カンディンスキー<即興35>による小曲
ストリングス&オルゴール・バージョン


カンディンスキーの抽象画といえば、無調音楽という感覚。。

じっさいシェーンベルクらとの親交もありました。が、彼の絵

をささえる造形性と雄壮さから、私には(それらの絵の背景に

ある彼の政治的混乱に対する確固とした態度や鋭い時代認

識、人間と創造行為に対する慧眼、等々を踏まえた上で)、抽

象画に至る以前のやや錯綜した彼の絵にすら、いわゆる世紀

末的な闇や絶望的・悲観的なもの、また不可知論的な不協和

感を、素質的・根元的には殆ど感じられないようにも思います

…。勿論、本来この画には、無調とまではいかないまでも、交

錯したハーモニーを組み込んだうえで見通しのきく音楽、のよ

うなものが、本来妥当かと思われます。それにしては専らハー

モニーの「調和」のみによって成立つ曲になってしまいました。