エッセイ 山梨のかけ流し温泉
撮影の後は行きつけの温泉で
二日前の予報では雨だったのに、朝起きたら目が痛くなるほどの眩しい光が射してい
た。
梅雨時のしかも山の天気はこれだからわからない。どんなに腕のいい気象予報士
でも的確な予報は出来ないだろうな。
前日、車から家の中に移していた機材を再度、愛車に詰め込み、トーストとコーヒーの
簡単な朝食を済ませて(簡単といっても、トーストはバターの上にアカシアの蜂蜜を
ぬった手の込んだ?ものである。コーヒーはトラジャのシングルビーンを荒く挽いて
ドリップし、ストレートで)R20を北上。富士見町を通り蔦木の道の駅を過ぎた所から
左折し小淵沢方面に向かった。ここの道の駅は相変わらず大型トラックでいっぱいだ。
休日ともなれば観光客の車もそれに加わる。ここには温泉もあるし、美味しい蕎麦も
食わせてくれるから、自然と賑わうのもわかるような気がします。
小淵沢ICを右に見ながら八ヶ岳沿いの道路を清里方面へと向かった。最近は、この
辺も様々な施設が出来て完全な観光スポットなって都会からの入り込みが多く、閑静
な避暑、別荘地というイメージが遠のいてしまった感がある。アウトレットまで出来てる
けど、この地にはどうかなあ?確かに広い土地があり、ICにも近くアクセスがいい点は
御殿場のそれと似ているが、季節的にハンデになる冬場の集客率は比較にならない
のではないだろうか?観光ついでに寄るといったレベルでは経営的にどうなのかなあ。
などと経営者でもないのにあれこれ考えていても、しょうがない。そうこうしているうちに
甲斐大泉を走っていた。天女山入り口の信号が先に見えてきた。右折すると何回か
行った事のある俳優の柳生博さんのお店があるけど、今日は曲がらずに直進!
まきば公園を過ぎてから少し行き、レンゲツツジの様子を見に美しの森に寄ってみた
。「あれ?終わっちゃったのかな」とよく見ると、まだこれからのようだ。
すぐにUターンし、その下の清里の森に行った。
緑の広い広場があるので、お弁当を持って行くにはいい所です。
一時の活況を呈していた頃の清里ほどではないにしろ、休日には未だなお賑わって
ます。昔と違うのは、若者だけではないって事ですね。それだけポピュラーになっている
ということかなあ。
思うに、ここ清里しかなかったらそんなには栄えてなかったであろう。八ヶ岳エリア
全体として訪れるスポットが増えたために、ここもまだ、賑わっているのでしょう。
R141に抜け、それを下って行くと必ず立ち寄る場所があります。
One Happy Parkというところですが、観光地によくあるスーベニアショップです。ここで
トイレ休憩をして、ソフトクリーム(今回は巨峰ソフト)を食べ、一息ついたところでその店
の前にあるポピー畑へ。
Minolta Dimage Xt
一見、見事に咲いているように見えるが近寄って見ると、1週間ほど遅かったようだ。
咲いているのも多いが、花を落としてしまったものも多い。ワイドで同じフレームに入れ
るのにはちょっと絵になりそうにもないので、つけていた28-135mmレンズを100mm
マクロにかえ、いいところだけを切りとることにした。
CanonEOS D60
絵画であれば、枯れているのも咲いているように描けばいいのだろうが、そうもいかん。
写真は引算、絵画は足し算とよく言われる所以はここにあるのかな。
One Happy Park
このお店の前に、6月下中頃行くとポピー、マーガレット、ルピナスなどが見られます。
被写体に満足出来なかったので、適当に切り上げて次の目的地、竜王町に向かった。
次の、と言ったが多分ここが最終になるでしょう。
通称「あわあわ」と呼んでいる、かけ流しの温泉です。ある日、ブドウ畑を掘ったら、
なんと温泉が湧いちゃった!というお宝みたいな温泉です。
私がなぜここを気に入って常宿ならぬ常泉にしているか!というと熱ーいのが苦手な
私にちょうどよい湯温だからです。初めて入ってぬるいなあと感じる方もおられるかも
おられるかもしれませんが、出た後は身体がポカポカ。とってもいいお湯ですよ。
湧き出した原泉をそのまま循環も過熱もせず浴槽にダイレクトにひいている、いわゆる
かけ流しだからです。
湯につかると身体中にきめ細かな気泡がまったりと付着してきます。湯が入り込んで
いるところにいればすぐに泡だらけ!だから、常連さんはここをあわあわと呼んでいます
この泡がはじける時にマイナスイオンでも出るんでしょうかね?
清里からR141を下ってきてR20を横切り、ちょっと狭い道を走って行くとこんな住宅街
の中に!というところにあるんですが、やっと到着。
自前の温泉セット(といってもリンス入りシャンプー、ローション、黄色いケロリンタオル
ぐらいですが)を手に玄関に向かうと、スキンヘッドの気さくな番頭、山口さんが出迎えて
くれました。
暫し談笑の後、浴室へ。先客は3人でした。内風呂と露天を2往復ぐらいしてあがり
ました。ここの源泉は飲泉が可能で、休憩室のポットには冷えたそれがあり自由に飲む
ことが出来、もちろん浴槽の湯の出口にはコップが備えてあります。さらっとして飲みや
すいです。お持ち帰りも自由なので、空のペットボトル持参で近所の方は入りに来てま
すね。容器がなくても番頭さんに言えばくれますので手ぶらでもOKです。帰りには荷物
になりますが。大五朗とかの空容器がごろごろしてましたから。
番頭さんはバイクにも乗っておられた人で、お隣の納屋にはホンダCB,ドカッティとかの
名車が格納されてました。私も、バイクにはロケハンする時に乗ったりするので(今、
SUZUKIの125ccのオフ車に乗ってます)落ち着いていられず「わー!いいなあ」といい
ながら撫で回してました。
この納屋は「ずーっと前、蚕を飼っていた所なんですよ」と番頭さん。
そういえば繭玉らしき痕跡が。昔、養蚕が盛んだったのかな?
長野県の岡谷、諏訪地方では製糸工場とかがたくさんあって、盛んだったらしいけど。
信州の人は、蚕を食べてしまうという話を聞いた。ハチの子だの、ザザ虫(伊那地方の
川でとれる虫)、ヘビ、イナゴ等食べたよーという話も前に聞いた事がある。
温泉への到着がちょうど昼飯とバッティングした時には(たいがい、時間に合わせて
行くんですが)ここから歩いて2,3分の所にある七重(ななえ)というお蕎麦屋さんに
行きます。自ずと注文する物も決まっていて、天ざる大盛りとトリモツ、もしくはトリモツ
丼なんです。
ここのトリモツが、また絶妙な味でして、車で来てなければビールも頼むのですが。
基本的にレバー系は苦手な私ですが、これだけはいけますね。
おすすめ度★★★★☆です!
この後、休憩室に戻り、たっぷりくつろいでから我が家のある八ヶ岳の麓に向かいました
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