病院について Part1

近頃、動物病院て増えましたよね。私が住んでいるこんな田舎でも通える範囲に9件もの動物病院があります。しかし、先代のビーグルミックス犬トーラも含めてこれまでにお世話になった病院が5件、評判を耳にしたのが3件と、ほぼ全ての病院について情報を仕入れたにもかかわらず、ここなら安心して任せられるという病院が見つかりませんでした。やはり田舎となると9件あっても十分な選択肢ではないようです。我が家のお兄ちゃんは肥満細胞腫というバクダンを抱えているので信頼できる主治医の先生を見つけたかったのですが、幸い今は少々遠いところですがとても良い病院にめぐりあうことができました。

このコーナーでは、主にお兄ちゃんが通った事のある病院について、その時の様子などを書いています。

N1動物病院での出来事
ちゃあこの前に飼っていたトーラが生きていた頃、お世話になったのがこの病院です。もう10年以上も前のことで、まだそのころは今のようにたくさん動物病院もなかったので、いつもこの病院は混んでいました。病院には院長と助手役の奥さんがおり、院長が不在の時は奥さんが簡単な処置をしているようでした (獣医師免許があるとは思えませんでしたが)。院長はとても気性が激しい人で、ご機嫌な時はあめ玉をくれたりするのですが、機嫌が悪いと 「ちゃんと押さえていないから犬が動くじゃないか!」 と私をどなりつけたりしました。

ある日トーラの便が出なくなってしまいました。力んでもほとんど出ないのです。便秘かと思ってN病院に連れて行き、浣腸をしてもらったのですがそれでもまだ出ません。レントゲンの結果、腹部にかなり便が溜まっており、開腹しなければ出せないということで、その場で開腹手術になりました。開腹の結果、膀胱にできたガンが大きくなって大腸を圧迫し、便を出せなくしていたことがわかりました。母親と私はただの便秘だと思って連れていったのが、突然開腹手術になって、しかも手の施しようのないガンだと知らされただけでもひどいショックだったのに、先生はあっけらかんとした顔で 「このまま安楽死させますか?」 と聞いたのです。私はただ泣くだけで返事などできませんでしたが、母親が 「連れて帰ります」 と言ってとりあえずお腹を閉じてもらい引き取ってきました。それから3日後に私は渡英が決まっていたのでトーラの死に目には会えず、手術から1週間ほどして家人の留守中にトーラは息を引き取ったと電話で聞きました。あまりのショックに熱を出して4日間も寝込んだことを覚えています。それ以来この病院には行っていません。

N2動物病院でのできごと
この病院は祖母の家の動物がかかりつけだった病院で、お兄ちゃんをもらってから初めてお世話になりました。ここも院長と助手役の奥さんが二人でやっており、院長はやはり気性の荒そうなあまり愛想のない人でした。ここでお兄ちゃんは初めてのワクチンを接種したのですが、いきなり注射1本で9,000円と言われた時にはひっくり返るほど驚きました。それまで動物病院について行ったことはあってもお金を払ったことはなかったので、猫のワクチンがそんなに高いとは知りもしなかったのです。ただ、生まれてから初めてのワクチンは3週間置いて2回接種するのが一般的と言われており、2回目は無料だから9,000円という説明も受けました。この辺りの動物病院で受けるワクチンはだいたい1回5,000円のところが多いので、それと比較すれば1回あたり4,500円とお安くはありますが、必ず2回目もワクチンを受けに来るとは限りませんものね…。2回目のワクチンが終わった後、この病院には行っていません。

Y動物病院でのできごと
この病院は、お兄ちゃんの里親さんがかかりつけにしていた病院で、里親さんと友達だった喜代子おばさんが教えてくれたところです。家から車で15分ほどの場所にあり、どちらも獣医師の資格を持ったご夫婦の先生がやっていました。主な診察はだんなさんの男先生がしていて、奥さんの女先生は助手といった感じでした。どちらの先生も動物に対してはとても優しく接してくれるのですが、男先生は少々短気なところがあり、例えば、来院する時に猫をキャリーや袋に入れてこなかったり、何日も前から具合が悪かったのに連れてこなかったなどと言ったりすると、飼い主でも容赦なく怒られてしまいます。また、女先生なんて言った通りのことをしないからとしょっちゅう頭ごなしに怒鳴られていました。そんなわけで、自分が怒られたことはないのですが、小心者の私は男先生と話をする時はいつもビクビクしていました。

ここの先生は頻繁に学会にも出席しているようですし、技術力という点では評判も良かったのですが、1つ問題がありました。それは設備がほとんど何もないということでした。建物はプレハブで診察室も手術室も待合室もありません。中は雑然といろいろな物が天井までうずたかく積まれ、唯一ある装置と言えば超音波診断装置くらいで、体重計も人間用のものでした。

そんなある日、お兄ちゃんが初めてFLUTD (下部尿路疾患) にかかってしまいました。5分おきにトイレにかけこむのですが、おしっこが出ている様子がないのです。トイレへ行き始めたのがすでに夜の11時過ぎだったので、尿閉塞は心配だったのですがとりあえずその晩は様子を見て翌朝一番で病院へ行くことにしました。次の日、病院は9時からだったのですが、8時45分くらいに病院に着きました。病院の前には既に犬をつれたおじさんが待っていて、私は2番目でした。幸い、ついてすぐに準備のためか先生が隣りの自宅から病院へやってきて、おじさんに 「今日はどうしたのですか?」 と聞きました。おじさんは確か予防注射とか言ったようでした。そして私にもどうしたのか聞いてくれたので、私は 「猫のおしっこが出なくなってしまったんです。」 と言いました。すると先生はまだ診察時間前だったのですが、そのおじさんに 「こちらの子は一刻を争うから、先にしてもらってもいい?」 と言って順番を先にして病院に入れてくれました。おじさんも優しい方ですぐに順番をゆずって下さいました。そして、すぐに診察してくれたのですが、幸い膀胱に尿はたまっておらず、尿閉塞にもなっていなかったようなので一安心でした。その日は特に検査は何もせず、抗生物質と結石を溶かす療法食をもらっておじさんにお礼を行って帰宅しました。

その後は投薬と何回かの通院で完治し、あとはヒルズの予防食を続けることで再発はしませんでした。しかし後になってよく考えて見れば、尿検査もせずにストルバイトを溶かす療法食をもらったわけで (結石にも2種類あって、少ないとはいえシュウ酸カルシウムによる結石もあるので、検査をしなければ一概にストルバイト結石とは言えないんですよね) その点が後に病院を変えるきっかけとなりました。その後こちらの病院はず〜っとお世話になっていませんでしたが、おかあちゃんの具合が悪くなった時に2年ぶりくらいでセカンドオピニオンを聞きに行ったりしました。

S動物病院でのできごと
ここは一番新しく4年ほど前に開業した動物病院で、我が家から自動車で5分と非常に便利な場所にあります。小次郎を保護した時に初めてお世話になって以来、もっぱら保護猫の病気や去勢はこちらの病院にお世話になっています。ここは開業したてのせいか、いつ行っても空いているのが魅力です(^^ゞ 建物はきれいで大きく、待合室もあるし手術室や入院室、レントゲン装置など最低限の設備もきちんと整っているので安心ですが、難点は先生が一人で何もかもやっているということ。というわけで、たまに混んでいる時などは受付から支払いまで全て先生がやらなければならないので結構待たされたりもしますし、あまり難しい手術などは助手がいないのでできないのではないかと思う時もあります。でも、きっちゃない野良猫でワクチンをしていなくてもわけ隔てなく診察や手術してくれますし、状況だけ説明して薬だけ出してもらう時もありますので、もっぱら便利な病院として利用させていただいています。(仲間達の紹介コーナーで良く登場するS病院はこちらのことです。)

病院について Part2 に続く

Last updated: 2003.2.23