ワクチンについて
〜予防注射は本当に必要?〜

皆さんのお家のわんにゃんはワクチン接種していますか?一度でもワクチンを接種したことがあれば、その後は毎年動物病院から同じ時期に接種の案内はがきが来たりすることもあるでしょう。このページは、近頃話題になりつつあるワクチンに関して私が思うところを書いています。

ワクチンとは

ワクチンは、本物の病原体 (細菌やウイルス) に感染する前に、その毒を弱めたり、毒の部分だけを取り除いた病原体を体内に接種することで、特定の病気に対して人工的に免疫力を作って、予防接種を受けた人や動物をその病気にかかりにくくしたり、もしその病気にかかっても症状が軽くてすむようにするためのものです。そしてワクチンの効果が広がってその病気にかかる人や動物がいなくなれば、例えば狂犬病のように一定の地域からその病気を根絶することもできます。こんなに良い効果が期待できるのですから、できればワクチンは接種した方が良いと思いますよね。

このように機能としてはとても優れたワクチンですが、最近このワクチンについて少々気になる問題が出てきています。それは、ワクチンによる副反応です。

ワクチンは安全なの?

よく、ワクチンを接種すると、先生から 「具合が悪くならないか、今日、明日くらいはよく様子を見て、もし何か異常があったらすぐ連れてきてくださいね」 と言われることがあると思います。これは、つまり暗にワクチンを接種すると具合が悪くなることがあるということですよね。このように具合の悪くなる状態を副反応と言い、接種されたワクチンに対して体がアレルギー反応を起こすことで生じます。その症状は発熱、嘔吐、倦怠感などが一般的ですが、アナフィラキシーショックという一番重症の反応が起こると、最悪の場合死んでしまうこともあるそうです。実際、我が家のお兄ちゃんはワクチンを接種して高熱が出たことがありますし、別の時にはあらかじめアレルギーを抑える注射を2本も打ってもらったにもかかわらず、一日中元気がなくなってしまったこともありました。

しかし、なぜそうまでして予防注射をしたのか?それは単に私が無知だったからに他なりません。ごく最近までの私はマニュアル鵜呑み人間であり、何の疑問も持たずに飼育本に予防接種をしましょうと書いてあればその通りに行い、不妊手術をしましょうと書いてあればその通りに手術してきました。まあ、不妊手術については我が家の場合特に間違ったことをしてしまったとは思っていませんが、予防注射に関しては本当にお兄ちゃんにかわいそうなことをしてしまったと思っています。

というのも、最近ワクチンによる副反応が、のちにワクチンを接種した動物に対して非常に恐ろしい影響をもたらす場合もありうるということを知ったからです。中には、予防接種を受けたところ高熱が出て、歯がボロボロと抜け落ち、どんどん衰弱して1週間もしないうちに死んでしまったというケースもあるそうです。ただ、このような極端なケースについては、どれも予防接種との直接的な因果関係が科学的に証明されていないのではっきりとワクチンが原因であるとは言えないと思うのですが、しかしそれまで元気だった子がワクチンの接種後に急激に体調を崩したとすれば、やはり原因としてワクチンを疑ってしまいますよね。

ここまで重篤な症状ではないにしても、実際我が家のお兄ちゃんには副反応が現れており、いろいろな話を聞いたりするうちに、最近はやはりワクチンは危険なものなのではないかと考えるようになりました。そこで、獣医学では世界の最先端を行くアメリカの様子をネットで調べて見ました。以下がその要約です:

ワクチン接種について (1999年8月9日のDr. Roen's Weekly Columnより抜粋)

最近 [アメリカの] 獣医学界には、ワクチン接種のスケジュールを変えようという動きがある。研究者や開業医の中には毎年犬や猫にワクチン接種を行う必要が本当にあるのか、疑問に感じている者もいる。特に猫については、ワクチン接種に関連する重大な腫瘍の症例も起きている。

ワクチンの副反応で一番心配されるのは 「繊維肉腫」 と呼ばれるタイプの腫瘍である。ワクチンを接種した猫約10,000頭につき1頭の割合で、ワクチン接種部位に繊維肉腫が発症すると言われている。しかし、これらの反応は、おそらく特定の地域やある特定の血統の猫で生じているものと思われ、約半数が成功裏に治療されている。どの種類のワクチン (例えば、狂犬病、猫白血病、猫パルボ/鼻気管炎など)、またはどのブランドのワクチンがこの腫瘍の原因なのかはまだ特定されていない。この腫瘍は早期に発見し手術で完全に切除すればたいがい治療は成功するが、場合によっては悪性で、致命的なこともある。

何人かの獣医は 「過剰なワクチン接種」 が犬や猫にアレルギーや他の免疫疾患を発症する危険性をもたらしているのではないかと考えている。犬や猫はしばしばワクチン接種に対してアレルギー反応を起こし、特にダックスフント種では副反応が良く見られるようである。副反応が生じれば、飼い主は困惑するだろうし、時には治療が必要になるかもしれないが、ワクチンが致命的であることはめったにない。ただ、重度の反応を示すペットにはワクチン接種はしない方がいいかもしれない。

あとは、飼い主が二つのリスクから自分のペットにとってより軽いと思われるほうを選ぶしかない。過去50年にわたる犬と猫の定期的なワクチン接種プログラムは、事実上犬ジステンパーと猫パルボ(猫「ジステンパー」)を根絶した。狂犬病は今や米国の大部分でほとんどみられない犬と猫の病気となった。我々獣医の多くは、初めてパルボウィルスが国内に蔓延し、多くの若い子犬と、健康な成犬の命を奪った時のことを今でも覚えている。15年前、猫白血病は一般的な猫の死亡原因であった。当時、私のクリニックで猫白血病の検査を行った猫の約20%が陽性を示していた。そのころから我々は猫白血病の定期的なワクチン接種を開始し、今ではこの病気や陽性の血液検査結果を見ることはめったになくなった。近代的なワクチン接種プログラムが確立される前にこれらの病気で毎年死亡していた動物の数が、ワクチンによって誘発される繊維肉腫や他の重大なワクチン接種による反応の症例数の何倍にもなることは、疑う余地がない。

いずれ、成犬や成猫へのワクチン接種の回数を少なくしても構わないだろうということが証明されるだろう。いくつかの研究がこの事実を裏付けていると思われる。しかし、研究は小数の動物の血液試験における抗体レベルを測定するものである。室内にいるペットを、外でうろつく野良犬、野良猫や汚染された泥の水たまりにさらすような現実的な条件では行わない。そして、もし予防接種をしていない犬や猫の間で広範囲に伝染病が流行し始めてしまった場合、毎年ワクチン接種を受けているペットですらより重い症状にかかる危険性が高まるのである。

ワクチン接種スケジュールを縮小するという動きは、まだ初期で進行中の実験段階にある。自分のペットにワクチンを接種するかどうかの判断はいくつかの要因によって異なるだろう。例えば、これまでペットがワクチン接種に関連した問題を生じたことがあったかどうかである。完全室内飼いの猫と慎重に外出を制限されている犬は感染のリスクがより低いとは言え、菌が靴について家の中に運ばれてくることもあるし、電車や飛行機に乗せたり、グルーミング ショップや動物病院に連れていくことで感染することもありうる。

この問題については、ペットの病歴やライフスタイルを熟知しているかかりつけの獣医と充分に話し合うべきだろう。現時点で、確信を持って何が正しい判断であるのか、答えられる人はだれもいない。しかしかかりつけの獣医ならば、個々のペットについて最適な決断を下すために必要な情報を提供してくれるだろう。

この情報は少し古いのですが、おそらく今でも充分に通用する内容だと思います。特に、最近新たに使用されるようになった特定のワクチンでは強い副反応が見られることがあるようです。下記に猫のワクチンに関して詳しく説明しているサイト (動物愛護団体プラーナの一部) を紹介します。とっても勉強になりますので、アドレスをコピペして一度アクセスして見てくださいね。(リンクは禁止されているみたいなので、お手数ですがコピペして下さい。)

http://www.prana-japan.com/vaccine-index.htm

ニコニコ文庫で紹介している 「ペットを病気にしない」 の本もワクチンをしない立場からワクチンの危険性について紹介しています。

しかし、これは本当に難しい究極の選択ですね。アレルギー反応が出るしそれ以上の副反応もこわいからワクチンは接種させたくない。でも、予防接種しなかったがために伝染病にかかって症状が重くなったりしたらそれもかわいそう (我が家はこれで七奈を生死の境にまで追いやってしまいました…詳しくは こちらのページ を見てね) 本当に難しい問題です。小次郎は特にアレルギー反応が出たことはないのでワクチンを接種しても大丈夫だと思うのですが、お兄ちゃんは毎回アレルギー反応が出るし、でも虚弱体質気味だから感染症にかかりやすいかもしれないし、どこでどう菌を持ち込むかわかりませんものね。皆さんも一度ワクチンの必要性について、考えてみて下さいね。(ワクチン接種して副反応が出た子は特にね。)

Last Update: 2003.2.23