-----Always Special Morning 5-----




和行と陽一が出かけた時から、俊作の仕事が始まる。
「さーて。ゴミ出し、ゴミ出し♪」
まずはゴミ出しだ。
ゴミ袋を持って収集所へ行く。
収集車が来る前に持っていかないと、置いていかれて次のゴミの日まで家にゴミ袋を置いておかなければならなくなる。
それは臭いし邪魔だし、何より主婦のプライドが許さない。
これだけは忘れないように、と前の日から準備をしておくのだ。カレンダーにもゴミの日には丸印をつけてある。
収集所にゴミ袋を持っていく先々で挨拶をされるのは、ゴミの日恒例行事だった。
「奥さん、おはようございます!」
「おはようございます」
「奥さん、行ってきます!」
「いってらっしゃい」
「奥さん、おはようございます。行ってきます!!」
「おはようございます。いってらっしゃい」
「おはようございます、浅川さん」
「おはようございます。お仕事頑張って下さいね」
これがゴミの日に毎回繰り返されるのだ。しかも数十回。
しかも声を掛けるのは出勤途中の男達ばかり。妻帯者も独身者もお構いなくだ。
ゴミ袋を持つ姿も愛らしい、と男共はかまわず挨拶をする。
それらに一々笑顔で返すものだから、ますますその人数は増えるばかり。
和行はこれを知っているので、注意はしているのだ。
「挨拶を返すのは、まぁいい。だがな、何も笑顔で返すことはないんだぞ。お前の笑顔は俺と陽一のためにあればいいんだからな」
何とも夫の身勝手な言い分だ。
だが和行の言いたいことは明白である。
『笑顔を振りまくな。できれば外で笑顔を出すな』
そう言っているのだ。これを我が侭と言わずしてなんと言おう。
だが俊作は笑顔で返し続けている。
何故と言って、これもご近所づきあいなのだ。それに自然と笑顔で返してしまう。不可抗力というものだが、和行は不満の様子。
俊作の笑顔は老若男女構わず魅了するから、夫としては気が気じゃない。
調子に乗った不埒者が妻を襲うとも知れない、そう考えるだけで怒りで妻を閉じこめそうになる。
まったくもってしょうがない夫である。
近所の男達の挨拶攻撃が一段落すると、別の団体が待っていた。
「あら、浅川さん。おはようございます」
「おはようございます、浅川さん」
「陽一くんのお母さん、おはようございます」
「おはようございます、今日もいい天気ですね」
「まあ、浅川さん。おはようございます!」
ゴミ収集所で井戸端会議を開いている近所の奥様連中だ。独身女性も混じっている。
青島が来るのを今か今かと待っていたのだった。
俊作が近づくと待ってましたとばかりに声を掛ける。まるで相争うように。
そしてその奥様方にもとっときの笑顔を振りまく俊作。
「おはようございます。皆さん早いですね」
にこにこにっこり☆
『ああ、これよ!これが見たかったのよ!!』
奥様方の心が叫んでいたが、あくまで心の中なので俊作には聞こえない。
誰が言えよう。この笑顔見たさに朝早く起きて旦那とゴミ袋の取り合いをしたなどと。しかも全員が全員なのだ。
男女取り混ぜてご近所のアイドルと化している俊作だった。

そして井戸端会議に参加する俊作が今日もそこに見られた。
女性陣が放してくれなかったらしい。




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<のりこさんのコメント♪>

こういうご近所アイドルモノが書きたかったのだ。
満足しないかもな………
次こそは!!息子も旦那も出さないと若奥様の醍醐味が!(笑)



ちょっと遅くなってしまいましたが、若奥様続きです。
ああ・・・やっぱ俊作くんはご近所のアイドルなのね。
当然だよね、旦那とゴミ袋の醜い奪い合いしたってあの
笑顔が拝めるなら安いもんだよね〜!いいな〜!!
そして更には主婦の醍醐味井戸端会議!←私だってしたいさ!
でもって見え隠れする肌に昨夜の痕なんか見つけちゃって
おもむろに「あら・・・奥さん、虫刺され?大丈夫ですか?」
な〜んて聞いちゃって、真っ赤になる俊作くんを堪能するのだ。
ふっふっふ・・・(ニヤリ)←最近変態ちっくだな自分

ところで、のりこサマ。このシリーズはここで一応終わりなんすが。
(8分間ちゅうはあるけど、あれってこれの続き?間にネタありだっけ?)
・・・気が向いたら、いや気が向かなくても(オイオイ)
また(夜のむふふなネタとか(爆))くださいませね〜♪




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