなく、他の研究、調査にとっても問題になるのである。
何にしても、対象者は独立した意志をもつ人格であり、信頼関係の構築は非常に難しいものである。

3、おしまいに

日本の学者に一言!
何故か我が国の学者は、人間として破綻した人間が非常に多い。 破綻した人間の考える学説などは、百害有って一利無し、 迷惑なので一般社会に入ってこないで欲しい。我が国は技術立国だが、その技術のほとんどは 現場の技術者によって生み出されており、大学のおエライ、大センセイの頭から出てきているので はないのである。無駄飯ぐらいの大学の関係者の方々、ただ、どうしても入りたいのであれば、 生活者としての視点をしっかり身につけてきて欲しい。
健全な魂の無いところに、健全な学問など宿るはずはないのだ。