例年ゴールデンウィークは自転車キャンプツーリングを行っているが、今年は松本から東京を目指すウルトラジョギング旅に充てたため(なお2日目の大月でリタイア)、今日が久々のキャンピングになる。体調が戻らず、しかも本降りの雨という悪条件。だが輪行する方が面倒だし、ポンチョを着て松本から東へ向け出撃。中信地方と東信地方を分ける三才山峠を有料トンネルで抜ける。下りで身体が冷え冷えになり、上田市丸子のツルヤスーパーに駆け込み昼食。東信でも山賊焼の取り扱いがあるのね。
雨はほぼ止み、13時過ぎに小諸到着。あの夏で待ってる(なつまち)の聖地巡礼で何度も訪れている街で、とりあえず懐古園から観光。今回は城跡より、動画作りのネタ探しとなる動物園が目当てだったり。流行の「けものフレンズ」に絡めれば面白かろう? 2月にあったライオンちゃんの咬傷事故で長らく休園してたが、再開していて良かった。フンボルトペンギンふるる〜やイグアナのフレンズなんかも居る。
チャリで北の丘を登り、ゲリラキャンプ地候補探しも兼ねて飯縄山公園へ。山頂の小諸高原美術館でみんなだいすき「ろんぐらいだぁす!」展をやっていて、無料で観覧できる。多数の原画やポンタ君の実車などが目を引く。せっかくだから劇中チーム「フォルトゥーナ」のゼッケンクリップを買って行こう。
もう少し登った小諸エコビレッジが第1回グランフォンドKOMOROの受付会場。雨予報だったので体育館内で行われる。参加賞に懐古園タオルハンカチ、羊羹、塩飴、絆創膏があって気が利いている。1万円の参加料に5千円を追加して得られるキャラクターオプションとして、特別なゼッケンとTシャツも受け取る。初音ミク、ろんぐら、なつまちの3つから選べるうちミクにした。つぶしが利くと思ったから…。
出店で使える500円券でクレープを食べ、さらに現金でニコちゃんケバブも買って腹を満たす。まもなく前日祭の時間。ゲスト「さやパカさん」こと声優東城咲耶子さんの司会進行で大盛り上がり。お楽しみの「ゆるふわビンゴ大会」が始まるが、敵は百数十名。どうせ自分はこういうの当たらないだろうし、むしろ撮影に集中していた。しかし妙に幸先が良い? 最初にリーチを掛けた3人のうちの一人となり、そのまま、まさかの第1位ビンゴ! ズラリ並んだ賞品のうち、どれが良い!? ええええ、急に決められないが時間は掛けられない。買えば高そうなフォルトゥーナジャージが目玉だが、慌てて「なつまち地酒」を選択。さやパカさんから手渡し&記念撮影&握手付き。幸せすぎるよ。「運は使い果たすものではない、乗るものだ」といつも力説している私だが、この時ばかりは一生分の運を使い果たしたと思った。そもそも声優さんをこの目で見るのさえ初めてだったのだ。
まぁ賞品が多いので、半数近くの人は何かしら当たるんだけどね。夢の時は終わり、キャンプへ移行。エコビレッジ内にキャンプ場があり、利用許可が得られたのもラッキー。ただし水道は止まっているけど。雨に濡れたチャリに注油など整備を行い、空荷のチャリで一旦街へ下りる。ガストで夕食とドリンクバーがぶがぶ。あとはスーパーで買い出しを済ませてテントに戻り、汗が引くのを待って就寝。
おにぎり朝食とパッキングを済ませ、隣のスタート会場へ。申込時の意気込み欄に「フル装備で頑張ります。」と書いてしまった以上、家財道具一式は全て積載したままにしておく。自炊用具が無いのでフルとは言えないという罪悪感もあったが、なつまち地酒が加わったので重量は遜色なくなった。酒が飲めないくせに、よりによって一番重い景品を選んでしまったわけだ。
募集定員350に対し250名ほどとそこそこの賑わい。浅間山麓一周113.4km、獲得標高2,399mを謳うグランフォンドKOMOROが定刻7時、の10分前一斉に旅立ち。スターターを務める水木一郎=アニキの掛け声に送られる。レースではないが10時間の制限があるので、不測の事態に備え前半はマイペースに急ぎたいところ。まぁ日常クルマに頼り切ってる人ならともかく、チャリ通勤などで走り慣れていれば「ゆるふわ」でしょ。始めはそう考えていた。
車坂峠ヒルクライムのスタート地点あたりを登る。自称クライマーなのでついぐんぐん行き、いつの間にゲストライダーの影山ヒロノブ=サンを追い抜いていた。平坦な1000m林道で東の軽井沢へ向かい、国道146号を北に折れると早くも一つ目のエイドステーション、千ヶ滝温泉に到着する。給食は羊羹とうまい棒程度。
ここから最初の山場、万山望・峰の茶屋越え。霧雨に包まれて景色はまだない。群馬県に侵入し、少し下ると北軽井沢エイド。スティックチーズが目玉で他にバナナ、ヨーグルト、キャラメルを頂く。雨は上がったかな。
県道235号を西に折れ、一旦国道144号「長野街道」まで下りる。さらに県道112号「大前須坂線」に入って北上。かつて小串鉱山・毛無峠に通じた道…これを向こうから歩いて下ってきた記憶はあまりにも重い。干俣の清水は、皆スルーしてるのでつられてスルー。すぐに左折して、明るいバラキ高原登りに入る。コース中一番の高低差で、そろそろ脚に来ているぞ。空はまだスッキリ晴れてくれないが、風光明媚なバラキ湖、水蒸気を上げるキャベツ畑、コース最高点1405mの眺望は素晴らしい。
嬬恋エイドではレストラン形式でうどんやあんこ餅を頂く。だいぶカロリーを消費している身にはちょっと少なく感じるが、グランフォンド糸魚川のように食べ過ぎて苦しくなるリスクはない、か。このへんまでくると、同日開催のグランフォンド軽井沢の連中とだいぶ一緒くたになる。というか伝統あるGF軽井沢に便乗して「MODE ANIMATION」化したのがKOMOROなのだ。どちらの参加者なのかはゼッケン色の他、アニメジャージを着てるかどうかで見分けが付く。自分はクロモリフレームの自転車なので、ガルパン黒森峰ジャージを着用。もう一つ同日に、ここを発着点としたグランフォンド嬬恋もあるが、行き交うことはなさそう。
南へ、下り坂はウインドブレーカーを着用。自慢の痛ジャージを見せびらかすことが出来なくなっちゃうね。コースのハイライト、つまごいパノラマラインは広大なキャベツ畑の眺望。「愛妻の丘」で何か叫ぶと良いらしいが、嫁は百人いても妻はいないんだ。すっかり晴天で暑くなるなか長野街道を西へゆるゆる登り、そのまま鳥居峠で立ち止まらず群馬を脱出。豪快に下りると真田エイド。蒸しおやきとみすず飴、うまい棒を頂く。GF軽井沢に参加中の和製悪魔おじさん=サンを見つけ、旅の話が出来て良かった。付近は真田氏ゆかりの史跡が多く、またぶらぶらしに来たい。
県道4号を南へ。「あとはちょっとした坂が二つくらいだろう」と高を括っていたが意外にアップダウンが多いな。風も強いので、ニコニコ動画仲間のボヌール=サンと編隊走行、というか勝手に後ろに付かせて貰う。日本の原風景的な「稲倉の棚田」を過ぎ、コースはもう東のゴールに向かうだけ。私設エイドを提供しているワイナリー「リュードヴァン」から、しかし湯の丸高原方面へ激坂が現れる。ようやく登り切って下りに入ると、八ヶ岳や美ヶ原を背景に見事な一直線道路が現れる。なるほど、これを魅せたかったんだ。
浅間山を左手にだらだら登りが続く、県道80号「浅間サンライン」は何だかんだでみな歩道通行となる。小諸市に入って左折し、菱野温泉へ向かう坂がエグい。エイド食はどこも控えめで(うまい棒だけ食べ放題)、ハンガーノック気味なのかそれとも単に持久力不足か、腕がしびれている。標識があと2km、1.5km、0.5km…インナーローで耐えに耐え、温泉前の激坂「コークスクリュー」を立ち漕ぎでしのぐ。辛うじて足付き無しで五つ目最終、小諸エイドに辿り着いた。高を括っていたこの区間が一番苦しかったのだ。他の人々もすっかり死屍累々としている。苺、おいなりさん、落雁を頂き、ポニーの田吾作君とポンタ君かわいい。
あとはほんの少し下れば、ちょうど8時間で小諸エコビレッジに帰着。重戦車でグランフォンドを走り切り、良い感じにへろへろになれた。ゴール給食として暖かいそばと「シャカリキにペダルまわした後はアイスクリーム!」ちるちるのジェラートが待っている。間もなく影山ヒロノブ=サンも到着した模様。立哨や審判自転車を含めた大勢の運営スタッフ、そしてエイド毎に話し相手になってくれたボヌール=サンにも感謝したい。
流れ解散で夢のような二日間が終わる。基本、コースを縛られないランが趣味なんだけど、たまにはロングライドイベントも良いものだ。さすがに帰りまで自走とはいかず、輪行で松本へ。列車内でスマホをチェックすると、ロゲイニング日本選手権でチームを組むことになるガクさんがウルトラオリエンテーリングで優勝していたとか。おっそろしいなあ。これからも体力作りに気が抜けない。