病院について Part5

こうして私の合意を得てから検査と治療が始まりました。まず超音波で膀胱に砂 (というか結晶) がザラザラとたまっていることを確認しました。そして膀胱にちっちがたまっていることが確認できたので、超音波の画像を見ながら膀胱に直接注射針を刺してちっちを採取し検査をしました。この時点で、お兄ちゃんが完全に尿道閉塞の状態なのか確認できていなかったのですが、神経質なお兄ちゃんは診察台で押さえられたのがストレスになったのかあお向けにされお腹丸出しの状態でおもらしをしてしまいました。しかもバタバタしながらだったので、当然ちっちはあちこちに飛び散り(@_@) 超音波の診断装置や看護士さん、先生にまでかかってしまいました。私は平謝りでしたが、誰も怒ったりせずニコニコとしながら「大丈夫ですよ」と言って下さって (慣れてるのかな?) 先生などは 「これで尿道閉塞でないことが確認できたから、今夜は安心して (自分が) 眠れるよ。だって確認できないと、いつまでも心配だもんね〜」 とお兄ちゃんに話かけていました。私は「患畜のことが心配で夜も眠れないなんて、そんな親切な先生が実際この世にいるのか?」と思い切りびっくりしてしまいましたが、先生の言葉は単なるジェスチャーとも思えず、何だか感動してしまったのでした。

その後血液検査のための採血もして、検査結果が出るまで一旦お兄ちゃんをキャリーに入れて待合室で待ちました。そして結果が出たので再度診察室に入り、尿検査と血液検査の結果を見ながらいろいろな説明を聞きました。その後太〜い (直径2cmくらい?) の注射針にきっちりと分量をはかった補液を2本と消炎剤や抗生物質などの注射をしてその日の治療は終わりになりました。

最初に、先生にはかかりつけの病院が休診だったので連れて来たと話してあったので、先生はかかりつけの病院のことも考えてくれて、翌日かかりつけの病院に行く時は持参して下さいと、検査の結果を全部別の用紙に転記して渡してくれました。そして、もし不明なことがあったらそちらの病院の先生から電話をもらえば、状況を説明するからとも言ってくれました。

実際 I 病院に行く前、二度とO病院には行くまいと決心していたつもりでした。しかし、実はまだ私の中にかなりの迷いがありました。聞けば、当分毎日の通院は必須とのこと。確かに、初めて行ったその病院は理想の動物病院像にかなり近いもので、十分に納得のいく治療が得られましたし、とても親切な対応をしてもらえました。しかし現実問題として、本当に毎日会社を早く切り上げて高速道路を使ってこの遠くの病院まで通うことができるのだろうか、あるいは、ここで以前のO病院との縁を切ってしまって、万が一あとでこのI動物病院と何らかのトラブルがあった場合、もうO病院に戻る事はできない。そうなると、更に遠くまで範囲を広げてまた1から新しい病院を開拓しなればならないが、そう簡単に見つかるものでもないし…そんなことをさんざん考えた末、先生からはとりあえずその病院に転院してきても構わないという了解だけを得て、結論は翌朝病院へ行くまでに決めることにしました。

翌朝、午前中は欠勤する旨の電話を会社に入れてから病院へ出かける支度をしました。しかしこの時点でもまだどちらの病院に行くのか、結論が出ていませんでした。(実はかなり優柔不断な私…。) お兄ちゃんをキャリーに入れて後部座席に乗せ、キャリーのハンドルにシートベルトをかけて固定し、いつものように車に乗せると鳴き始めるお兄ちゃんの叫び声を聞きながら出発しました。そしていよいよ右へ曲がるとO病院への道、まっすぐ行くと高速のインターチェンジという交差点まで来て、初めてO病院とは決別する意志を固め、直進してインターチェンジへと向かいました。

病院につくと昨日の先生とは別の女性の先生が診察をしてくれましたが、基本的には同じ対応、同じ治療で、特に気になる事はありませんでした。そして、仕事があるので翌日は夕方に通院したいとお願いすると、じゃあ薬は今日の夜と明日の朝の2回分ですねと言って最低限の薬だけをもらいました。私はまたまたびっくりしてしまいました。これがO病院だったらすぐに3種類くらいの薬が2週間分どど~んと出されるのです。私はそれまで薬の与え方について深く考えたことはありませんでしたが、I病院の対応を見て改めて考えなおしてみると、確かにO病院のやり方は過剰診療、あるいは過剰請求とも言えかねません。なぜなら治療をしていく過程において、薬が不要になるかもしれないし、効果がなければ薬を変える必要が出てくるかもしれません。その場合、最初から2週間分もらっておいて (当然有料ですから買うわけですよね) 例えば5日しか飲ませていないのに、治ってしまったとか、効果がないから別の薬に切り換える場合、手元にある薬はそのまま残ってしまい、余計なお金を払ったことになります。

しかしI病院のやり方ならば、必要最低限な分 (この場合は翌日必ず通院してくる事がわかっているので、通院してくる時間までに必要な分) しか薬は出されませんから、余ることもありませんし、薬を切り換えても薬を無駄にする事がありません。それに、お兄ちゃんは敏感なのでご飯に薬を混ぜるとすぐに察知してご飯を食べなくなってしまいます。そのため錠剤をもらって口に放り込むのが時間もかからずベストなので、先生に薬は液体や粉の薬ではなく錠剤で出してくださいとお願いしました。すると、抗生物質は錠剤があったのですが、消炎剤には粒が無くどうしても粉になってしまいますが、どうしましょうと相談されました。そこでそんなに匂いがなければ大丈夫だと思うと話すと、わざわざ薬を調合する白い陶器の容器に薬と、にゃんずが薬を嫌がる場合に混ぜるという茶色の粉 (匂い消し?) を混ぜたものをもってきて、この程度の匂いだったらどうでしょう…と聞かれました。もちろん私は人間で、しかもいつも鼻詰まり気味なので正直なところどうでしょうと聞かれても困ってしまうのですが、とりあえず大丈夫でしょうと答えてもらってきました。(幸いこの粉薬はご飯に混ぜても大丈夫でした。)

それにO病院の時、粉薬はまずスポイト付きのプラスチック容器に薬を入れてから、看護士さんが容器の目盛りに合わせてただ水道水を注ぎ足して出してくれたので、2週間分と言ってもらってくると、そのうち薬の表面にカビが浮くようになってきて、結局は捨ててしまうことがよくありました (特に冷蔵庫で保管するようにも言われませんでしたし)。しかしI病院では粉薬もそれぞれ分封になっていて、毎回水に溶いてあげて下さいといって針の無い注射器も一緒に渡されました。(私は使ったことがありませんが。) しかもO病院の場合、薬の請求金額は粒のものは1粒100円 (フィラリアなどの特殊な薬は除く)、液体のものは1回分100円だったのですが、液体は与えにくいので粒にしてくださいと頼んで同じ薬をもらった時、粒だと1回分が1/4錠だったので同じ回数分なのに薬代が一気に1/4になりました。(つまり、1回分100円の液体12回分=1200円ですが、これを粒にすると3錠ですんでしまうので300円だけで良いということです。)

それまで計算方法のカラクリにはまったく気付いていなかったので何の疑いも無く液体も粒も同じ金額だと思っていましたが、後になって考えれば何も聞かれずに液体の薬をずっともらっていた時はかなり損をしていたわけで、こういう部分は病院のやり方次第でどうにでもなるものなのだと改めて感じました。やはりいろいろな病院をまわって、多くの経験を積むのもある意味必要なことなのかもしれません。もちろん病院など行かずにすめばそれが一番なのですが、病気がちな子がいる場合信頼できる動物病院を探し当てる事がその子に長生きしてもらえるかどうかの重大なポイントになることは確かです。幸い私はネットという手段があったおかげで、権威ある先生に相談ができたり、病院を紹介してもらうことが出来て、本当にラッキーだったと思っています。

その後適切な治療と投薬でお兄ちゃんの膀胱炎は一旦完治したのですが、原材料や添加物などの安全性の懸念から私が療法食を断り続けていたために結局結晶が再発してしまい、この時は尿道閉鎖にまで至ってしまいました。おかげでお兄ちゃんに2回もカテーテルによる膀胱洗浄を受けさせることになってしまい、本当にかわいそうなことをしてしまいました。その後は覚悟を決めて療法食に切り替え、薬もきっちり飲ませて膀胱炎は何とか完治しました。一時ちっちの調子が良くなったので2週間ほど療法食をやめてみたことがあるのですが、やはり途端にちっちの調子が悪くなってしまったので (1回の量が半減してしまう)、今は療法食と普通のフードの割合を半々くらいにして様子を見ています。安全性という点で療法食を与えることにはまだ抵抗がありますが、多少ご飯がマズくても、膀胱炎になって辛い思いをするよりは良いだろうと考え、当分は療法食をあげることにしました。(その分、不要な物質や危険な物質を体外へ排出する効果があるというキトサンを多めに飲ませています。)

マーキングされてしまった時はリトマス試験紙で酸性度をみたり結晶が出ていないか確認もしています。肥満細胞腫のほうも落ち着いていて最近新たに発見したぽっちんはありませんし、せっせとサプリメントトをあげながら、このまま何とか両方の病気が再発せずお兄ちゃんが長生きできるように、できる限りのことをしてがんばっていこうと思います。

難しい病院選び

こうして何件もの病院にお世話になってみて感じる事は、やはり病院選びは難しいということです。万が一、間違った病院を選んでしまうと、わんにゃん達に余計な苦しい思いや辛い思いをさせてしまいますし、ひとつ間違えば大切な命さえ奪われかねませんから、少しでもおかしいと思うことがある場合には、勇気を持って別の病院に転院したり、万が一の時のためにあらかじめ近所にある動物病院をまわって良さそうなところを探しておくことも大切だと思います。良い獣医さん選びの参考になる 「良い獣医さんはどこにいる」 という本があります。ニコニコ文庫 のコーナーで紹介していますので、是非一度読んでみて下さい。かわいいわんにゃんの健康のため、お互い納得の行く信頼できる先生にめぐりあえれば良いですね(*^_^*)


病院について Part6 に続く

Last updated: 2003.2.23