Formula-1 1993 ヘヴンリー・シンフォニー

販売:セガ


「こんなタイトルつけるから…」

フジテレビの協力を全面的に受けて制作された(っていうかこのころからF-1モノのゲーム化の権利をフジテレビが持っていてF-1ゲームを作る時はフジテレビの許可を得なきゃならなくなってしまったんだが。)F-1ゲーム。所々に出てくるムービーなんかがフジテレビのものなんだろうか。ちなみに、スーパーバイザーは元「鈴木保奈美のダンナ」こと、えーと…なんていったっけ、この人(笑)テレビ中継のピットレポーターやってて、パドックで英語でレーサーにインタビューするんだけど、レーサーから話を一通り聞いたら自分だけ納得しちゃって「以上でした」って実況席に返しちゃうんだよな。仕方なく解説の森脇さんが要約してくれたりして(笑)。ってその人。

ゲームは良くあるシーズンモードに加え、シナリオモードがある。F-1の16戦のある1部分だけにスポットを当て、そこをプレイする。「32周目、14位の○○、35周までに12位に浮上できるか?」といった感じ。スタート前と終了後にムービーが流れる。終了後のムービーは結果によって異なり成功すれば表彰台で喜ぶ選手のムービー、失敗したらヘルメットを脱いで憮然とする選手のムービーといった感じ。

シーズンモードはオリジナルの「セガ・パーク」をまず走らされて、タイムの計測を行う。このタイムの結果によって、契約できるチームが変わってくる。
大抵の人は、

君のタイムは○○秒●●だ。
ウイリアムズ、ベネトン、マクラーレン、
と出て、「おおっ」と思ったところで、
以外のチームからオファーが来ている。

というセリフが続き、がっかりさせられる(笑)。
その後、第1戦の予選へ。この予選はいい雰囲気が出ている。テレビモニターで他のマシンの順位を確認しつつ、適当なところでコースへ出て行き、タイムを出した後、ピットへ戻る。そして、自分の順位を確認する。しばらく様子を見ていて、「あ、抜かれた。もう一回行くぞ」…というこの作業はなかなか本物に近い。ただ1周走らされて「はい、○位でした」みたいなよくある味気ないものではない。

さて決勝。この決勝はF-1のチーム力とレギュレーションの不公平さ、そしてCARTNASCARのレギュレーションがドライバーだけでなく、観客などのことも考えた、非常に優れたものであるということを再認識させてくれる。F-1は上位6位までしかポイントがもらえない。そしてこのころのF-1で強豪チームとされるのは3チーム。ぴったり6人。その下のチームではポイント獲得もままならない。しかし、これはゲームが悪いんじゃない。7位もリタイアも同じというF-1のレギュレーションが悪い(笑)。たとえばNASCARでは、1位が175ポイントで、以下170.165.160.155.150.146.142.138.134.130.127.124.121.118.115.112.109.106.103.100…とはるか下の方の順位までポイントが設定されている、更に1周ごとに1位のレーサーに5ポイント、一番長く1位をキープしたレーサーにも5ポイント。完走さえすればポイントが入るのだ。だから、ドライバーは多少の事では簡単にリタイアはせず、できる限り完走を目指そうとするのだ。しかも、大量にポイントが入ることもあり、F-1みたいに「早々にチャンピオンが決定してしまい、あとは消化試合」みたいなこともない。

ところで、この「天国の交響曲」というタイトル。セナびいきの実況でセナファン以外から反感を買っていた(笑)古舘伊知郎がよく実況で使っていた「走りの先に神が見える」みたいな(実際セナがそういってたらしい。おれはマンセルファンだったんで古舘の実況は嫌でね(^^;)。言葉に由来すると思われる。しかし、マクラーレンの27番だけ実名ではない。おそらくセナだけ権利が独立していて使えなかったものと思われる。オプションモードでここだけ名前が付けられるので、プレイヤーが「A.SENNA」といれておけば済む。

しかし、これがリリースされた直後に起きたのが、サンマリノ・イモラサーキットのセナの事故である。「HEAVENLY」という名前といい、セナの名前が入っていないのといい、なんか不気味である。

P.S.ロータスにアレックス・ザナルディがいてびっくり。


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