3月30日(月)(続き)国鉄カラー
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3月31日(火)頑張れ一畑電鉄
ややあやしい天気。まずは出雲大社へ向かう。すでに廃線になっているJR大社駅跡は、ステビー(駅寝)に使えそうだ。で、出雲大社。神無月(陰暦10月)に日本全国の神がここに集まるから、出雲地方ではその月を神有月というらしい。そんな“超”格高い神社だが、思ったより派手さがなく、参拝客も少なかった。その落ち着いた雰囲気もまたよし。縁結びの神様ということで、でも誰と縁結んだらええんじゃ?
西に向けて走りだすと、今度は島根ワイナリーが。ラッキー、試飲コーナーでワインをガブガブ。お土産の試食も、腹減っていたから丁度良かった。¥0円也。
酔っ払い気味でさらに西へ。右手には宍道湖、左手には時々一畑電鉄のミニ電車が走る。しかし廃線の危機らしい。がんばれ一畑電鉄。
松江駅では待合室で30分ほど昼寝をして、午後は中海(湖)へ。湖の中には大根島があって、干拓事業のための堰堤で渡れる。島の丘が一面の畑になっているのが、まるで北海道みたい。向かい風が強いのがつらいが。
水門橋を渡ると、もう鳥取県。大山(だいせん)は雲で見えない。米子市の海岸にある皆生(かいけ)温泉に行くが、あやしい特殊な浴場ばかり。そんな街を抜けたあたりに“普通の”公衆浴場はあった。旅の疲れを取るにはどっちが良かったかな?
米子の中海側に戻り、湊山公園でキャンプ。強風で炊事にも苦労した。明日の天気は悪いらしい……。
4月1日(水)人間スイッチバック
ついに帰らぬまま4月を迎えてしまった。しかし強烈な逆風に加え、冷たい雨まで降りだしたので米子駅に避難する。こんな天気では走れない。この際、もう列車で帰ってしまうかぁ。かなり葛藤。迷って迷って、もう一日ねばってみることにした。自転車を駅に置いといて、今日は18きっぷで列車旅行だ。
で、山陰本線から超マイナー路線の木次(きすき)線に乗り込む。だんだん客が少なくなり、峠越え区間は7人。うち鉄道マニアらしき人が3人。あ?自分入れて4人? 車内放送を録音しているツワモノまでいる。列車がスイッチバックする2ヵ所では、運転手のその作業を追って、マニア達もスイッチバックするのが笑える。
あとは芸備線、伯備線を経由して夕方には米子に戻り、昨日と同じ湊山公園の、ステージの軒下でキャンプ。少々目立つが…。
4月2日(木)勘違いハワイ
相変わらずの逆風と雨、しかし雨は弱いので、強気にスタート。山陰路は走り甲斐があるのだ。結局、大山をまみえることなかったのは残念。
頑張って走り、昼には羽合(はわい)町に着いた。ここの温泉街、なんでもかんでもハワイっぽくてあやしい。それにしては寒く、客足も少ないが。話のタネとして、ここの公衆浴場『ハワイゆ〜たうん』にも入ってみる。亜熱帯植物、カラフルなペイント、リゾートホテルのプールのような湯舟。でもやっぱり寒い。
さらに西、今日は鳥取市まで走った。鳥取城跡前の久松(きゅうしょう)公園でキャンプ。雨は止んでいる。こうやって公園泊を続けるのはいいが、そろそろ桜の花見客とブッキングするようになってきた。もうそんな季節だ。
4月3日(金)山陰海岸国立公園
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4月4日(土)フィナーレ・四月の花はさくら色
何とテントに霜が降りてる!そして深い霧。今日が一番寒い? そのうち晴れたのでゆっくりテントを乾かしてから出撃。ラン最終日、安全運転で内陸に向かう。こんな日こそ、ブルーハーツの“ナビゲーター”を歌いながら走る。「ああこの旅は気楽な帰り道〜」…。
出石(いずし)町は但馬の小京都、すこし散策。そして後ランに入ってようやく峠らしい峠、登尾峠へ。400mアップ。久々なので、何か感動してしまった。
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4月5日(日)放心の東帰行
暗いうちに起きて、テント撤収。JR福知山駅で輪行し、始発に乗り込んだ。鈍行を乗り継ぎ、山陰本線に比べて格段に旅情に欠ける東海道本線を経由、茨城県土浦駅で降りて自転車を組み立て、なつかしの筑波山を眺めながら、夕方につくばの栗原荘に帰り着いた。無事生きて帰ってきたぞ!
こうして33日間にわたる春の自転車ツーリングから帰ってきた。特に後ランでは19泊連続無料キャンプ、外食も1回のみと、自分が激貧旅行に耐えられる身であることを証明した(もうやだ〜)。
栗原荘のメンバーでお土産を食べながらダベりつつ、やっぱりここが自分の帰るべき家なんだと思った。あまりに私の帰りが遅いので、サイクリング部のみんなが心配してくれていたらしい。そんな話の一つ一つが嬉しかった。心配かけてごめん。
夜、久々に布団で横になった。天井が高い!! 落ち着いて眠るには、慣れが必要だなこりゃ。
そして、サイクリストの一つの目標とも言える全都道府県制覇まで、あと4県と迫った。愛媛・宮崎・鹿児島・沖縄だ。もちろん道も繋げたい。まだまだ、サイクリングを辞める訳にはいかないのだ…!
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