ごはんについて Part 1

わんにゃんの食餌は大きく分けて、通称カリカリと呼ばれるドライフード、缶詰やレトルトなどのウェットフード、そして手作り食の3種類があります。しかも、市販されているフードには数え切れないほどの種類があります。おうちのわんにゃんたちに元気で長生きしてもらうにはどんな食餌を与えたらいいのか、おいしくて安全でお値段も手ごろなフードは無いのか…悩みはつきませんよね。

というわけで、このページではペットフードについて私の思うところを書いています。なお、お高いフードを無理にお奨めしているわけではありませんので、あくまでも私 (我が家) の場合と思って読んで下さいね。それから、内容を読んでフードのことをもっと詳しく知りたくなった方は、ニコニコ文庫 で紹介している 「飼い主が知らないドッグフードの中身」、「ペットを病気にしない」 などの本が参考になりますので、そちらを読んでみて下さい。

どのごはんがいいのかな?

以下に、各フードの長所・短所を簡単に思いつく範囲で挙げてみます。

ドライフード
長所:必要な栄養バランスが計算されている総合栄養食のものが多い。箱から出すだけの簡単さで手間いらず。開封後の保存期間が缶詰よりは長い。硬いのでウェットフードに比べると歯石がつきにくい。単価が安い。

短所:保管状況が悪いと未開封でもカビなどが発生する。水分摂取が少なくなりがち。種類によって好き嫌いがはっきりわかれることが多い。

ウェットフード
長所:水分がたくさん摂取できる。未開封ならば保存期間が長い。物によってはドライよりも嗜好性が良い。

短所:一般栄養食のものが多い (つまり栄養バランスはこれだけでは保てない)。単価が高い。毎日ともなると大量のゴミが出る。ドライに比べると歯石がつきやすい。噛まずに食べられるのでアゴの力が弱くなる。開封したら早めに使い切らないとすぐに酸化してしまう。

手作り食
長所:原材料が人間の食材と同じなので安心。バラエティに富んだ食餌が与えられる。

短所:栄養バランスを保つのが難しそう。手作り故に多少の手間がかかる。

というわけで、それぞれに長所・短所があり、一概にどれが一番良いとは言えないのが辛いところですね。しかし、忙しいこの現代社会においては、ほとんどの方がわんにゃんたちに何らかの市販フードを与えているのではないでしょうか。何しろ便利で手間いらずですものね。かくいう私ももちろんフード派です。だって、私はお料理大嫌いの面倒くさがりですから、絶対まともな食餌なんて作ってあげられっこありません(~_~;)。獣医さんの中にも手作り食は栄養バランスが保ちにくいからあまりお奨めしないという意見もありますし。(だからって特定のフードだけを無理やり薦められるのも困りものですが…。)

もちろん手作りでしかも栄養バランスが保てるごはんがあげられればそれにこしたことはないのでしょうが、だからと言って手作り食を与えている人だけに愛情があって、市販フードを与えている人には愛情が無いとか、手抜きだとか、そんな風に考える必要はぜんぜん無いと思います。だって人にはそれぞれ事情ってものがありますから。でも、私は自分でごはんを作ってあげられない分、お兄ちゃんたちのフードにはかなり気を使っています。だって食事は健康の資本となる重要な要素ですものね。というわけで、私はできる限り質が良いと思われるフードを日ごろから選ぶようにしています。

質の良いフードって?

私はフードの質=原材料の安全性と考えています。例えばドライフードの場合、国産で3kg 500円と3kg 1,500円のものがあったとして、この差はどこから来ていると思いますか?やっぱり原材料の占めるウェイトが高いと思いますよね。フードのパッケージに記載されている原材料の表示を見たことがありますか?一番最初に記載されているものがそのフードに一番多く含まれている原材料ですが、安価で大量に販売されているドライフードの場合、たいがい一番最初にとうもろこしなどたんぱく質以外のものが表示されていると思います。猫は基本的に肉食動物ですから、キャットフードならば本来たんぱく質 (鶏肉や牛肉など) が一番多く含まれていなければならないはずなのに、とうもろこしが一番多く含まれているなんて、何だかおかしいと思いませんか?

それに、必ずといっていいほど安価な製品には大豆ミールやミートミール (または○○副産物) という名前が含まれていますが、このミールというのも実は曲者なんです。このミールって一体何でしょう?それはズバリ、カスなんです。大豆ミールは大豆をしぼって、しぼって、これ以上何の栄養分も無いというところまでしぼった残りカスだそうです。ミートミールや鳥肉 (牛肉、畜肉) 副産物などと表示されているものは、基本的には精肉にされる過程で廃棄される人間の口には入らない部分ですが、と殺される前に病気や何らかの原因で死んだ動物の肉や、ひどい場合は鳥の羽、くちばし、足、糞尿までもが含まれている場合もあるそうです。まあ、大豆ミールや畜肉副産物を含む全てのフードがそこまでひどくないにしても、人間が食べられないようなものをペットだからといって与えても良いかと言われると、やはり安全性という点で不安ですよね。(しかも、そのようなフードに限って合成保存料や添加物、着色料などもたっぷり入っていることが多いような気がします。)

ではなぜペットフード会社はこのような食材を平気で使っているのでしょうか?それはやはり原材料の費用がゼロに近いほど安く、産業廃棄物を有効利用することで巨額の利益が得られるからでしょう。それに、人間用の食品は厳しい法律や規制がありますが、ペットフードにはそれが全くありませんから、フード会社は最低限の表示義務さえ守っていればあとはやりたいようにできるんだそうです。そして、そんな裏の事情も知らずに、テレビで流れるかわいいCMや見た目のきれいさなどにつられて私達はついついフードを選んでしまいがちです。でも、宣伝に多額の費用をかけているフードほど、実はその費用に反比例してフードの質が粗悪だというのが、識者の間ではもっぱらの定説だそうです。

じゃあ、プレミアム フードならいいの?

スーパーやコンビニでも販売されているようなきわめてメジャーな一般フード (例えば、ブレッキーズやキャラットなど) とは別に、プレミアムフードと呼ばれるタイプのフードもあります。一番有名なものはヒルズやアイムスでしょうか。これらのフードは値段的には結構高価な部類に入りますし、動物病院に行けば獣医さんが薦めるくらいだからおそらく一般フードよりも質が良いのでしょう。実際、原材料の表示などを見ても、鶏肉などのたんぱく質が最初に記載されていますし、一般フードのおおざっぱな成分表示に比べて微量な成分までかなり詳細に記載されています。

というわけで、私も1年ほど前まではアイムスやヒルズの信奉者でした。だから小次郎はアイムスのキトンフードで育て、お兄ちゃんはヒルズとアイムスの療法食をトータル1年半も食べていたのです。でも、「飼い主が知らないドッグフードの中身」 という本を読んで、それまで何気なく与えていたペットフードが実は真剣に選ばなければわんにゃんの寿命を縮めることにもなりかねないということを知ってから、念のためヒルズやアイムスについても情報を集め、原材料も見なおしてみました。すると、ヒルズについては会社が身売りをして経営者が変わってから極端に質が低下したという噂を聞き、またアイムスのフードには発ガン性が疑われているエトキシキンという添加物が使用されていることがわかったのです。というわけで、これらのフードもやがて私の選択肢からはずれることになりました。

そしてネットなどで調べていくうちに、アイムスやヒルズの更に上を行くスーパー プレミアムフードと呼ばれるフードが存在することを知りました。これらは、人間の食材と同等の原材料を使用し、合成保存料や着色料などは全く無添加で、栄養バランスが保たれているばかりでなく健康に配慮したハーブやサプリメントまで加えられているというようなフードです。通常これらのフードはホームセンターや普通のペットショップでは販売されておらず、通販か専門店のようなところでしか買えないので、田舎に住んでいる私は本を読むまでそんなフードがあることすら全く知らなかったのでした。

そして、これらのスーパー プレミアムフードを試してみることになったわけですが、これらフードには大きな問題がありました。それは、とにかく値段が高いことです。3kgで3,300円とか、170gの缶詰1個で260円とか、どれも普通だったらちょっと引いてしまうようなお値段です。というのも、これらのフードはみな外国製なので、輸送費や手数料がやけに高くて現地の値段の数倍にもなってしまうらしいのです。(中には平行輸入品の安いものもありますが、それらはパッケージが日本のような高い湿気の気候に耐えられるようになっていないので、何ヶ月もかかって船便で到着すると、輸送中にカビが生えているなどの問題も生じているようです。)

しかし、お兄ちゃんたちに少しでも安全で、質の良いフードをどうしても食べさせてあげたい。そう思ってペット系のサイトで評判を聞いたり原材料を吟味して、いろいろなフードを試しているうちに、気がつけばいつからかフードジプシーになっていました(^^ゞ。今まで試したフードは、覚えているだけでもニュートロ、ナチュラルバランス、ワイソング、ソリッド ゴールド、ヤラー、アズミラ、ワンアース、カリフォルニアナチュラル、イノーバです。もちろん、原材料は人間の食材を使い、合成保存料などは全く無添加とうたってはいても、ユーザーが個人的に検査したら合成保存料や添加物が検出されたなんてこともあるそうで、今のところ私なりに本当に質が高く安全と信じられるフードはまだ発見できていないというのが本音です。

結局どれがいいの?

というわけで、原材料以外にも合成保存料や着色料などの添加物の有無、新鮮さを保つためのパッケージの工夫など、ペットフードの質という点で考慮すべき項目は他にもいくつかあり、本当にわんにゃんのためにこだわって作ってあり、価格を含めて全てに満足の行くフードを見つけるのは今のところとっても難しいみたいです。あとはわんにゃんの健康状態や予算、自分が準備にかけられる時間などに合わせて、できる限り安全で質が良いと思われるフードをそれぞれに選んでいくしかないということでしょう。でも、かわいい我が子たちのことを思うならば、フードに関しても最低限の知識を得ておく必要があることだけは確かです。機会があったら、一度ご紹介した本を読んで是非考えてみて下さいね。

我が家の場合

いろいろなフードを試した結果たどりついた現在の我が家の状況はpart 2でご紹介しています。


ごはんについて Part2 に続く
Last updated: 2003.2.23