VESPER社製 2ポットキャリパー
03/07/01改正
思ったほど気が付く人が少ない自家塗装キャリパーです。
この方法は非常に応用性が高いので暇な人はチャレンジしてみましょう。

 

ホイールから覗く色のついたキャリパーはやはり憧れますね。かといって色を塗って終わらせればありがちな小技。
ブレンボのようにロゴが欲しい…でも当然ステッカーは貼れないしエンブレムなんてもってのほか。
ならばブレンボのように塗装をしてしまえ!!
作業はキャリパーを外して行なうのが一番綺麗に仕上がります。
まずはベースカラーを塗ります。塗料はキャリパー用塗料の使用を強くお勧めします。普通の塗料も実は過激なスポーツ走行しなければ焼けて変色したりせずに耐えてくれるものですが…意外な落とし穴があります^^;
この時点でロゴを入れる部分は全てグラインダーで凹凸を削り落としやすりをかけて平らにしてあります。純正のパーティングライン程度は削っても本体に影響はありません。
多分メーカーロゴがある場合でも削って問題無いと思います。エボへのスカイライン用4ポット流用でも可能な技だと思いますので試してみてはいかがでせうか?
次に実際にキャリパーに入れたいサイズにロゴを印刷します。今回は普通の粘着シートに印刷しております。
どうやってデザインするの?とかどっからロゴは手に入れるの?とか基本的なことは自分で考えて下さい。
マスキングテープをカッターボードの上に貼り付け、その上に先ほどの粘着シートに印刷したロゴを貼り付けます。
ワシは見ての通りいきなりボードに貼り付けていますが、お勧めはガムテープを綺麗に並べて張ったその上に張る方法です。 こうするとマスキングテープの粘着力の劣化を極力抑えられるからです。
ここまで来れば判るかと思いますが、先ほど印刷したものに沿ってカッターで切っていくことにより目的のロゴにカッティングシートを綺麗に切る事が出来るのです。
この方法はステッカー自作にも応用できる技ですので覚えておくと非常に便利です。
実はここまで細かいロゴ(特に左のマーク)は後で大変苦労します(;´Д`)
カットが終わったらロゴ部分を綺麗に抜きます。 角までしっかり切り込みを入れないと剥がし始めたらしっかり切れていなかった…と言うありがちな悲劇が訪れます。
ロゴをくりぬいたら表面の印刷をしたほうのシートをはがします。慎重にやりましょう。いくらマスキングテープの上とはいえ、粘着シートです。ミスればマスキングシートが逝ってしまいます。
この状態でロゴを残し、周りを剥がして転写シートに写せばステッカーの出来上がり、キャリパーの地の色を綺麗に出せたのならロゴ部分だけをキャリパーに張ってからベースカラーを塗るって手もあります。
これまた慎重にカッターボードからはがし、キャリパーに貼り付けます。ご存知のとおり水色の部分がキャリパーに密着していない所。紫っぽくキャリパーの色が透けて見えているところが密着している所です。正直ロゴ周辺以外は密着している必要はありません。
細かな部分ほど綺麗に貼れていない事があるものです。で、そういったところほど汚くて目立ちます。はみ出したりすると最悪なのできっちり貼り付けましょう。
塗装に入ります。この時点でも使用する塗料は必ずキャリパー塗料を使用してください。私はこの部分の塗装は白のキャリパー塗料が見つからなかった事と、塗る面積とコストを考えて耐熱・耐候塗料を使用しました。しかしこれは大きな失敗でした。
塗るときは可能ならばスプレー式のものを推奨します。筆塗りはコツがありまして、場合によっては非常にシビアなものになってしまうからです。簡単に言えば大抵の場合は後から塗った塗料がベース色の塗料を溶かしてしまい、色が混ざってしまうのです。
焦らず急がず、薄く塗って乾くのを待つ…辛抱強く作業を行なう事が重要です。
塗料が換装してきたら完全乾燥前にマスキングテープを剥がすのが理想です。が、これに関しては経験がものを言いまして、あまりお勧めは出来ません。成功すれば最高ですが失敗すると悲しい事になります。
完成です。
個人的には綺麗に片付けをした場所で作業を行なう事をお勧めします(;´Д`)
塗料によるのですがしっかりと厚い塗膜が完成していれば取り扱いに特に気を使う必要なく、意外にも丈夫なものです。
しかし、これはあくまでまともな塗料を使っていればの話です。

塗料の選択 私は本体からロゴ、全ての塗料にキャリパー用塗料をお勧めいたします。一番心配されがちな耐熱性ですが、正直、これは意外にも普通の塗料でもかなり耐えるようです。あまり明るい色は焼けたときの変色が激しいかもしれませんが、スポーツ走行のようなハードな使い方をしなければ問題は無いようです。
一番の問題はブレーキクリーナーです。大抵のキャリパー塗料は焼付けまで行なうとクリーナーごときにはびくともしないのですが、一般的に売っている塗料はこれに負ける可能性を秘めています。工場なんかに車検に出した時に強力なクリーナー使われると悲しい事になる可能性が非常に高いです。
上で書いたとおり、ワシはロゴ部分に普通の対候・耐熱塗料を使っていたのでクリーナーの1撃でこの有様です。工場の方が気付いてすぐ止めたのでこの程度ですんでいますが… 赤の塗料はキャリパー用なので全く落ちてはいませんが、ロゴを消す気にはなれないのでワシのキャリパーはなかなか綺麗に出来ないのです…
1色に塗装したのならまた塗ればいい事ですが、今回のような細かな作業をした場合は修復が本当に手間になります。
ただし、全ての塗料が駄目だとは限りませんし、全てのブレーキクリーナーが塗装を犯すとは限りません
塗料の選択
その2
キャリパー用塗料の耐久性について実践してみました。 比較ではなく実践ですのであしからず。
クリーナーをかけた時に表面は確かに侵されます。が、いきなり溶け出すってことはありません。しかし、この状態で擦ると、塗膜の厚さにもよりますが、まずアウトですので気を付けて下さい。
もうひとつの問題は、クリーナーにより溶け出したキャリパーの汚れが塗膜に固着してしまうってことです。こればっかりはどうしようも有りません。
以上のことを踏まえるとどちらにしても簡易的で良いのでロゴ面等も保護するのが正解です。
引き続き、クリーナーに対する塗膜の強さをボディーカラーやホイールカラーで試してみたいと思います。
下地塗り 今回はキャリパーを外した状態で行なっていますが、下地塗り程度なら車体につけたままで可能です。溢れんばかりにブレーキクリーナーをぶっ掛けて油分は確実に落としましょう。 塗膜は基本的に厚めにすると仕上がりはきれいです。
プリンタ出力 基本的な事をひとつだけ。ピクセル寸法って言うのは、言うなればパソコンの画面で見たときのサイズと考えて下さい。出力サイズって言うのは印刷した時の大きさです。綺麗な画像なら出力サイズは小さいけどピクセル寸法はでかいです。逆に印刷サイズをいくらでかくしてもピクセル寸法が小さければ綺麗な画像は出力されません。
ガムテープベースの応用 ガムテープとは言っても布テープよりも紙テープのほうがお勧め。粘着物の一時非難のほかにもパテをこねる時のベースにも使えます。ただし、あんまりしっかり圧着すると粘着部分が残ってあとでベースが汚くなったりもします。カッターボード(カッティングボード)ならシンナーぶっ掛けて落とす事ができるものもありますが。ここら辺は材質にもよるのでご注意。
ステッカーへの
転用
カッティングシートでステッカーを製作する時にも使えます。この場合はプリンタで出力する際に左右反転させて出力し、台紙側に貼り付けて、画像に沿って切っていく事で転写の手間が省けます。ただし、粘着シート、台紙の下が本命のカッティングシートですのでそれなりにしっかりと刃を入れなきゃだめです。
ステッカーの場合はこの後で転写シートに移しませう。
ロゴの塗装 ワシは筆で塗っていますがスプレー塗りを推奨します。理由は上記のとおり。薄く塗っては乾燥させを繰り返して厚い塗膜を確保します。この方法だと特にテクニックは要らないのが嬉しい所です。必要なのは希望色のキャリパー用スプレーと根気だけです。
さて、筆塗りのコツです。模型の塗装ならラッカー塗料の上にエナメル塗料を塗るってことで下地を生かしたまま塗装が出来ます(肌色塗った上に瞳のペン入れなんかはエナメル使いますね)が、今回はそうもいきませんので、主な目的は下地を溶かさずに塗料をかぶせるってことです。 筆にたっぷり塗料をつけてベタぁ〜。これ、一番悪い例です。下地を溶かした上に溶けた下地を筆でかき回すわけですから。少なめに塗料を含ませた筆でさっと塗る。乾くまで2回目は塗らない。これが重要です。これを繰り返せば少し厚みをもったそれっぽいロゴが仕上がります。 ホント、必要なのは根気です。
マスキングシートを剥がす これは経験を積むしかありませんし、ワシも必ずうまく行くとは限りませんが…
完全に乾燥すると当然塗料は硬くなります。別にそれは構わないのですが、このときにマスキングシートが塗料に完全に食いついてしまう事があります。ケバケバが残ったり、細かな部分が塗料の下に完全に埋まってしまってとれなくなったり…時にはシートと一緒に塗料が固まりで剥がれたりもします。(まぁ、その程度にしか食いついていない塗料は剥がして塗り直した方が良いのですが…)
ここで登場するのが乾燥直前に剥がすって方法です。乾いていなかったり半乾き・生乾きだと剥がした時にぬちゃ〜っと糸を引きますが、糸が引かない程度に乾いていてそれでいて完全硬化していない状態で剥がすと塗装の境目が非常にシャキッとした仕上がりになるのです。
ぶっつけ本番ではなくて、どうでもいいようなものを塗った時とかに試してみて、コツを掴んできたら実際にチャレンジしてみると良いでしょう。