今年4月、1999年4月の最後の里帰り以来実に3年ぶりの里帰りが実現しました。イギリスを離れた1995年の4月以降、毎年必ず1回は里帰りしていたのですが、2000年3月の亀ちゃんの出現に端を発したにゃんず騒動でほとんど家を空けることができなくなってしまい、その後ロンドンは遠い夢のかなたとあきらめていました。しかし、私しか面倒を見られなかったおかあちゃんが2001年12月にあっけなく他界し、あれほど懐いていた亀ちゃんもある日突然行方不明になってしまって、他のにゃんずだけなら両親に世話をお願いすることができるようになったので、ロンドンのにゃんずが元気なうちにどうしても一目会っておきたいと、急遽思い立ってロンドン行きを決めたのでした。

準備は万端!

そこで、さっそくローラとアーチが住むロンドンのDalley家にメールを書いて訪問したい旨を伝えると、4月の初旬までならばいつでもOK、その上家に泊まっても良いといううれしい返事が来ました。そこで、ロンドンに行ったら必ず1回は足を運ぶオペラハウス (ROH) のサイトにアクセスしてロイヤルバレエ団の公演をチェックしました。最近は本当に便利になって、ネットで公演のスケジュールを調べたりオンラインでチケットが購入できるのです。ラッキーなことに、4月始めにちょうど私の好きなプログラムの公演があったのでその場でチケットを予約して、その日程に基づいてロンドン行きのスケジュールを組みました。(ちょっと変わったスケジュールの決め方でしょ?)

次に航空券を手配しました。前回ロンドンに行った時はまだ自宅に今のような常時接続のネット環境がありませんでしたし情報もそれほど充実していなかったのでいつも格安航空券の旅行社からチケットを購入していたのですが、今回はネットでいろいろ検索した結果、値段も旅行社とほとんどかわらないので直接航空会社のオフィシャル サイトから格安チケット (早割りチケット) を購入してみることにしました。値段は格安ですが正規航空券なので出発間際になって航空券でトラブルが起きる心配もありません。そこでとりあえず問い合わせのメールを出してみたのですが、すぐに返事は来るし対応は早いし、しかも航空会社と直接交渉をするので融通が利くこと、事前の座席指定や食事の指定はもちろん、支払いの猶予までしてくれました。(本当は早割りチケットなので2ヶ月くらい前に料金を支払っておかなければならないのですが2ヶ月も前だと万が一予定が変わったりする可能性もあり、そうするとキャンセル料が発生してくるので、支払いは出発の1週間前までで良いと言ってくれたのです。) 何度か電話で話もしたのですが担当はいつも同じ元気の良いとってもきさくなおじさん (と言いつつもしかすると私よりも若いかも?) で、その上たまたま飛行機は混んでいるかと尋ねたら、オーバーブッキングしているのでプレミアムエコノミーにアップグレードしてあげましょうと行って、行きだけですが1クラス上の座席に無料で変更してくれました (チケットを買えば7万円くらい違います)。これまで飛行機には7、80回乗っていますが、チケットの購入に限っては一番印象の良い航空会社でした。(ただし、機内のサービスは別です。ご飯はまずいし、アテンダントの愛想は悪いし。まあ、以前にも使ったことがあるので十分覚悟はしていたのですが(^^ゞ)

さあ行くぞ!と思ったら… (2002年4月4日)

こうして、航空券もバレエのチケットも無事入手し、ロンドンのにゃんずや家族へのおみやげもたくさん買いこんで、当日は午後の 4時まで仕事をしてから前泊する成田のホテルへ向かうため母親に駅まで送ってもらいました。私は普段東京へ出る時は値段が電車の半額なので高速バスを利用するのですが、今回はスーツケースを持って行くこともあって、乗り換えの時に歩く距離が短い電車で成田まで行く事にしました。そしていろいろなチケットの買い方を研究した結果、本来6枚つづりの千葉行きのクーポン券を特別に旅行会社でバラで売ってもらい、それを成田まで乗り越しして使うことが一番安いという結論に達しました。そこで旅行会社に頼んで電車のきっぷを手配したのですが、手元に来たのは千葉行きではなく新宿行きのクーポン券でした。人を介して頼んだので希望がうまく伝わらなかったようで、しかも切符が手元にきたのが出発の前々日だったためキャンセルもできず、しかしあきらめることもできなかったので、出発前に駅の窓口で千葉行きと替えてもらえるかダメモトで聞いてみる事にしました (新宿行きの切符だと乗り越し料金が高くなるのです)。そして事情を説明したところ、切符売り場のおじさんはなかなか親切で話を真剣に聞いてくれて、それなりに対処もしてくれたのですが、やはり本来 6枚つづりであるものをバラで買ったというある意味違法 (というほど大したことではないのですが) な方法で入手したものであり、交換はできないということになりました。

それは当初から予想された回答だったので仕方がないとあきらめたのですが、ここで大問題が発生しました。なんと、窓口でずらっと並べて話をしていた4枚の切符のうち1枚が無くなってしまったのです(@_@)私もおじさんも思い切りあせりました。駅についた時点では電車の時間まで十分余裕があったのですが、話をしているうちに発車の時刻は刻一刻と迫っていました。その上切符が無くなってしまったのです。二人とも「私は持ってません」といいながら、あちこちを探しました。おじさんは机の引き出しや発券するコンピュータの周囲、私はかばんの中や洋服のポケットなど、そこらじゅうをひっくり返してみたのですがありません。一応切符が重なっていないか確認もしたのですが、ありません。だんだんお互いに相手を責めるような態度になり「こっちにはありません」、「こっちにもありません」とすったもんだした挙句、おじさんが窓口に並んでいた切符をもう一度確認すると、なんとそのうちの2枚がぴったりとくっついてまるで1枚の切符のようになっていました(*_*) おじさんはまるで 「親切に対応してやったのに、切符が無くなった責任まで負わされるところだった。まったく、慌て者の嫌な客だねぇ」 とでも言いたげな表情で 「あるじゃないですか」と冷たく言い放って私に切符を渡しました。私は何度も謝ったのですが、おじさんはただ冷たい視線を投げかけるだけで、後は無視されてしまいました。

私はいきなり旅行の出足でつまづいたことにすっかり気落ちしてしまい、この先悪いことが続くのではないかと心配になったのですが、ここで旅行を取りやめるわけには行きません。母親からスーツケースを受け取ってにゃんずの事をよく頼むと、急いでホームへの階段を下りました。

座席が指定されていた最後尾の車両の乗り場まで、足取りも重くスーツケースを引きずって歩きました。そして電車に乗り込み、あとはひたすら終点の千葉までちょっぴり暗い気持ちでぼ〜っと外を眺めながら行きました。その時点で既にホームシックにかかっていたのかもしれません。千葉で成田空港行きの総武線に乗り換え、終点のターミナル1まで行って、これもネットで予約した空港内にある一番近いホテルへ向かいました。(送迎の無料バスを使ったのですが、なんとたったの3分くらいで着いてしまいました。) 時間は夜の10時近くになっていたにもかかわらず、ホテルのフロントはチェックインする客で混んでおり、私はスーツケースに腰掛けてゆっくり待っていました。チェックインはとてもあっけなく、ネットで予約した時に返信されてきたメールのプリントアウトを出して、名前や住所などを書いたら終わってしまい、高級なホテルではありませんから、また重いスーツケースを転がして自分で部屋に入りました。今回はイギリスからネットをすべくノートパソを持参していたので、いつものようにニコニコの日記を書いたり、メールのチェックをしたり、お風呂に入ったりして、やっと夜の1時過ぎにベッドにもぐりこみ考える間もなく眠ってしまいました。
出発当日に続く
Last Updated: 2003.2.2