マウス-オンにすると、自作の構図参照図解が出ます。

遠近法消失点とされるものは女性の右腕にあると思いますが(壁の影も効果的に使われています)、他にも集約点のようなものを見い出すことのできる作品です。また人物や家具の描線を使ったきれいな二等辺三角形があちこちに見い出されますが、それらが構図の均整をとりつつ、集約点である画のテーマへと視線を凝集するよう導いています。ミルクメイドの画では、画面中央、女性の頬沿いに暗示的垂直描線が貫通し、それを軸に出来る三角形が人物の堅固さと安定感を強調していること、また最終的にはその三角形に「含まれる三角形」によってポットをおよそ中央にした静物の三角構図へと収斂されているのがわかると思います。(相似形の二等辺三角形の中に、静物まわりの三角形がきれいに重なって入っています)。身体(服)の線や時には遠近法消失点のための描線をも使いながら幾つか三角形構図が出来ています。また壁に釘がさしてあり、それをたどると色々な秘密が解ります。
これらの効果により不動性と時間の停止性が漂うこととなり、この画の世界を静謐なものにしています。 こうして見ると時間が停まったようなミルクの地点にもやはり視線が収斂されるように綿密に工夫されているのが解ります。
画像:Wikipedia
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