第10週  


3月1日(水)   「位相」

 特定の立場の表明は、他の立場の論理や感情や意思を全く持たぬものと誤解されやすい。他の立場を半ば共有する場合、最終的な判断のみを語ることは、できるだけ避けなければならない。

 これは、己の名誉や自尊心を守らんとするだけではない。問題の解決・合意を求める上で、必要なことだろう。

 意識を、社会的な位相に置かないこと。己の人格と精神の内奥に置くこと。



3月2日(木)   「実名報道」

 この問題の是非を考えるに当たって、考察すべき観点。

 現行少年法の法体系と法理念に抵触していないか?
 少年の更生の妨げにならないか?
 再犯の防止という点で影響はないか?
 被害者およびその家族の人権や意思・感情への配慮を十分果たしたか?
 法と正義を規範とする社会秩序を保ち得たか?
 国民・市民を守る国家・社会の責任を果たし得たか?
 憲法に則って、個人の人権と平等が尊重されたか?

 以上の問題が考察されなければならない。その際、こんにちの犯罪の実態も、十分に検証する必要がある。


 

「八ヶ岳高原だより」