お散歩日和

今日も天気は快晴で、お昼過ぎからJoanがお友達を招いてビッグランチをしてくれることになっていたのですがそれまで時間があったので久しぶりにパットニーの中心街であるハイストリートまでお散歩に行く事にしました。私が住んでいた頃日曜日はほとんどのお店がお休みで (キリスト教のなごりなんでしょうね、法律で決められていました) 特にすることもなく日曜日はみんな家で思い思いのことをしていたり、お散歩にいったりしていましたが、今はその法律も改正されて日曜でもほとんどのお店が開いているとのこと、そこでおみやげの購入もかねてショッピングに出かけました。

パットニーはウィンブルドンにほど近い小高い丘のある高級住宅街です。ハイストリートはこじんまりとしていますが、一通りのものは揃っていて小さいながらショッピングセンターもあります。そこで、まずこのショッピングセンターをのぞいてみることにしました。ショッピングセンターに入っているお店は以前とほとんどかわりがありませんでしたが中にGap Kidsのお店があるのを見つけました。弟のお嫁さんがよく甥っ子にGapの洋服を着せていたのを思い出し、これは良いおみやげになるかな?と思いさっそく店に入ってみました。ちょうど甥っ子に良いサイズの服がいろいろとあり喜んで見ていたのですが、ふとサイズを確認しようと見たタグにとんでもないものを発見しました。そう、そこには日本語のタグがついていたのです(+_+)。縫製は中国らしいのですが日本で販売するために日本語のタグをつけたものをそのままイギリスにも出しているらしく、タグには東京にあるGapのオフィスの住所なども記入されていました。私はイギリスまで来て何が悲しくて日本で買えるものをおみやげにしなければいけないのかと思い、Gapのおみやげを購入するのは即やめました。

そしてGapのお店を出るとそこにちょうどEarly Learning Centreという幼児が遊びながらいろいろな知識や知恵を身に付けられるというおもちゃやグッズを扱うお店がありました。そこで、すぐ着られなくなるような洋服よりもこちらのほうがよっぽど甥っ子のためにもなるだろうと思いトランプのようになっていてそこに描かれている絵をみながら数字とアルファベットを覚えられるようなカードのおもちゃを買いました。

次に私の大好きなWH Smithという本屋さんに行きました。イギリスにいた時も本が大好きだったので、良く立ち寄っては本をみたり文房具を買ったりしていました。そこでまず私が一番好きな作家Jack Higginsのコーナーに行きました。(ちなみに彼の書く本はアクション アドベンチャーやスパイ小説で、その中に出てくるSean Dillonというスパイがとってもかっこいいんですよ〜。) 私は彼の本はほとんど持っていますが、前回イギリスに来てから新刊になった本はもっていないのでそれを2冊買うことにしました。そして次は当然ながらペットのコーナーに向かいました。やはりイギリスはペットケアの先進国、きっとためになる本があるに違いありません。

そして見つけたのですが、どの本も情報、写真が満載でいかにもためになりそうなのですが、大きくて厚くて重い!とても持って帰るには大変そうな本ばかりです。当然ながらお値段もかなり良いですし (3000〜4000円くらいするものがほとんどでした) 一冊一冊を手にとって内容を確認しながら、お値段、サイズ、内容の全てにおいて納得いく本はどれだろうかと、そこで30分も悩んでいました。そして選んだのが Guide to Cat Careという本で、とにかく猫のケアに関することがこれでもかというくらい網羅されて載っています。中にはその項目に関連した情報が詳しく載っているWebサイトのURLも入っており、かわいい写真やイラストが満載の上にわかりやすい文章で書かれており、最近出版されたばかりのようなので情報も新しいものでした。しかも、なんとセールの対象になっており (イギリスは普通の本でも値引きがあります) 定価では2600円するところが2000円になっていたので、ちょっと厚くて重かったのですが十分に持ち帰る価値はあると思い、それも買うことにしました。

スーパーマーケットにも寄ろうと思ったのですが、本屋さんで思わずとても時間がかかってしまいランチの時間になりそうだったので散歩はそこできりあげて家に帰りました。


   
           懐かしの我が家です。        散歩の途中で。花が満開でした。


ほんとはイギリス料理はおいしいんです

この日は日曜日だったので、Joanが私のためにビッグランチを企画してくれました。ビッグランチとは日曜日のお昼ご飯のことで、特にお友達などを招いて大勢で伝統的なイギリス料理をいただくことを言います。Joanがビッグランチを企画してくれた目的は私に懐かしいイギリス料理をふるまうことと、もう一つIanを招待して一緒に話をする機会を作ってくれることでした。Ianは私がロンドンで英語学校に通っていた時のクラスの先生です。1年半も在籍していたので何かと親切にしてもらい、私が学校をやめてからもクリスマスカードの交換をしたり、私がロンドンに行った時は一緒に食事をしたりしていました。同じ学校で英語を教えていたIanとJoanとは気の合う同僚で去年の7月に二人揃って定年退職したのですが、二人は今でも懇意にしていて私がロンドンに行ったらIanにも会いたいとJoanに話しておいたので、Joanが気を利かせて場を設けてくれたのでした。

Ianは英語はもちろん、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ロシア語を自在に操り、文学や芸術にも造詣が深く、授業もとても楽しい先生でした。そして、見た目はぽちゃっとした小太りのおじさんでいたって普通の人なのですが、話し始めるとおすぎとピーコを思わせるようなちょっと女性っぽいしゃべり方になります。そう、彼はゲイなのです。でも、別にその事を特別に感じたことはありませんし、みんなも一個人として普通の友達つきあいをしています。むしろ、普通の人以上に友達関係がさっぱりしているし (変な恋愛感情みたいなものが絶対にわいてこないという安心感?)、いろんなことをたくさん知っているので話をしていてとても楽しい人なのです。(ちなみに、彼はメキシコにたくさんのゲイ仲間がいるので私同様メキシコが第2の故郷になっていて、毎年1回は里帰りをしています(^_^))

ビッグランチにはもう一人同じ学校で先生をしている女性と、この家の3階 (私が住んでいた部屋の隣の部屋) にもう5年も間借りしているという日本人の若い女性も招待され、総勢6人でにぎやかにおしゃべりしながらおいしいランチをいただきました。今回のメニューはオーブンでじっくり焼いたローストポークと外がカリカリで中はふっくらのローストポテト、つけあわせは茹でたブロッコリーとにんじん、そしてデザートは昨日マクナビミルズで買った手作り風ルバーブパイとアップルパイでした。Joanは料理がとても上手でメインディッシュのローストポークもおいしかったのですが、特にローストポテトは外のカリカリ具合が絶品で、みんなでおかわりをしていただきました。

ランチが済んで一休みした後は、とても天気の良い日だったのでみんなでリッチモンドパークへ散策にでかけることにしました。イギリス人は散歩が好きですし、町のいたるところに公園があるので、お天気が良くて (これはイギリスでは貴重な事) 少しでも時間があるとすぐに散歩に出かけます。今年はやはりイギリスでも1ヶ月ほど草花の開花が早いということで、その日はリッチモンドパークにあるアゼリアガーデン (つつじが群生している場所) に行ってみようということになりました。リッチモンドパークは家から車で10分ほどの場所にある広大な公園なのですが、広さは一体どのくらいあるのでしょうか?端から端まで車でつっきっても10分以上かかるので、想像もつきません。中には鹿の群れが放されていたり、公的な施設が点在していたりというロンドンでも有数の大きな公園の1つです。

その日は天気がよく日曜日ということもあって、公園は大勢の人でにぎわっていました。混雑する駐車場に車をとめてしばらく歩くとアゼリアガーデンの入り口があり、中に入ると背の高い木が生い茂るちょっとした林のような中を遊歩道とわきを流れる細い小川が続いていました。普通日本でつつじというとわりと背が低く刈り込まれて密生しているのが一般的ですが、あちらのつつじは刈り込まずただ大きくなっているので、ほとんどの木が2m以上の高さに成長していて、つつじはつつじでも何だか別の木のように感じられました。木立の中をぬけてみんなでいろいろな話をしながらゆっくりと散策しました。比較的日当たりの良い場所では木一杯に花が咲いているつつじもありましたが、ほとんどはまだつぼみの状態で、あと2週間ほどすれば見ごろになるかしらなどと話をしました。

1時間ほどかけてアゼリアガーデンを一回りしてから家に戻り、またみんなでお茶をいただきました。この時私が持参したかりんとうもお茶うけ (紅茶うけ?) に出されたのですが、なかなか評判が良かったです。そして時間も夕方になりゲストのIanがそろそろ帰るというので楽しいランチはお開きになりました。その後私は3階に住んでいる日本人の女性に、このフラットで飼われているSpookyという名前の猫を見せてもらいに行きました。この猫はJoanの娘のEmma (私が以前借りていた部屋に住んでいる) が飼っているおばあさん猫でもうすぐ20歳になるという長生きな猫さんでした。私が行く何日か前まではほとんど体も動かせない状態でいよいよダメかと思っていたという話でしたが、私が会いに行った時は意外に元気で少し前足にびっこをひきながらも近づいてきて (別に足が悪いわけではなくて、人間でもそうですが年をとると動きがぎこちなくなりますよね) 初めて会うのに私に頭をこすりつけて親愛の情など示してくれました。しばらく猫をはさんでその女性といろんな話をしましたが、あまり猫を疲れさせてもいけないと思い、お礼を言ってその場を離れました。

その日はランチにごちそうをいただいたのでとても軽い夕食にして、最近人気があると言う刑事もののドラマをJoanとTerryと一緒に見てから、眠くなったのでちょっと早めでしたが休む事にしました。


 
   左からTerry、Joan、Ian             EmmaのところのSpooky

ロンドン3日目に続く
Last Updated: 2003.2.2